外科医であり、母であり、漫画家でもあるさーたりさんが、ドクターとしての日常を描きながら健康に役立つ情報などをお届けする4コマ漫画連載「オペ室より愛をこめて」。今回は海でのトラブルにまつわるお話です。
海には危険がいっぱいなんです
夏休み到来! 我が家の3姉弟もプールにキャンプと、この暑い中でも予定をぎっしり立てて日に日に黒くなってきています。うちは一番下の子がまだ小さいので行きませんが、やっぱり夏といえば海!! 海水浴やシュノーケリング、ダイビングなどを楽しむ方も多いと思います。
数年前に海の近くの病院に出向していたときは、連休や夏休みの度に救急外来は大混雑。観光に来て海でけがをした患者さんが押し寄せていました。
海の事故は溺水や潜水症などの重症なものから、「サーフボードで足を切った」「砂浜に落ちていたガラスを踏んだ」などさまざまですが、意外にも多いのが「生物に刺された・咬まれた」系です。
私は海から離れた場所で育ち、たまにしか行かなかったせいか、医者になってから「潮干狩りでクラゲを踏んだ」「浅瀬でエイに刺された」という患者さんを診て、「海の深くにいかなくても刺されるのか!? 」と驚きました。
今回の「お湯に浸けると痛みがなくなる」という話は、漁師さんや釣り好き、海近くに暮らす人には常識みたいです。「お酢に浸けるといい」とも聞きますが、これもお湯とおなじくタンパク変性です。昔の人は経験で知っていたんですよね…。すごい。
タンパクではない毒を持つ生き物もいるので、万能とはいきません。でも、海で何かに刺されたら、とりあえずお湯に浸しながら病院に向かってくれれば痛みはひきますし、診察時間の短縮にもなるため、頭の片隅に入れておいてください。
それではみなさん良い夏休みを!(夏休みのない方も…良い夏を!)
筆者プロフィール: さーたり
某大学病院勤務の消化器外科医。3児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。2016年5月にコミックエッセイ「腐女医の医者道! 」をKADOKAWAより上梓。また、Twitterもしており、アカウントは「@gogofujoy」。