人は、それがすごいか、すごくないかの本質はわかっていなくても、「自分がやっていないこと」については、無条件に「え~! すごい!」となるのです。実際にそれをやるとしたら、簡単にできてしまうことであっても、「え~! すごい!」となるのです。
そうであれば、自分の価値を上げたいときは、「簡単にできて、かつ、人がやっていないこと」をできるだけ多くやるべきなのです。
今回はそんなお話をしていきます。
すぐにでもやってみる
これってすごいと思います?
・スカイダイビングで大空から飛び降りる
・狩猟をして鹿を撃つ
・アフリカのケニアに行く
・ヒッチハイクをする
・民家に泊まる
・人が入れるお菓子の家を作る
・会社を立ち上げて社長になる
・ECサイトで物を売る
・エストニアの電子住民になる
・エストニアで会社を立ち上げる
例えばですけど、これをすごいなぁと思う人は、ぜひすぐにでもやってみたらいいと思います。お金も0~50万円程度しかかかりません。会社を立ち上げるなら40万円か、ケニアへの飛行機代なら数十万円かと言ったところでしょうか。
それだけしかお金がかからないのに、「会社を立ち上げたよ」とか「アフリカに行ってきたよ」と話せるわけです。みんな必ず話に食いついてきます。
起業をするとき、VCからお金をもらうとき
起業するときも同じです。「起業したいんです!」という希望の話をされても、「いいですね! がんばってください!」で終わりますよね?
「こんな起業をしたいんです!」というプレゼンまで作り込まれていると、「それでは、この部分はこうしたらどうですか?」と、もう少し具体的なサポートができるようになりますよね。
「会社を立ち上げました。こんなサービスを行っています!」と言い切られてしまったら、そのサービスを使うか使わないかという一顧客としての立場になって、本気で考えることができますよね。実際にそのサービスを使うかもしれません。料金をお支払いするかもしれません。
言うだけは簡単です。実際に行動に移してこそ価値があります。
でも、実はここにトリックがあって、「会社を立ち上げること自体は大した労力・コストではない」にもかかわらず、話したときの反応が大きく変わってくるのです。話し方次第では、いきなり顧客になってくれて売り上げが上がることだってありえるわけです。
エストニアに会社を立ち上げるのだってそうです。実は10万円もかかりません。ネット上だけでできてしまいます。
でも、その事実を知らない人にとっては、「え~! すごい!」となって、ヨーロッパでの仕事の話が舞い込んだりするかもしれません。
VCからお金をもらうときも同じです。
いわゆるシードVCと言われるような、最初期のVCには、プレゼンだけを持って行って10%ぐらいの株式を放出して1,000万円程度の資金をもらいます。でも、30万円かけてHPを作って、20万円でプロトタイプを作ってから持って行ったとしたら、同じ10%の株式で3,000万円ぐらいもらえるかもしれないのです。
テコの原理と同じですね。レバレッジをかけるということです。可能な限り多くのことを自力でやりきってしまってから、他人に頼っていく方がより大きな果実を得ることができます。
執筆者プロフィール: 小茂鳥 雅史(こもとり まさふみ)
株式会社スパルタ英会話 代表取締役
慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレーMUFG証券に入社。退職後、NPO法人JAVO(ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、《語学で「夢はかなう」の実現》を理念とし、3カ月短期集中型の英会話教室を創業。わずか3年で4本のテレビ出演、年商を3億円企業へ。会社規模を拡大させ、世界をひとつのビックファミリーにという想いのもと、語学、IT、金融、人材などの6つの会社を束ねる株式会社We&を設立し、代表取締役に就任。