最近よく目にするようになった「温泉×仕事」。わたしも体験してみたいと思い検索してみたところ、様々な温泉地を持つ福島県に辿りつきました。

有数の温泉地の中で、今回わたしが選んだのは飯坂温泉。福島駅から約25分とアクセスが良く、趣のある街並みが魅力です。そんな飯坂温泉を舞台にワーケーションをしてきました。

  • 電車を降りて、いざ出発

明治26年創業の老舗「なかや旅館」のワーケーションプランとは

今回の拠点先に選んだのは、なかや旅館。明治26年に創業されて以来、たくさんの方々に愛されている老舗の旅館です。

  • 「なかや旅館」、最寄りの駅から徒歩3分とアクセスも抜群です

鯖湖湯に訪れる旅人の湯治宿としておもてなしをされていましたが、新型コロナウィルスの蔓延によってその生活は一変。施設を活用する方法は他にもないのかと考えたところ、行き着いたのがワーケーションプランでした。今年の3月9日から本格的にサービスが始まり、現在に至ります。

旅館に一人で泊まるというのは、なかなか勇気がいるものですが「お一人様大歓迎!」の文字に一安心。持ち込み自由で、Wi-Fiやプリンターも完備されています。

今回の仕事場となったのは、客室。個の空間が保たれているので、周りを気にすることなく好きな時間に仕事をすることができました。

  • 広々とした間取りが魅力です

  • プリンターもありました

  • フリードリンク、ほっとするひとときを提供してくれます

ふと、テレビ台の下を見てみると、「貸出リスト」なるものが……。

  • 貸出リスト?

そこには、電気スタンドやPCケーブルといった仕事をする上で必要なものから、ヨガマットや腹筋ローラーなどのエクササイズグッズまで、様々なジャンルの物の貸し出し品がずらりと書かれていました。

早速マッサージグッズをレンタルしようと内線でその旨を伝えると、若女将がすぐに持ってきてくれました。

  • こちらがマッサージグッズ

  • 快適でした!

そして湯治のための宿だけあり、最大の魅力は温泉にたくさん入れること! 4:00~23:00まで(午前中に行われる掃除を除く)気が向いたらいつでも、温泉を楽しむことができます。

  • 温泉に入って、リフレッシュ

さらにうれしいポイントが、プランについていた朝食です。朝から何種類ものおかずがついたごはんをしっかり食べて、元気に一日をスタートさせることができました。

  • 机の上にずらりと並べられた料理、朝からしっかり食べられて満足です!

風情溢れる湯めぐりを楽しむ

滞在したなかや旅館にも温泉がありましたが、せっかく飯坂温泉に来たということで、湯めぐりも楽しみました。

まず訪れたのは、「鯖湖湯」。飯坂温泉で一番古い湯で、あの松尾芭蕉も入った湯として受け継がれています。

  • 外観も素敵な鯖湖湯

  • 近くには足湯もあります

思わず「熱い!」と声が出てしまうほどの高温度のお湯でしたが、地元の方は慣れているようで、平気な顔をして入っていらっしゃいました……これも飯坂温泉の特徴の一つだったのかもしれません。

次に訪れたのは、「波来湯」。駅から徒歩30秒くらいの場所にあります。和を感じる外観が特徴です。

  • 川沿いなので、眺めも抜群です

こちらの温泉では、熱い湯と温い湯の2つの浴槽が用意されています。「熱い温泉はちょっと…」という方でも、安心です。

  • こちらの近くにも足湯があります

  • この足湯は、熱かったです

仕事の合間にこのような休息を取り入れることによって、また新たな気持ちで仕事に向き合うことが出来ました。

観光&グルメも

飯坂温泉の魅力は、温泉だけではありません。観光やグルメも、楽しむことができます。写真ともにご紹介していきます。

なかや旅館から徒歩2分くらいのところにある「旧堀切邸」。江戸時代から続いていた豪農・豪商の旧家を補修して復元されたものです。

  • 趣のある門構えです

当時からあったものは表門・主屋・十間蔵・井戸小屋で、その他の建物は新築されたもの。現在では、飯坂温泉の観光交流拠点としても親しまれています。

  • 新緑がきれいでした

前項では触れませんでしたが、実はここにも足湯があります。

  • こちらの建物です

  • リフレッシュ~♪

ついつい長居してしまうほど、ほっと安らぐ場所でした。

観光スポットの次は、グルメ。温泉地ならではの産物、ラジウム玉子です。

  • 旅館の朝ごはんにも登場しました

見た目は一般的な温泉卵とあまり変わらないように見えますが、黄身は固めの半熟、白身はとろっとした半熟となっています。ほのかな温泉の香りと、濃厚な黄身の味わいが魅力です。

そして、もう一つご紹介したいのが円盤餃子です。皿の上に円盤状に敷きつめられた餃子は、外はパリッと、中はジューシー。何個でもいけちゃうおいしさです。

  • なんと、一人で完食! それくらいおいしかったです

各店舗によって味が異なるそうなので、食べ比べをしてみるのもおすすめです。

福島・飯坂温泉でワーケーションをしてみたら

温泉旅館でのワーケーションは初めてでしたが、なかや旅館さんがアットホームな施設であったこともあり、心地よい気分で過ごすことが出来ました。

ただ一点、客室の机が低めなので、PCスタンドを持参すればよかったと思いましたが、その他のサービスや設備には大満足でした。

中でも印象的だったのが、朝食。丁寧に作られた食事の数々は、本当においしかったです。メニューも日によって異なるので、「今日は、どんなごはんかな」と毎日の楽しみとなっていました。

  • 素敵な時間をありがとうございました

福島県は首都圏からのアクセスも良く、ワーケーションに適した地域だと感じます。仕事場の選択肢の一つとして福島の温泉地というのも、ありかもしれませんね。

南谷有美(なんや・ゆみ)

カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。