「年収400万円でも幸せになれる」という大きなテーマに、ここまでの連載で株式投資の基本をお伝えしてきました。今回は、株式投資の"超実践編"です。
いざ、株式投資をはじめた時に、方向性が変わらなくなり、迷わないための"道しるべ"をお伝えいたします。
また、第3回ではインデックス投資をご紹介いたしましたが、第5回ではさらにステップアップしたい方に、有望な企業の見つけ方やデータの読み方など、一人でできる実践方法をお伝えします。企業分析を行う際に押さえておくべき超実践テクニックを解説していきます。
トレンドフォローの威力を知る
株式市場には「トレンド」があります。株式市場における「トレンド」とは株価の方向性であり、株の売買を行う際に押さえておくべき重要な流れです。
株価が上昇トレンドの時に、そのトレンドと同じ方向性に「買う」スタンスをトレンドフォローと言います。一方、トレンドと逆のスタンスを取って、上昇トレンドのなかで、株を売るといった「逆張り」のスタンスもありますが、初心者の方にはお勧めしません。
なぜならば、今は世界全体で金融緩和と呼ばれる政策を取っており、金融市場にはお金が溢れている状態です。世界中の国や機関投資家、個人投資家が投資を行っており、株式市場に流れ込んだお金は株価を押し上げています。実際にNYダウが市場最高値更新といったニュースを聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
コロナによって、経済が打撃を受けているにもかかわらず、株式市場にはお金がたくさんあることで、株価は上昇トレンドが継続しています。国や世界銀行の取っているスタンスには、大きなお金の流れとうねりを生み出します。これが金融市場です。その流れに逆らうことなく、トレンドをフォローして上昇している企業の株を「買う」投資を行うことをお勧めします。
株式市場のアノマリーを味方にする
株の世界では、「説明はつかないけどよく当たる」、アノマリーという現象があります。昔から語られてきた言い伝えのようなものですが、アノマリーを重視する投資家は意外と多いのです。例えば、毎年繰り返されるアノマリーとして有名な「年末の株高」とはどのようなものでしょうか。
日経新聞によれば、「1980~2019年の40年間で日経平均が10~12月に上昇したのは28回。発生確率は70%」と伝えていることから、年末ラリー(年末の株高)が起きる頻度はかなり高いといえます。10~12月の3ケ月間を投資のタイミングとして捉えてスタートしてみるのもいいかもしれません。相場のアノマリーも知識として身に付けておくと、自分をサポートしてくれるのです。
業績分析をしよう! 企業の業績情報をどこで確認する?
株式投資したい企業を調べて、情報を収集する際に、最も効果的なものが企業の「IR情報」です。しかし、IRページを覗いてみたけど……「有価証券報告書」「決算短信」など、どこを見たら良いのか、何がポイントなのか、よく分からない!といったのが初めてIRページを見た時の感想でしょう。
情報が多すぎるために、大切なことや本当のことを見失いそうになるのです。では、どこを見れば効率的に情報収集できるのでしょう。IR情報とは(Investor Relations)投資家向けの情報。企業が投資家に向けて発信している情報で、企業の業績やビジネスモデルや、強み、弱みなどより詳しい情報を効率的に知ることができます。
それぞれの報告書が何なのか、どう違うのかを次回でご紹介します。