イライラ、肩こり、だるさ……病院に行くほどではない不調を感じてる人は多いもの。その原因のひとつとして「自律神経の乱れ」が考えられます。
今回は自律神経の名医、順天堂大学医学部・小林弘幸教授による『カラダの不調が9割消える! 自律神経の整え方見るだけノート』(宝島社)より「寝すぎのリスク」についてお届けします。
■「寝すぎ」は睡眠不足よりも害がある
「たっぷり眠れば健康になれる」というのは思い込み。寝すぎはカラダに悪影響をおよぼし、自律神経の乱れにもつながります。
睡眠は健康維持に欠かせませんが、寝すぎにも注意が必要です。過剰な睡眠はかえって自律神経を乱し、心身の不調を引き起こすおそれがあります。マサチューセッツ大学の調査では、糖尿病の発症率が最も低かったのは1日7時間睡眠の人たちでした。睡眠が5時間以下では発症率は2.6倍に、8時間以上になると3.6倍に増加。長く眠るほど健康によいとはいえず、それどころか健康を害することがわかったのです。
中年以降の人では、長時間の睡眠が脳の認知機能に悪影響をおよぼしたり、心疾患やうつの発症リスクが高まったりするという研究データもあります。したがって、休日の「寝だめ」も避けるようにしましょう。長く眠って起きたときにカラダがだるく感じるのは、血管が広がりすぎて血流が滞り、酸素や栄養が行き届かなくなるからです。睡眠は時間の長さよりも、質やリズムを大切にしましょう。


