こんにちは。管理栄養士の大柳珠美です。このコラムでは、忙しいビジネスパーソンでも手軽に実践できる内臓脂肪を減らす食生活情報をお伝えしていきます。

メタボリックシンドローム撃退! のために実践できる外食メニューの選び方を紹介してきました。なんとなくコツがつかめてきましたか? さて今回は、忙しいビジネスパーソンの胃袋をスピィーディにおいしく満たしてくれるファーストフードでの選び方をご紹介します。

セットメニューではなく単品でオーダーを

ファーストフードで多く目にするのは、やはりセットメニュー。ハンバーガーやフライドチキン(お店によってビスケットも)、フライドポテト、そしてドリンクがセットされたメニューはお得感があるため、つい手軽に利用しがちです。でも、これはNGです。というのも、ハンバーガーに使われるバンズパンやフライドチキンについてくるビスケットの栄養素はほとんどが糖質。そこにポテトやオニオンなど揚げ物をプラスすれば糖質の過多、つまり食後高血糖になってしまうのです。糖質を摂って血糖を上げているうちは、たまった内臓脂肪は燃焼されないことを思い出して下さい。以下は、糖質過多にならずに満足感、満腹感を得られるおすすめメニューです。

ファーストフードで食べてほしいおすすめメニュー

主食(メイン) バンズパンのかわりにレタスで具を包んだバーガー
ダブルチーズバーガー(パンが上下2枚で、具だけがダブルというのがベスト)
副食(サイド) チキンナゲット
フライドチキン
コールスローサラダ
フレッシュサラダ
サラダディッシュ(チキンや海老の唐揚げが入ったサラダ)
スープ

オーダーのポイントは、サイドメニューをフル活用すること。まず、メインメニューですが、バンズパンのかわりにレタスで具を包んでくれるファーストフード店もあります。これならほとんど糖質をとらずにすむので、お腹周りの脂肪をしっかり燃焼できそうです。ハンバーガーは上下のバンズパンのうち、1枚を残すのも良いでしょう。足りないエネルギーや満足感は、サイドメニューをいくつかオーダーし、補いましょう。また、トルティーヤで具材を巻いたものも店によっては販売されていますが、そちらはバンズパンのハンバーガーとほぼ同じ感覚で選んでください。時間がなく、ハンバーガー1個で済ませたいようなときは、ダブルチーズバーガーがおすすめです。ダブルといっても肉がダブルのものを選んでください。チーズが入っていないものでも肉が2枚なら1個のハンバーガーで、糖質を摂り過ぎず肉やチーズからエネルギー、ビタミンB群、たんぱく質が確保できます。

サイドメニューの中でもおすすめは、チキンナゲットとフライドチキン。鶏肉の揚げ物はメインにもできるボリューム感があり、糖質が少なくたんぱく質とエネルギーを確保できます。チキンナゲットのソースはバーベキュー味よりマスタード味の方が、糖質が少ないものが多いようです。しかし、ソースやドレッシングなど、1度に口にする量が多くない調味料に関してはあまり神経質になる必要はないと思います。お好きな味を楽しんで下さい。フライドチキンの脂が気になる方は皮を残すとさっぱりと食べられますよ。

次にサラダです。おすすめはコールスローとフレッシュサラダ。糖質が少なく、食物繊維を確保できます。例えば、フライドチキンを多めに食べたいときはフレッシュサラダで口の中をさっぱりと、チキンナゲット5個入りにはマヨネーズで味付けされたコールスローで満足感を組み合わせましょう。

お腹の空き具合でミネストローネスープや野菜スープ、クラムチャウダーなどスープ類をチョイスしましょう。飲み物は、ウーロン茶、コーヒー、紅茶(砂糖・ミルクなし)のものを選びます。コーンスープやコーンサラダはとうもろこしが糖質を比較的多く含みます。食べたいときは、どちらがひとつを選び、ハンバーガーのバンズパンを半量、残すなど糖質過多にならないよう調整します。フライドポテトやオニオンフライ、ビスケット、デザートといった芋、小麦粉、砂糖が多く使われたサイドメニューは、なるべく避けましょう。

大柳珠美のおすすめ献立

野菜や肉の噛みごたえで満足感を味わう

レタスで包んだハンバーガーはシャキシャキとした噛みごたえも美味しさのポイント。バンズパンが使われた普通のハンバーガーしかない場合は、フレッシュサラダをチョイスし、みずみずしい食感をプラスしましょう。フレッシュサラダはチキンやシュリンプフライなどが入ったものがあればそちらがおすすめ。たんぱく質も確保できます。しっかり食べたい気分のときは、サラダをチキンナゲットに変えても良いでしょう。フライものは衣が厚いときは残すと安心です。やわらかい口当たりのメニューが多いファーストフードの中で、野菜やチキンはしっかり噛んで食べられる食材です。噛むことは満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぎ、唾液の分泌も高まり、消化吸収も良くなります。野菜の甘味にドレッシングの酸味、肉のコクなど味のバランスに合わせ、パンのふんわり感やスープのなめらかなのどごし、フレッシュ野菜のシャキシャキ感など、食感のバランスを大事にすることも糖質過多な食事にならないコツのひとつです。

次回はいよいよ最終回。出張の多い方はとくに必見! ホテルでの朝食バイキングの選び方についてです。