前回は身だしなみ、ファッションについてお話し致しました。今回はビジネスでの丁寧な話し方です。
エステティックTBCではお客様にお話しする時は敬語が基本です。仕事上、友人や家族と話すのと全く同じ話し方で取引先と商談やお客様を接客…… というわけにはいきません。そうかといって堅苦しくなり過ぎると話しづらくなりビジネスでの会話は難しいというイメージをお持ちではないでしょうか。
丁寧に言ったつもりでも相手が困った顔をしていると、何か間違ったことを言ってしまったのだろうかと不安になってしまいます。あたたかいおもてなしには正しい言葉遣いが必須です。会話に自信を持ち、お客様や取引先とのコミュニケーションが円滑になることを目指しましょう。今回はビジネスで使う頻度の高いものだけをピックアップしますので今すぐ使える会話術をマスターしてください。
まずは呼び方から
社外(取引先等)の方を呼ぶ場合、役職が付いている方はそのまま〇〇部長、△△課長と呼びましょう。役職がない方は〇〇様、△△さんと呼ぶと良いでしょう。社内でも通常は役職がある方は役職を付けて呼びましょう。ただ、社内の人を社外の方に話すときは別です。姓の後に役職はつけません。例えば自分の上司が山田部長なら、社外の人の前では「山田でございますね」や「あいにく山田は外出しております」のように言いますので気を付けましょう。
また、取引先の会社については御社(おんしゃ)、貴社(きしゃ)と呼ぶのが一般的です。取引先のお店なら貴店と言います。自分の会社は弊社あるいは当社と呼びましょう。
意外と多い二重敬語の間違い
二重敬語という言葉をご存知でしょうか。丁寧であることはとても良いことですが丁寧過ぎると違和感が出てきてしまうのは日本語の難しいところです。例えば「山田部長がおっしゃられました」と言うのは二重敬語です。「おっしゃる」は「言う」の尊敬語にあたります。「れる」「られる」も敬語なので一語に二つの敬語が入ってしまうことになります。これが二重敬語です。ここは「山田部長がおっしゃいました」と言ったほうがすっきりとまとまります。同じように「お客様がお見えになられました」というのも二重敬語で「お客様がお見えになりました」と言った方が良いでしょう。
勘違いしやすい言葉
なんとなく耳慣れた言葉でも実は間違っていることがあります。正しく理解して話をしたいものです。例えば「よろしかったでしょうか」「上着の方お預かり致します」という言葉、皆さんは間違いにお気づきでしょうか。正しくは「よろしいでしょうか」「上着をお預かり致します」というように使います。同じように「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか」というのもスマートではありません。「名前」はモノではないので「頂戴」することはできないからです。正しくは「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と言います。一文字違いですが「名刺」でしたらモノですので「頂戴できますでしょうか」と言えます。日常にも間違った使い方の言葉が溢れていますのでこの機会に覚えてしまいましょう。
後良し言葉も効果的
敬語ではありませんが、上手な言い回しの中に「後良し言葉」というものがあります。これはポジティブなこととネガティブなこと両方を伝える場合、後にポジティブなものを話すというものです。例えば「良いものですが、お値段は少々張ります」と言うより「お値段は少々張りますが、良いものです」と言った方が良い印象を与えられるというものです。同じように「お買い得ですが、デザインは古いです」と言うより「デザインは古いですが、お買い得です」の方が同じ言葉でも受け取り方が変わってくると思います。このように言い回しを考え上手に伝えてみましょう。
言葉は使い方によって、冷たくよそよそしいものになってしまいます。相手に対して失礼にならないような態度と気遣いの気持ちを込めた会話を心がけましょう。
さて、次回は電話の受け方、かけ方にスポットを当ててお話ししたいと思います。スマートフォンの普及により若い方に固定電話での受け答えの苦手意識が高まっているそうです。初級編の最後は電話対応に役立つ言い回しと、電話だからこその注意点をお教えできたらと思います。
執筆者プロフィール:名越 華子(なごや はなこ)
大学卒業後、TBCグループ株式会社入社。入社2年目より秘書として勤務。日々の秘書業務を活かし敬語やマナー等本の監修や講演をし、若手の育成などにも力を注ぐ。
その後マーケティングPR戦略部広報室に所属。TBCが掲げるTotal Beauty Communicationsの略であるTBCの窓口として美容や健康の情報を発信。秘書検定1級、青汁マイスターの資格を持つ。
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