前回は、ドローンの種類や初心者にもオススメのモデル、簡単な法令などを紹介させていただきました。これからドローンをはじめたい人の背中をちょっと押してみたつもりでしたが、いかがだったでしょうか。ドローンは空を自在に飛べるからこそ、守るべき法令などが多いですが、安全に飛行を行うためにはぜひ知っておいてください。第3回目となる今回は購入から飛ばすまでのお話をしたいと思います。
ドローンを買うならどこがおすすめ?
はじめに、ドローンはどこで購入すればよいのでしょうか。扱うお店としてはドローン専門ショップ(プロショップ)、家電量販店、カー用品店などがあります。私がいろいろお店で直接話をした結果から言えば、専門ショップが店員さんの知識も聞け、初心者が購入するには良いように思えます。
というのも、ドローンは買ってすぐに飛行できるものではなく、アクティベートなど初期設定が必要だったりする場合があるほか、自らが積極的にドローンを飛行させている店員さんであれば的確なフォローを行ってくれるからです。
しかも専門ショップのなかには小さいながらも店内にフライトスペースを設けていたり、場合によってはドローンフィールドを持っていたりするところもあります。家電量販店やカー用品店なども悪いわけではないですが、専門的な知識を必要とするアイテムだけに最初は専門のショップがオススメです。
飛ばすには資格は必要? 費用はいくら?
さて、ドローンを手に入れると、今度は資格のことが気になるかと思います。といっても、ドローンは運転免許のような国家資格は必要なく、企業や団体が主催する民間資格となります。そのため、資格を所有していない人がドローンを飛行させても何ら問題ありません。
では、なぜ民間資格があるかと言いますと、飛行技術をマスターしていることや法令を熟知していることの証しとなるため、ドローン関係の仕事をするなら有利となったり、国土交通省航空局の許可申請がスムーズに行えたりと、メリットがあるからです。
ドローンの民間資格には、メーカーのDJIが発行する「DJI CAMP」をはじめ、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が発行する「操縦技能証明書」、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)が発行する「ドローン操縦士回転翼」など様々なものがあります。国土交通省航空局のホームページには、これら民間資格の管理団体および講習団体が掲載されているページ)があり、その団体の扱う資格を取得すると、前述したように人口集中地区でのフライトや夜間飛行などの許可申請が比較的スムーズに行えるようになります。民間資格の取得を目指すなら同ホームページに掲載されている団体のものを取得するのがよいでしょう。
資格の取得費用は、それらの資格試験を直接行う講習団体により幅があり、5万円代から20万円を超すものまであります。多くの場合2日間の講習(実技および座学)となりますが、私個人としてはその内容を見るとちょっと高価に思えてなりません。参考までに、フォークリフトの運転は国家資格が必要となりますが、その資格取得費用は4日間の講習で4万円から5万円が相場となっています。そう聞くと、ドローンの資格はいかに高価であるかがわかるかと思います。
たしかに法令などを知るには講習は有効ですが、書店等で販売されているドローンに関する本の多くにも掲載されていますので、それらを使い自宅で学んでも問題はありません。また、実際の飛行では安全を心がければ基本的に資格はなくても良いように思えます。もちろん、ドローンの民間資格を取得しておいても前述のように損になるようなことはないので、経済的に余裕があるのであれば挑戦しているのも悪くないでしょう。
ドローン保険は加入するべき?
ドローンの保険についても知っておきたところです。いくらパイロットが安全に飛行させていても重力に逆らって飛ぶドローンには何があるかわかりません。そのため、賠償責任保険は必須といえます。
ちなみに保険未加入のドローンの場合、航空局の許可申請は基本的に降りず、ドローンフィールドでは飛行を断られる場合があります。DJIの民生用ドローンは、新品で購入すると無料で1年間の保険(対人1億円、対物5千万円)に加入することが可能です。もしDJIのドローンを新品で手に入れたら必ず登録手続きをするようにしましょう。また、この保険は2年目以降も比較的安価で加入することができますので、忘れずに更新したいものです。
自動車に車両保険があるように、ドローンも機体に保険をかけることができます。ほとんどの保険で保険金が支払われるのは機体が回収できた場合に限られ、もちろんその分保険料は高くなりますが、万が一落下して壊れた場合など心強い味方となることでしょう。
操作方法は難しいの?
さいごに、操作方法が難しいのではと心配する方向けに、多岐にわたるドローン操作の中でもよく使われる、プロポと呼ばれるコントローラーの操作モードについて軽く触れておきたいと思います。プロポには2つのコントロールスティックがあり、上昇下降、前進後進、左右の旋回、左右の移動をそれらで行います。
スティックの役割を示すものとして操作モードがあるのですが、主流は「モード1」および「モード2」と呼ばれるものです。詳細は下記のイラストのとおりですが、撮影のしやすさや海外で広く普及していることなどからモード2を選択するドローンパイロットが増えてきているようです。まずは飛行前に自分のプロポの操作モードが何に設定されているか、安全のためにも確認してから飛行させるようにしましょう。
本稿では、初心者がドローンを購入する前、あるいは飛ばす前に知っておきたい基本の知識を2回にわたって紹介いたしました。法令などちょっと難しいものもありますが、ここまで読んだら、あとは飛ばすだけ(ちょっと乱暴な言い方ですが)。最初は緊張しながらの飛行となるかと思いますが、ぜひドローンを楽しんでより彩のある日常にしてください。