子どもを保育園に預けて働くママにとって困ることのひとつが、突発的に発生する子どもの病気ではないでしょうか? 一般的な保育園の場合、37.5度以上の発熱があると、お休みしなければなりません。昨日まで元気だったのに、朝になったら急に37.5度以上の発熱が……今日は重要な会議があって、休めない。どうしよう? そんな働くママのお悩みを解消してくれるのが、「病児・病後児保育サービス」です。

  • 働くママの味方! 病児・病後児保育サービスを使ってみてどうだった?

    子どもが急に発熱! 心配だけど仕事も休めない……

病児・病後児保育サービスって?

病児・病後児保育サービスとは、一般の保育園では預かりを断られるような病気の場合に保育や看護をしてくれるサービスで、一般的な保育園では断られがちな投薬行為もお願いすることができます。

自治体が病院などに委託しているケースのほか、事業会社が運営しているケースもあります。また事業類型としては、子どもを保育施設等に預ける「施設型」と、自宅にシッターさんが来てくれる「訪問型」があります。

しかし便利だとは思っていても、体調の悪い子どもを預けて働くことに対して抵抗感があり、悩んでいるという声もよく聞きます。実際、筆者自身も悩んだ時期がありましたが、サービスを利用してよかったと思っています。今回は、実際に預けてみたメリット・デメリット、そして抵抗感を乗り越えるヒントをお伝えしようと思います。

一番のメリットは100%預かってもらえる安心感

施設によって内容は異なりますが、我が家の利用状況は下記になります。

・第2子の保育園入園時(0歳10カ月)~2歳まで利用
・事業会社が運営する訪問型(自宅で保育)
・当日の朝8時までに予約で、100%預かり可能
・月会費制で、利用日数に応じて月会費が変動(年5日程度利用、平均月8千円~1万2千円)
・利用したタイミングは、前日に高熱が出て翌朝も熱が下がりきらない時や、インフルエンザなどの感染症で長期間お休みが必要な時

実際に利用してみて、筆者が感じたメリット、デメリットを2点ずつ挙げてみました

・メリット1
予約は当日の朝まで可能で、当日朝8時までは100%預かってもらえる

子どもの体調は急に変わることが多く、朝の忙しい時間に子どもを看病する人を確保しなければならないのが一番大変なこと。我が家がお願いしていた病児・病後児保育サービスは、当日の朝まで予約可能。しかも、朝8時までの予約で100%預かってもらうことができたため、急な体調不良にもパニックにならず、ドンと構えていることができました。

・メリット2
訪問型のため、体調の悪い子どもと荷物をもって移動しなくていい

病児・病後児保育サービスは、着替えやおむつ以外に、保険証やタオルなどさまざまな物を用意する必要があります。仕事前に、体調の悪い子どもと大きな荷物をもって移動するのは容易なことではありません。この点、訪問型であれば必要な物をそろえて家で待っているだけです。

・デメリット1
用意すべき物が多い

自分で子どもの看病をする時は事前の準備は不要ですが、誰かにお願いするためには準備が必要です。着替えや食事、タオル、お昼寝用のバスタオル、ビニール袋、保険証や薬など、さまざまな物を用意する必要があります。普段から準備しておくことで負担を減らすことはできますが、子どもの看病をしつつ、用意をするのは大変です。

・デメリット2
不在時に、家へ他人を入れることの不安

訪問型の場合に切っても切り離せない問題ですね。この点は、各家庭の考えが大きく影響すると思います。我が家の場合は、事業会社がシッターさんへ倫理教育をしているところを選び、かつ、貴重品は目につかない場所へ収納するなど最低限の準備をすることで、不安を乗り越えました。

最も気になる、子どもの様子は?

最も気になるのは、子どもの様子ですよね。我が家が利用したサービスの場合は、食事の様子や日中の体調など、細やかに記録されていました。このため、日中の子どもの様子が手に取るようにわかりました。

また、朝、シッターさんに預けた時は大泣きしていた子どもですが、帰宅した頃はニコニコ笑顔でお迎えしてくれました。自分の家といういつもの環境で過ごせているからか、翌日に病状がぶり返したりすることもなく、子どももストレスがないように見えました。

利用するのは悪いことではない

メリットがあるとわかっていても、体調の悪い子どもを他人に預けて働くことに対する抵抗感はなかなか消えないもの。一歩を踏み出すまで悩みますよね。

しかしながら、子どもが頻繁に発熱や体調不良を起こすのは、3歳になるまでのほんの一時です。仕事をしながら子育てをするのは大変ですが、その一時の辛さのためだけに仕事を辞めてしまうのは、家計やその後のキャリアに大きな影響を与えます。

高熱でうなされている時は仕事を休み、元気だけど熱が37.5度を下回らない時はシッターさんにお願いするなど、自分なりの許容範囲をみつけて、サービスを利用してみてはいかがでしょうか。

筆者プロフィール: 山田琴江

高校3年の時に父親を癌でなくし、お金について考え、進学先や将来の方向性を決める。奨学金をもらいながら大学に進学し、大学主催の資格取得講座のみで大学在籍中に公認会計士試験に合格。親の経済力を理由に夢を諦める子どもたちを少なくしたいという想いで、ファイナンシャルプランナーとしての活動を行っている。その人の価値観に沿ったマネープランの作成、アドバイス、伴走を得意とする。
自身のホームページ 「FPみらいえ」
公認会計士、AFP、ライフオーガナイザー、マイライフエフピー認定ライター

イラスト=オオノマサフミ