楽しいアウトドアが一転、事故やトラブルに巻き込まれて死んでしまった……。しかしそんな危険は知っていれば避けられるかもしれません。

山や川、海で死なないために、アウトドアで起きた死亡事例から学ぶ最低限の安全の話をまとめた書籍『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』(著者・羽根田 治、イラスト・秋山 貴世、山と溪谷社刊)より、一部をご紹介します。

全5回の連載、第3回は「イノシシに襲われて死ぬ」です。

イノシシに襲われて死ぬ

  • 『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』(山と渓谷社)より

神戸の六甲山では、イノシシの餌付け行為が行なわれていた1960年代から人身被害が報告されはじめ、2010年代前半には登山者が手を咬まれたり、ザックを奪われたりする事故が立て続けに起きました。これらの事故は、餌付けされたイノシシが、ザックに食料が入っていることを学習したことによるものとみられています。2010年代半ば以降は、餌付け禁止の強化や積極的な捕獲により、事故は減少していますが、登山者が襲われる事故は今も散見されます。なお、群馬県の桐生市では、夜間の住宅の庭で、罠から逃げ出したイノシシが60代の夫婦を襲い、夫が足を噛まれるなどして死亡し、妻も軽傷を負うという死傷事故も起きています。

死なないためには

地元の出没情報をチェックしたり、クマ鈴やラジオなどで音を出しながら行動するなどして、なるべく遭遇しないようにする。遭遇したら慌てて逃げ出さず、ゆっくりあとずさりしながら距離をとる。また、岩の上や段差の上、木の上など、イノシシの位置よりも少しでも高い場所があれば、そこに上がる。

『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』

  • 『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』(山と渓谷社)

まさか、こんなことで死ぬなんて。
アウトドアでの死の事例53から学ぶ、最低限知らなければならない安全の話。

ころんで死ぬ、ダニに噛まれて死ぬ、助けようとして死ぬ、キャンプの炊事中に死ぬ、風に飛ばされて死ぬ――など、アウトドアには「まさか、こんなことで……」と思うような、死の危険がたくさんあります。 本書では、アウトドアで実際に起こった死亡事例を紹介し、どうしたらそのような目にあわないか、安全に身を守るための解説をしています。

死の危険は、知っていれば避けられる可能性が高くなる。
アウトドアで自分や大切な人が危険な目にあわないために、最低限の安全の知識が書かれた本です。

著者:羽根田 治
発売日:2023.07.19発売
販売価格:1,430円
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