元来、私は原稿を書くのが早い。以前、テレビの報道記者だった。新人時代には、午前中のストレートニュースの原稿を、同時に何本も時間に追い込まれながら書いた。その経験が、今になって役立っている。(役に立つまで20年かかったが)

自分が調べた情報や、すでにある情報を元に、自分の意見や独自の視点(切り口)を加えて、サクッと1,000文字、2,000文字、3,000文字…と、限られた文字数でまとめる。普通の人が想像する、恐らく5分の1か、10分の1程度の時間と労力で楽にさばけてしまう。

ところが、最近は原稿を書くのにノートパソコンを使うことが多くなった。ノートパソコンを使う時は大抵ネットに接続している。このネットに常時接続している状態で原稿を書くことには「功罪」あると最近思う。

インターネット常時接続の良いところ

「功」を挙げるときりがない。

・過去の記事、他の方のオピニオンなどをおおまかに調べた上で、差別化した記事を書ける。
・知らない人物、専門用語、法令なども簡単に公開情報から調べることができる。
・海外メディアや、海外ブロガーの視点なども日本にいながら参考にできる。
・「動画」「地図」「SNS」なども情報源として利用できる。(話題の場所の地理情報など簡単に調べることができる)

インターネット常時接続の悪いところ

一方で、「罪」とはなんであろう?

・1つのテーマをつい調べすぎてしまう。(情報のインプットに時間を費やし、「書く」というアウトプットがなかなか始まらない時がある)
・多くの「オピニオン」に触れてしまい、自分の考えが結局まとまらない。 ・自分が「落とし所」にしようとした「オチ」(結論)と同じ論調の記事を偶然見つけてしまうと、原稿を書きにくくなる。(パクったと思われるのはイヤだ…)
・反対に、自分の意見と反対の意見(論調)が多いとビビってしまう。(炎上するぞ…と、イヤな予見をしてしまう。この予見はよく当たる…)
・そして何より、執筆時間がパソコンのバッテリーの消耗時間に制約されてしまう。

最近は文章を書くだけの時は、なるべくこれを使うことにしている。ポメラDM100(写真)である。

この原稿も何をネット検索するわけでもなく、10分くらいで勢いよくサクッと書き上げる。

一気に自分の意見を書き上げるには、必要以上にネット検索にはまらない方が良い。何よりもこのポメラは市販のアルカリ電池が使用できる。稼働時間も圧倒的に長い。(と書いて、稼働時間が何時間だったかスマホで検索しようとしたが思いとどまった…記事の趣旨からハズレてしまう)

ところがである。アップルの最新のMacBook Airのバッテリーの稼働時間が、実は11インチのものでも最大で9時間にまで長くなっている。

これは買わない訳にはいかない。しかし、私がたとえ「仕事道具」としてでもMacBook Airを買うには、まだ難関が残されている。

その難関とは、顧問税理士の先生よりも「経費認定」にうるさい、「我が社」の経理担当取締役(通称、妻)である。

「何で大きいMacBook Airやら、小さいMacBook Airやら、大きいiPadやら、小さいiPadやら、iPhoneの3やら、4やら、5やら…色々と買い替える必要あるのですか?」と、マジメな顔して聞いてきなさる。

国税庁の査察官か? 仕分け人か??

MacBook Air 11(2012)ではダメなんですか?

MacBook Air 11(2014)でなければならない理由はなんですか?

とりあえずあとでネットでMacBook Air 2012と2014のスペックを比較して調べてみようと思う。(でも、それってまさに調べすぎるとかえってダメなパターンである)


<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。