前回は恋愛経験が少なくても素直な心で異性を受け入れられる「原石くん」「原石ちゃん」という結婚できる手本を紹介しました。今さら原石には戻れない……、恋愛の回数は多いんだけど……という読者の皆さんもここら辺で答えを出しましょう。結婚までの公式を確認せずに、これまで答えをただ手探りしていませんでしたか? 今回で本連載は最終回ですが、最後の一言まで山田塾長は全力で指導してくれます。読者の皆さんの"結婚必勝方程式"の正解が出るに違いありません。

お見合い後に1度デートをした女性からの報告

先日お見合いをした○○さんと今日お会いして、さっき帰ってきました。
結果は……とってもケチでした。
実はお見合いの時のお茶代もなかなか出してもらえなかったのですが……
晩御飯をご一緒して2人で3,000円程度なのに
彼がお会計の時に「じゃあ1,500円でいいよ」と手を出されたのにはびっくりしました。
今までお見合いして金額まで指定されてきちんと割り勘にされたのは初めてで、「年上なのに~」とちょっとがっかりでした。
その後に「お茶でも」と誘われたのでケーキセットを食べたら、今度もきちんと割り勘で800円徴収されました。

山田塾長「この話の彼の年収は1,200万円やで」

筆者「え、え~!?」

山田塾長「でも、彼の仲人にこの事を言うとびっくりしてたわ。『それで今までもいい条件が揃っているのにお断りだったんだ~』って納得したようやった。こんな話もあるで」

お見合い当日の話

お見合いの日、男性側から「僕の知っているレストラン行きませんか?」と言われたので、女性の方はてっきり、誘われているのだからおごってもらえると思っていた。お会計の時、レジで「じゃあ、7,000円ずつ」って手を差し出す男性に、女性は愕然。
後日、仲人に怒られた彼は「え? まだ付き合ってないのにごちそうするんですか……? 交際のOKが来たら次のデートからは出すけど」との返事だった。
仲人に「お見合いって1日勝負なのに、その日に出してもらえなくて、あんたのことがええと思うん?」と言われても、納得のいかない様子。その後、自ら退会した男性。どこかで結婚できたかな……?

結婚相手のデート代くらい出そうや! ケチから始まる愛はない

山田塾長「お見合いで結婚を考えている女性の心理は『恋愛のように、1年も2年も交際しているわけでもないし、誕生日もクリスマスも何ももらっていないのだから、せめてデート代ぐらいは出してほしい』。2、3カ月で決まる結婚相手くらいのデート代くらい出そうや、と私も思う。私は結婚したいならまず男性にはこれから家庭を築いていく覚悟、家族を養う覚悟が必要だと思ってる。お見合いでうまくいくと、そのまま"家族"になる人にケチってはいけない。初めからケチでは愛は育たないで!」

筆者「結婚したら家計を握る女性も、男性の金銭感覚はしっかり事前にチェックしますよね」

山田塾長「とにかくお茶を飲んでも、ご飯を食べても、レジでは男性がお金を払うねん。女性はそこで口を挟むと男性のプライドを損ねてしまうから気をつけてや。一応代金を支払った後で『私の分はおいくらですか?』と女性は聞き、男性は『いいですよ』と言うのがスマートなんや!」

筆者「紳士的ですね」

山田塾長「そして『いつもご馳走様。今日はお茶代だけでも出させてくださいね』という女性の一言。男性は『え~、いいんですか、ありがとう』と一旦言うけど、いざ喫茶店に行って支払いの際に女性が『私が出します』と言うのに対し、男性は『出してくれる気持ちだけでいいですよ。ご馳走様』支払えたら、最高にかっこええで! 女性はその男気に惚れると思うな! 男性が全て完璧に出してこそ、女性は『この男性に生活を任せられる』、『頼れるな』と思えるしな」

女性は思いやりで返すべし! 山田塾長が実践した数々のテクニックを伝授

筆者「でも、女性も払ってもらうばかりでは……」

山田塾長「男性に金銭的包容力を求めるのであれば、女性は気持ち、思いやりでお返しできる人を求められる。例えば、いつも小銭をポケットなどに用意しておいて、ごちそうになる時にさっと会計の端数を出せるようにするねん。そういう男性を気持ち良くさせる心遣いが次のケーキセットのお誘いに化けるんや」

筆者「なるほど、男性への気遣いが一番のお返し、自分への"倍返し"なんですね」

山田塾長「まだまだあるで。例えば映画の前売り券を自分で買って『私の母に誰かと行ってきなさいと2枚もらったの。一緒に行ってくれますか?』と誘えば、男性は『誰か』に自分を選んでくれたことが最高に嬉しい。他にも一人暮らしの男性との朝からのデートの時は、サンドウィッチを作って行って食べてもらったり。一口でええねん。どうせすぐランチをおごってもらうねんから。そうやって男性を持ち上げ、木に登らす。これが『縁の下の力持ち』、『あげまん』というもん。男性に頼っているようで自分の軌道に合わせるようにしっかり持ち上げる」

筆者「感動しました! 積極的に見られたくないという女性にとっても、華麗なテクニックですね!」

目線を下げたらセクハラ!? 最初の挨拶で成婚までの60%が決まる

筆者「お見合い当日など初対面の場合はどんなことに気をつけると良いですか?」

山田塾長「男性はスーツ着用、女性はTPOに合わせて。スーツは堅苦しいかもしれないと思うかもしれないけど、1番最初に1番かっこいいところを見てもらわないとね。2回目からさわやかな格好をしたらいい。そして当然、まずは挨拶。『初めまして。○○です。よろしくお願い致します』と相手の目を見て言おう。どうしても恥ずかしくて相手の目が見られなくても、目線を下げるのだけはだめ。男性は女性に胸を見ていると思われるで! 目線を上げていた方が、身体も大きく、また元気に見える。この挨拶が成婚までの60%を決めると言っても過言ではない。あとは『その日を楽しむ』ってことが一番のマナー。『今日の人は最低!』と言われないようにお互い相手の良い面を見るように」

「忙しい」は厳禁—暇つぶしのだと思っていたら結婚はできない

筆者「めでたく交際に入って、気をつけることはありますか?」

山田塾長「『忙しい』って言うのは厳禁! 『忙しい』という言葉は相手を傷つけているのがわからないかな~? 相手を誘って『忙しい』なんて言われると自分も嫌やん? 自分があかんのやったら『この日は空いてます』違う日をいくつか言えばいい。交際は暇つぶしじゃない」

筆者「本当に忙しいのなら、交際も結婚もしなきゃいいって思われますよね」

山田塾長「お見合い後、交際希望になれば私は、『鉄は熱いうちに打て! 今日の余韻を持っていられる1週間からせめて10日くらいまでに第1回目のデートをしなあかん!』と伝えている。それを『2週間後になります』、ましてや『3週間後になります』なんて言うなら、『交際をやめたら?』と思うよ。やっぱり結婚が決まっていった人たちは、毎週土日は会って、最低でも1日、そしてどちらともなく仕事の帰りの晩御飯というパターンやね。友達となら深夜まで歩き回るのに、遅い時間に会えない!? ……結婚は決まらないと思うで。お酒でも飲んだら本音も聞けるで」

お見合いでは断られないプロポーズ--ただ結婚式までの2、3カ月も勝負

筆者「最後はプロポーズで決まりですね!」

山田塾長「お見合いでは2~3カ月、回数にして15回くらい会って成婚につながることが多いよ。お見合いならではの特典として同時期に何人とのお見合いも可能だし、お付き合いももちろんOK。その代わりお相手もそうである可能性はあるけどね~」

筆者「結婚に真剣だからこそ、何股というのが成立するんでしょうね」

山田塾長「ある程度の2人の信頼関係が深まったら、ここで意思確認をする。『僕と結婚を前提に付き合ってください』、『はい、こちらこそ』。これが意思表示。その後はお互いの両親のところへデートの帰りに立ち寄るくらいの軽い紹介をする。お互いの両親が認めてくれれば、これでほぼ決まりやねん。最後はお見合いでは断られることのない『プロポーズ』。女性に『彼がもしプロポーズしてくれたら受ける?』と聞いて『はい、受けます』となれば、これで仲人は男性に『GO!』をかけるねん。後は波に乗るだけで3カ月後には結婚式を挙げられる」

山田塾長「ただ……」

筆者「ただ……?」

山田塾長「こんな医者くんがいた」

ある医者の男性の話

プロポーズも成功して、「私は婚約指輪には200万円まで出せます」と言っていた医者の彼がいた。彼女もその気になって事前にお店を下見して、「彼が来たらこの指輪を出してください」と店員にお願いした。
ところが、実際に一緒に選びにいくと、医者くんは店員が勧める指輪にはなにかと難癖をつけ、「これの方がいいよ」と15~30万円の指輪しか選べない。
結局、何時間もかけて購入はせず、店を出てから彼女に「なんで選ばなかったの?」という始末。結局、破談になった。

山田塾長「結婚式までの2、3カ月の間に、お互いの人間関係やお金関係をクリアにしておかないといけない。結婚式といったら費用を両家で6対4とか5対5とか、言いにくいお金の問題も出てくる。違う家庭で育った2人の関係が結婚式まで乗り越えられるのかが、肝心やねん」

筆者「山田塾長でも2人の行く末はわからないですよね」

山田塾長「この男性にはこの女性が合うっていうのはわからへん。合うと思ってもお互いに合わない場合もあるし、こんな2人が合うわけないやんっていう男女が結婚したりする。とにかく出会いの回数を増やしたらなんとかなるってこと。すごろくもサイコロを振らないとゴールにならん。今日はいい人に会ったと思って3歩進んでも、今日は嫌だったって2歩下がったり、降り出しに戻ったとしても、途中で休みながらでも一歩一歩進んでいくことが大切なんや。お見合いはいいで! アイテムが見えてるから、後はフィーリングだけや」

筆者「いい意味での妥協も結婚への鍵ですね」

山田塾長「彼に『包容力と学歴と年齢と会社名』を求める代わりに『美貌と若さと愛嬌と優しさ』をあげられるか。彼女に『可愛らしさと若々しい年齢』を求める代わりに『包容力と相手のわがままを受け入れる心』をあげられるか、ってことやねん。わかってくれたかな?」

(イラスト : 櫻井輪子)

山田由美子(やまだ・ゆみこ)氏プロフィール

仲人(日本仲人協会加盟)。「山田結婚相談所 お見合い塾」主宰。1958年4月2日、大阪府生まれ。
20歳で結婚生活~28歳で離婚。30歳を目前にお見合い活動を開始し、1年間で80人もの男性とお見合いを経験し、2年目に結婚。「結婚情報サービス会社」「結婚相談所」を経て、1997年に仲人業として独立し、「山田結婚相談所★お見合い塾」を開業して今年で12年目に入る。基本姿勢は「昔ながらの仲人業」で、結婚に悩める会員の背中を日々、ユニークな熱血アドバイスで押しまくり、成婚へ多数導き、仲人こそ天職と実感する。その結果、日本仲人協会で10年連続「成婚最優秀賞」を受賞している。現在は東京にも進出し、仲人が管理するネットお見合い会員を募集中。全国で仲人も育成し、指導に当たっている。9月26日全国の書店で著書「本気で結婚したい人のお見合い活動マニュアル」(飛鳥新社刊/1260円)を刊行した。
公式サイトは「やまだ結婚相談所」。公式ブログ「婚活 応援ブログ=仲人のため息」も必見だ。