入社1年目で知っておきたい「ビジネススキル」とはどのようなものでしょうか? 時間管理やコミュニケーション、PCスキルなど、会社や業界を問わず、身に着けておくと役立つスキルをチェックしていきましょう。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 ディレクターであり、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを行う木部智之氏の著書『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より、一部を紹介します。

第9回は、「数字で語ると説得力が増す」です。

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数字で語ると説得力が増す

あなたが、部下の報告を聞く立場だったと仮定します。

次のどちらの報告を聞きたいでしょうか。

A「 今年は、去年より売上がだいぶ落ちています。その中でも九州エリアは少し伸びていますが、関東エリアがかなり落ち込んでいます。できるだけ早く、原因を分析して対策を打ちたいと思います」

B「 今年は、去年よりも売上が15%落ちています。その中でも九州エリアは5%伸びていますが、関東エリアは18%も落ち込んでいます。4月末までに原因を分析して、5月から対策を打つように進めます」

Aは「だいぶ」「かなり」「できるだけ早く」といったビッグワードが多用されているのに対し、Bは「15%」「4月末まで」などの具体的な数字で語られています。明らかにBの報告のほうに聞きたいと思わせる内容があり、説明もわかりやすいでしょう。

数字は「総数」「絶対数」「相対数」を使い分ける

ビッグワードを使わないようにするなかで、特に重要なのがこの「数字で語る」、ということです。ビジネスにおけるコミュニケーションでは、とにかく数字が大切です。数字は明確で、誤解を生む余地がありません。100と言ったら100で、誰が見ても同じ事実です。ここに曖昧さはありません。

ただし、この数字にも、使う上での重要なポイントが3つあります。それは、「総数」「絶対数」「相対数」です。

「総数」とは、今考えるべき範囲の総量を示しています。「売上向上の課題抽出の対象エリアは10エリア」など、総量で仕事の範囲を語らなければいけません。逆に、総量を押さえていないということは、仕事の範囲が明確になっていない、ともいえます。

そして、「絶対数」と「相対数」です。

例えば「売上が10億落ち込んだ」という場合の「10億」は絶対数です。10億という数そのものを指します。ただしこの落ち込みが、20億から10億になったのか、1000億から990億になったのかで、インパクトは大きく異なります。

相対数はこの相対比較した数字のことをいい、この場合、20億から10億落ち込んだ「50%」、1000億から10億落ち込んだ「1%」が相対数です。

「絶対数」と「相対数」はペアでとらえる

絶対数と相対数は、どちらが重要ということはありません。どちらの数字も重要です。むしろ、絶対数と相対数をペアで語ることが意味のある数字になります。

また、役職者は、数字で語ることが身に染みついています。そのような人にとっては数字のない報告は意味をなしません。

ビジネスの世界では、とにかく数字が重要です。あなたも、ふだんから数字で語れるように練習しましょう。

  • 『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より

『入社1年目のビジネススキル大全』

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