エントリーシートの自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)の書き方のポイントについては、第7~10回でご説明済みですが、今回はエントリーシートの重要テーマの一つである志望動機の書き方の注意点をご紹介します。

志望動機は、自己PRやガクチカと並んで、エントリーシートの3大設問の一つですが、自己PRとガクチカとの最大の違いは、使い回しがきかないことです。

自己PRやガクチカは、自分の人柄やこれまでの経験についての説明ですので、志望企業に合わせて書き分けることはあまり意識する必要はありませんが(もちろん書き分けられればベストです)、志望動機については、志望する業界や企業の内容に応じて書き分けることが大前提となります。

その点を理解した上で、志望動機を書く際は以下の3つの点に注意してください。

業界や企業のどこに魅力を感じたのか、共感ポイントを整理する

まずは、志望業界や企業について、どこに魅力を感じたのかを整理しましょう。

採用担当者は、応募者がなぜこの業界を志望するのか、なぜこの会社に入りたいのかを必ず確認します。

製造業からサービス業まで、さまざまな業界がありますが、ビジネスモデルや将来性、どのように社会の役に立っているのかなど、自分がどこに魅力を感じてその業界を志望するのかをまず整理しましょう。

また同じ業界に属するさまざまな企業の中で、なぜその企業を志望するのか、どこに共感したのかを表現しましょう。事業内容、成長性、企業理念、あるいはインターンシップに参加して感じた仕事のやりがいや社風など、自分が魅力に感じた点はどこなのかを明確にしてください。

業界内での他社との違い、差別化ポイントを把握する

採用担当者は、企業に対する理解度についても必ず確認します。同じ業界に所属する他社を選ばず、わが社に「なぜ入りたいのか」を確認したいのです。

大切なのは、志望企業と同業他社との違いをきちんと理解しているかどうか。同じような製品を作っていたり、同じようなサービスを提供していたりするように見えても、企業ごとにさまざまな違いがあります。

経営者の考え方、事業戦略、マーケットシェア、技術力、企業風土等など、数え切れないほどの違いがあるはずです。エントリーシートでは、志望企業と同業他社との違いを理解した上で、「だからこの会社に入りたい、この会社で働きたい!」と熱い気持ちを表現しましょう。

自分の強みや能力を生かして、どう利益貢献するのかを伝える

最後は、自分が志望企業に入社すれば、利益貢献できる可能性をアピールすることです。企業が人材を採用するのは、自社の売り上げを向上させ、将来にわたって発展し続けるためです。

そのためにどのような人材が求められているのか、志望企業が求める人物像を確認し、自分が企業の期待に十分応えることができることを伝えます。

また、自己PRやガクチカで表現した自分の強みや能力はどのように志望企業の仕事で生かすことができるのか、そして、仕事を通じてどのように利益貢献しようとするのか、その可能性を伝えます。

大切なのは、利益貢献に対する固い決意を表現すること。「この人を採用すれば、きっとわが社の利益に貢献してくれる⋯⋯」、採用担当者にそう確信してもらえるような志望動機を作成しましょう。

今回は、エントリーシートの重要設問の一つである志望動機の書き方の注意点をご紹介しました。

自己PRやガクチカを書くときの注意点と合わせて確認し、採用担当者の心に届くエントリーシートを作成してください。