レンジ相場とトレンド相場でトレード方法を使い分ける

FXのチャートは、ただ眺めるだけではなく、テクニカル分析を助けるために自分でさまざまな加工を施すことができます。トレンドラインやサポートライン、レジスタンスラインなどはその代表的なもの。比較的簡単に引くことができ、売買の判断に大変役立ちます。今回は、チャート分析におけるラインの活用法や相場ごとのトレード方法についてまとめてみました。

サポートライン、レジスタンスラインを引いてみよう

チャートの中で、際立った安値と安値、もしくは高値と高値を結ぶ「トレンドライン」。値動きの方向性を視覚的に捉えるには非常に重要なラインですが、それと並ぶラインが「サポートライン」と「レジスタンスライン」です。

サポートラインやレジスタンスラインは、際立った高値や安値を通るように水平線を引いていきます。このうち、安値に引いた線がサポートライン、高値に引いたラインがレジスタンスラインです。サポートラインは、下がっていたレートがその線によって支持され切り上がりやすいことから「支持線」とも呼ばれます。一方レジスタンスラインは、上がっていたレートがその線に到達すると抵抗を受けてはね返されやすいことから、「抵抗線」と呼ばれることもあります。

サポートラインやレジスタンスラインは、ポジションを持つタイミングの判断に活用することができます。とくに、過去何度もラインにはね返されている場合は堅いラインと言うことができ、その分ラインを超えた時には、一気に値動きが強まる可能性があります。サポートラインやレジスタンスラインを超えると、そのままの勢いで大きく下落したり上昇したりしやすくなるのです。そうした時は、新規のポジションを立てる目安となります。

また、サポートライン、レジスタンスラインは、利益確定(利確)や損切りの判断材料ともなります。たとえば、買いのポジションを保有している状態の時、堅そうなレジスタンスラインが上にあれば、「そこを突き破って上昇することは難しい」と判断し、レジスタンスラインの手前で利確をすることができます。

反対に、含み損を抱えているのであれば、「このサポートラインを大きく下回れば損失が大きくなる」と考えて、あらかじめサポートラインの少し下に損切りの注文を入れておくこともできます。サポートライン、レジスタンスラインもトレンドライン同様、はじめはプロのトレーダーが引くラインを参考にしながら、徐々にコツを掴んでいきましょう。

レンジ相場とトレンド相場のトレード方法とは

右肩上がりまたは右肩下がりにラインを引くことができ、上昇や下落の傾向が掴めるトレンドライン。それに比べ、そのどちらにも当てはまらず、一定の値幅の中で上下に行ったり来たりを繰り返す状態の相場もあります。このような相場のことを、「トレンド相場」に対して「レンジ相場」と呼んでいます。

レンジ相場は、サポートライン、レジスタンスラインを引くことで見えてくる相場です。なお、レンジ相場がずっと続くことはなく、どこかのタイミングでトレンド相場が発生するポイントが必ずやってきます。為替相場は、大まかに分ければトレンド相場かレンジ相場かのいずれでしかありませんが、7割がレンジ相場と言われています。なお、トレンド相場かレンジ相場かは、チャートの足の長さによって変わりますので、注意して見極めましょう。

• トレンド相場

• レンジ相場

また2つの相場では、トレード方法のコツが異なります。たとえば、米ドル/円のレートが103円から106円までの間を行き来しているレンジ相場の場合、103円に近付いた時に買い、106円に近付いた時に決済を行います。106円付近で売り、103円まで下げたところで買い戻すことでも利益になります。レンジ相場はいつか終わりがやってきますが、それまではこうした売買を繰り返せばいいのです。ちなみに、損切り設定も簡単で、上記のレートであれば、買いの場合は103円より少し下に、売りの場合は106円より少し上にしておけば良いでしょう。

一方、トレンド相場の時はどうでしょうか。相場には、トレンド相場とレンジ相場しか存在しないため、レンジ相場の終わりがトレンド相場の発生ポイントと考えられます。レンジ相場を抜けたところを狙ってエントリーし、決済はトレンドラインを割ったところで行います。レンジ相場を抜けたと思ったけれど、再びレンジの中に収まってしまった場合は、損切りをしておくことも大切です。

レンジ相場とトレンド相場、それぞれで利益を狙う戦略は、FXのトレードでは基本的なものです。しかし、これだけで利益を重ねている人も多いため、しっかりと身に着けておきたいスキルですね。過去のチャートをいくつも見ることで学んでいきましょう。

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トレンドライン
際立った安値と安値、もしくは高値と高値を結んだライン

サポートライン(支持線)
際立った安値を通るように水平に引いた線

レジスタンスライン(抵抗線)
際立った高値を通るように水平に引いた線

トレンド相場
右肩上がりまたは右肩下がりにトレンドラインに沿って上昇や下落する相場

レンジ相場
一定の値幅の中で上下に行ったり来たりを繰り返す状態の相場

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