こんにちは。管理栄養士の大柳珠美です。このコラムでは、忙しいビジネスパーソンでも手軽に実践できる内臓脂肪を減らす食生活情報を、お伝えしていきます。

前回の実践メニューの紹介、居酒屋編はいかがでしたか? 今回は昼も夜も気軽に利用できるファミリーレストラン(以下、ファミレス)で、何を選んで食べればいいかをお話します。

おかずに含まれる見えない糖質に注意

洋食の1皿メニューから和食のセットメニューまで家族の幅広い嗜好にこたえてくれるファミレスでは、忙しいビジネスパーソンの食事も朝・昼・夜をしっかりサポートしてくれる豊富なメニューが多くあります。ここでも、内臓脂肪を減らしたいときのメニューの選び方・おかずの残し方をマスターし、たくさん食べて、かしこく内臓脂肪を減らしていきましょう。

以下は、食後高血糖を防ぎながら内臓脂肪を減らしたい方におすすめしたい主食・主菜メニューと副菜メニューです。低糖質、低GI、低脂肪を心がけることに加え、必要なたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などは確保できるようにピックアップしてみました。主食・主菜をどちらか1つ選んだら、そこに足りない栄養素を含む副菜を1~2つを目安に選んでバランスを摂るようにしてみてください。

ファミレスで食べてほしいおすすめメニュー

主食・主菜 ステーキ>ハンバーグ
ドリア>まぐろのたたき丼
ポークソテー>ポークカツ
ペスカトーレスパゲッティ>ペペロンチーノスパゲッティ
煮魚セット>照り焼きセット
ざるうどん>天ぷらうどん 
副菜 ほうれん草のソテー
海藻サラダ
フレッシュサラダ
鶏の唐揚げ
魚介のマリネ
(注)「>」の見方:「>」の左側にあるメニューの方が比較的、低糖質、低GI、低脂質であり、たんぱく質が確保でき、内臓脂肪がつきにくいメニューという意味

ポイントは、余分な糖質や脂質を自分でカットできるメニューかどうか。ステーキは脂身を残せますが、ハンバーグのひき肉では、はつなぎにパン粉(糖質)をカットすることはできないので無理ですよね。いずれも付け合わせのフライドポテトは残しましょう。

1皿のごはんものに関してですが、ドリアはごはんと乳製品が組み合わさることで、GI値が低くなること(GI値については第5回を参照)が期待できます。一方、まぐろのたたきには、コクと照りを出すためまぐろに植物油などを混ぜて作られることもあるようです。ごはんの量も、どんぶりはドリアより多いので注意しましょう。

その他、フライは衣から糖質と脂質をたっぷり摂ってしまうため、カツよりはソテーのほうがおすすめです。パスタは野菜など具だくさんのものを選び、栄養素が糖質だけに偏らないようにしましょう。煮魚や照り焼きなど和食の味付けには砂糖やみりんが多く使われます。ですが、甘い調味液がお皿に残る煮魚のほうが、実際に摂取する糖質をカットしやすいと言えます。 食べたいおかずを選んだら、ごはんやパン、付け合わせの芋やパスタを残すなどをし、全体のエネルギーと糖質の量を調整してください。足りないビタミン、ミネラル、食物繊維、たんぱく質をサイドメニューで確保するよう心がけてましょう。

うどん、そばなどの麺類はやはり栄養素が糖質に偏りがちです。とくに天ぷらやかき揚げは、具からたんぱく質やビタミンを摂取できるメリットよりも、衣の小麦粉からさらに糖質を摂る点や、揚げ油によるエネルギー過多といったデメリットのほうが大きいとも言えます。ここではざるうどんで選択し、副菜でサラダなどを選ぶのがかしこい選択です。

大柳珠美のおすすめ献立

順番はサラダ、スープ、メインがベスト!

ファミレスで私がおすすめする献立は、ポークソテー、ライス、海藻サラダ、ミネストローネスープの組み合わせ! しかし、食べ方にも注意が必要です。ポークステーの脂身は残しましょう(チキンソテーの場合は皮を取り除くのも良いでしょう)。ライスは、お腹まわりが気になる人なら3分の1~半分ほど残して。サラダの海藻には、食後高血糖を予防すると言われている不溶性食物繊維が豊富です。食べる順番として、最初にサラダを食べて食物繊維をお腹に入れておき、スープで空腹感をある程度満たす。その後でメインのお肉をごはんと一緒に楽しむという流れなら、食後高血糖をより効果的に防ぐことができ、メタボリックシンドローム撃退に役立ちます。食間に空腹感を感じるようなときは、チーズ1切れ、無調整の豆乳1パック、くるみなどのナッツ類を5~6粒など、甘くない間食を取り入れましょう。

次回は、時間問わず、手軽に利用できるコンビニエンスストアでのメニューの選び方についてです。