「婚活」という言葉が世間に出てきたことにより、浮き彫りになってきた最近の結婚事情。恋愛・結婚マッチングサイトのマッチ・ドットコムジャパンの調べによると、独身男女の約3人に1人が婚活に意欲的な姿勢を示しているとのこと。また2005年の国勢調査で未婚比率の伸びをみると、結婚適齢期を迎えた日本人の4人の1人が結婚できないとも言われています。このような"超結婚氷河期"において、1人でもカップルを増やすべく活動している「山田結婚相談所 お見合い塾」主宰の山田由美子さんに助けを求めて直撃。イマドキの結婚事情から結婚できない男女の特性、覚えておきたいマナー、そしてお見合いから結婚につなげる手法について、独身者には耐え難いかもしれませんが、少し耳を傾けてもらいたいもの。山田塾長の熱い想いをお伝えします。

明日より今日が若い! 仕事優先では後悔先に立たず

"アラフォー"の娘を連れてきた母親。娘は容姿端麗で学歴も抜群だ。
母親「昔は医者とか弁護士とかお見合いに引っ張りだこでしたのよ~」
山田塾長「じゃあ、なんでその時に結婚しなかったんですか?」
母親「いや~、娘が仕事が忙しくって~」
山田塾長「その時に飛び込んでいれば今苦しむことはなかったんでしょうけどね」
それで希望条件を見ると、やはり20代当時の希望と変わらず……。
山田塾長「娘さんの年齢で医者を希望ならお相手は50歳くらいになりますよ」
母親「娘は10歳も若く見られるのに、なんでそんな年寄りを~~!」

筆者「今年、仲人として独立して12年目を迎えた山田塾長は最近の結婚事情についてどうお考えですか?お手柔らかにお願いします……」

山田塾長「結婚適齢期が遅くなっていると言えど、全国の結婚平均年齢は男性が29歳、女性が28歳。それにも関わらず、私のところへ来るのは男性33~40歳、女性30~38歳が平均。みんな、案外切羽詰まっている。このまま一人でいると、年齢的に自分が38歳くらいで両親が倒れたりする人が多い。そうすると自分が介護しなくてはいけないよね。家族がいたら、一緒に助けてくれて心強いけど……。独身だと自分の仕事に行って、帰宅したら介護しかない。誰も助けてくれない。その現実がすぐ目の前に迫っていることが本当に見えていない気がするね」

筆者「気づいたら30歳を超えていたというキャリアウーマンも増えているんでしょうね」

山田塾長「実際に私のところでも本人が『仕事が忙しい』なんて言って先延ばしにしているうちにお父さんが倒れ、『やっぱり両親に結婚式に出てほしい』なんて38歳でやっと活動する人もいる。でも、その時には自分の希望の人が見つからず、妥協もできない年齢になってる。そういう風に苦しんでいる人はかなりいるね。『もっと早くにやっておけば良かった』って後悔する前に、早めに手を打ったらええのに。明日より今日が一番若いんやで! 」

筆者「年齢だけ悔やんでも絶対に取り戻せないですもんね……」

山田塾長「男性も昔は学生時代にナンパをしたり、当時は『ストーカー』っていう言葉がなかったから、好きな女の子の電話番号を調べたり、振られてもしつこく好きだと迫っていたもの。でも、今ではそんなことをしたら警察に通報されてしまうから消極的になりがち。服装も男の子はTシャツにGパンなのに対し、女の子はブランド品を身にまとって大人びている。男の子は馬鹿にされて相手にされないからなかなか声を掛けられない。その結果、若い頃に女性との出会いがなく『モテない』『女性としゃべれない』『30歳まで付き合ったことがない』という男性も増えてきたと思うよ」

山田塾長「『あげまん』っていう女性も少なくなった。自己中心的でなんでも男性にやってもらわなくては気が済まない。男の包容力を求めるなら、女は愛嬌と男の人を立てる気持ちがないとね。賢い女性はいかに男性をおだてて木に登らせて、気持ちよくやってもらうか。『これやって!』と言うより、『これ私できないから、やってくれへん?』と頼む方がええやん」

「婚活」大いに結構!今は選べる時代、そして選ばれる時代

筆者「今話題の『婚活』の流れについては現場でも感じていますか?」

山田塾長「今、流行ってるよね~。これからもっと増えると思うよ。英会話を習いたいなら英会話教室、きれいになりたいならエステ、スポーツしたいならスポーツジムに行くのと同じ。結婚したいなら結婚相談業で探したらええねん。『1万円支払うから独身の人を5人紹介して』なんて言っても友達は連れて来てくれないよ。独身が集まって同じ目的でたくさんいるところに飛び込んでみるのがベストだと誰でも思うけどね」

筆者「実際に問い合わせも多いですか?」

山田塾長「昨年の倍くらいに会員の数が増えてるわ。結婚相談所なんて恥ずかしいと言いながらこそっと頑張っている人も多いし、友達同士で入会する人も案外多い。交際している男性がいても、『本当に彼でいいのか』と他の男性と比べるために入会する女性もいる。それくらい積極的に活動している人もいるよ」

筆者「『出会いがない』と言いながら、平日は残業もあって仕事三昧、土日は家でごろごろしている友人に教えたいです……」

山田塾長「そう、友達同士で集まったら結婚が必ず話のテーマになって、みんな『出会いがない』『いい人がいない』と言うけど、それは大きな間違いやで! 自分で行動しないで、なんでいい人に出会えるわけ? 『結婚情報センター』や『結婚相談所』『ネットお見合い』『仲人』っていろんな出会い方がある。どんな出会いであっても最後に笑ったもん勝ち!恥ずかしいとか言うけど幸せになったもん勝ち! 結婚はひとりではできない。人間は親も子供も選べないけど、結婚相手だけは選べる。でも、昔の人はそうはいかんかった。今は選べる時代。いい人がいたら飛び込まないと損やで。でも本当は選ばれる時代でもあるねん……」

(イラスト : 櫻井輪子)

山田由美子(やまだ・ゆみこ)氏プロフィール

仲人(日本仲人協会加盟)。「山田結婚相談所 お見合い塾」主宰。1958年4月2日、大阪府生まれ。
20歳で結婚生活~28歳で離婚。30歳を目前にお見合い活動を開始し、1年間で80人もの男性とお見合いを経験し、2年目に結婚。「結婚情報サービス会社」「結婚相談所」を経て、1997年に仲人業として独立し、「山田結婚相談所★お見合い塾」を開業して今年で12年目に入る。基本姿勢は「昔ながらの仲人業」で、結婚に悩める会員の背中を日々、ユニークな熱血アドバイスで押しまくり、成婚へ多数導き、仲人こそ天職と実感する。その結果、日本仲人協会で10年連続「成婚最優秀賞」を受賞している。現在は東京にも進出し、仲人が管理するネットお見合い会員を募集中。全国で仲人も育成し、指導に当たっている。9月末には著書「本気で結婚したい人のお見合い活動マニュアル」(飛鳥新社刊)が刊行される。
公式サイトは「やまだ結婚相談所」(左は随時作成中。元々のサイトは「山田結婚相談所 お見合い塾」)。公式ブログ「お見合い稼業★仲人のため息」も必見だ。