「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第213回のテーマは「習い事の数を増やしていいものか」です。
「現代の子どもは習い事で忙しい」などという話題をよく見かけていました。そして「いやいや、うちはそんな教育熱心じゃないからそんな事にはならないだろうなあ」などと思っていたのです、が!!
気がついたら習い事が増えていました。ピアノと英語は前からやっていて、子どもがやりたいと言っていたから始めたのですが、親の趣味である空手は付き合ってもらっているうちに、なんだかんだと本人もやる流れになり、現在は空手もやっています。それで今すでに3つの習い事をやっていることになります。
今年、パートナーが小学校のPTAの係である「プールの見守り」に行ったところ、「やっぱり水泳教室に通わせたほうがいいんじゃないか」ということになりました。去年、今年とコロナ禍もあり小学校のプール授業の回数が少ないということがわかったのです。去年は夏休みのプール開放もなく、息子は私達が子どものときよりもプールに入る回数が圧倒的に少ないという状況になっています。
パートナーが他の子どもたちの様子を見ていたところ、そもそも水に慣れてない子は少なく、うちの子はその「少ないほう」の子だったというのです。実際に、クラスのお友達で水泳教室に通っている子は多く、以前から「マイルも行く? 」と聞いてはいました。しかし、運動することにあまり積極的ではない息子は「行きたくない」と拒否していました。
パートナーは子どものときに親から「お前はあまり運動ができるほうではないから、泳げるようになっておいたほうがいい」と言われて水泳教室に通っていたそうで、泳げます。たしかに、「泳げる」というのはいざというときに命に関わることです。全く泳げないどころか「水が怖い」という状態では心配だなと思いました。
ちなみに私は幼稚園の頃に、幼稚園のプログラムに水泳教室があり、その時に水に慣れてビート板で泳げるようになりました。その他は学校の授業のみですが、背泳ぎなら25m泳げます。というか息継ぎが全然できるようにならなかったんですね……。背泳ぎはできるので、もしも水に落ちても浮いて救助を待つ、とかはできるのでは、という程度です。せめて息子もそれくらいにはなってもらいたい。
最近さらに同じクラスの子が水泳教室に数人入会したと聞いて、息子も「みんなと同じところなら行こうかな」と言い出しました。なので、お友達のママに聞いて、その水泳教室に入会しようとしたのですが……。今回はすでに定員いっぱいということで入ることができませんでした。土日のクラスは空いていると言われたのですが、息子は「土日は絶対に習い事をしたくない」という意見。お休みの日に遊びに行くのはいいのですが、習い事があるのは辛いそうです。
親もその意見には賛成で、土日はゆっくり休んだり、お友達と遊んだり、行きたいイベントや展覧会に行ったりしたいなと思っているので、我が家は週末は習い事を入れないつもりです。
そんな理由で水泳教室は欠員待ちにしてもらったのですが、もしも入れた場合は火曜~金曜まで毎日習い事があることになります。自分が子どもの頃は習い事はピアノだけでした。小学校3年くらいから週に2回学習塾に通うようになりましたが、塾以外はピアノのみ。弟は水泳でした。習い事をいくつもやるようなことは珍しいことだったように記憶しています。
しかし、気がついたら自分の子どもは習い事が増えている。お友達の中には週末は午前と午後で別の習い事をしているという子もいるようです。あれもやりたいしこれもやりたいとなればそういう事にもなりますよね。
とりあえず本来の目的である「泳げるようにしたい」という目的は、今年は水泳教室には行かないことになりそうですが、だったらお父さんが近所のプールで教えるのもいいなと思っています。学校のプールが楽しかったらしく、「潜れるようになったよ」とお風呂で潜水の練習もするようになりました。とりあえず今できることで対応しようというということになりました。
とりあえずまだ平日5日のうち3日が習い事という状態ですが、息子は「○○教室」の体験に行くのが好きです。スケート教室があれば申し込んで参加したりしています。最近息子が興味があるのは「プログラミング教室」です。イベントがあれば参加しますし、近所のプログラミング教室の体験はすでに2つ行っています。こちらも日程が合わなかったり、予算オーバーだったりして通うことにはなってないのですが、いつ増えてもおかしくない状態です。
さらに、ボウリング教室も体験に2回行っていて、こちらも「通うのもいいな~」と言っています……。このままでは平日5日間、塾以外の習い事に通うこともありえる……! と怯えています。
親としては子どもの「やりたい」をできるだけサポートしてあげたいのですが、時間もお金も限られています。その中でどこまで何をしてあげられるかは、取捨選択するしかないんですよね。
親ができることが、子どもに影響すると考えるとついつい「あれもこれも」となってしまうのですが、やるのは子ども。ある程度から先は自分の力で生きていくしかないので、あまり気負わずにやれることをやってあげるしかないな、と思っています。
『その下ごしらえ、ホントに必要? 段取り少なく美味しくできる、家庭料理の新常識レシピ』
(幻冬舎刊/1,650円)
水谷さるころのパートナー・ノダDこと野田真外が、女子栄養大学名誉教授・松本仲子氏に「本当はやらなくていいこと」を省いて美味しい料理を作るコツを教えてもらうレシピ本です。イラストとマンガは水谷さるころが担当。1月13日発売。くわしくはコチラ
著書『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』
(幻冬舎/1,100円)
全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ
著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。