以前は一部のマニアのものであったドローンも、今や家電量販店などで手軽に購入でき、前回取り上げたような「SNS映え」用のアイテムとしても利用されるようになりました。しかし、いざドローンを買って飛ばそうと思うと、分からないことや不安なことがあるかと思います。第2回の今回は、ドローンの種類や、どこで飛ばせるかなど、基本的なことをいくつかお話ししたいと思います。
ドローンの種類は何がある?
まずはドローンの種類を見てみましょう。ドローンは一般に大きく3つの種類に分けられます。大型で映画の撮影や農薬散布、測量、運搬などに使われる「産業用ドローン」、撮影や趣味として用いられる「民生用ドローン」、重量が200g以下で、後に説明する航空法の適用を受けない「トイドローン」です。扱いやすさや飛行能力、カメラの性能など考えた場合、みなさんが使用するには民生用ドローンが現実的な選択となることでしょう。
この民生用ドローン、中国のDJIやHABSAN、フランスのParrotなどが代表的なメーカーですが、市場はDJI一択と言っても過言ではありません。なぜなら、バリエーションやアクセサリーが豊富で、懸架するカメラを安定させるジンバル機構やカメラ部の性能が優れているからです。そういった点も踏まえ、フライトの信頼性がある同社のドローンが世界的に見ても圧倒的人気を誇ります。実際、筆者も3機民生用ドローンを所有していますが、いずれもDJI製のもので、今日までトラブルらしいトラブルの発生などなく、安心して使用しています。
おすすめのドローンは?
では、DJIの民生用ドローンのラインナップにはどのようなものがあるのでしょうか。一般的にドローンは、機体の大きさ、およびプロペラの大きさはクラスに比例するところがあり、小さいものから、エントリーモデルの「Spark」、その上のクラスである「Mavic Air」、ミドルクラスの「Mavic 2 pro/ Mavic 2 Zoom」、民生用ドローンのトップエンド「Phantom 4 Pro V2.0」となります。クラスが大きくなるほど機体、プロペラとも大きくなり、より安定した飛行が楽しめます。
ドローンで撮った写真や動画をSNSに載せる際に気になるのが、カメラ機能についてでしょう。スペックについては下記の表のとおりとなりますが、ドローンに搭載されているカメラとして考えるならいずれも不足のないものです。
もちろん、センサーサイズの大きいほうが画質的により有利ですが、1/2.3インチのMavic 2 Zoomは民生用ドローンとしては珍しい光学2倍ズームを搭載しており、どの機種を選択すべきか一概には言えません。
参考までに、小型軽量で手軽に始めたいのであれば、Sparkがおすすめです。両モデルともバリエーションは少ないですが、カラーが選べ、持ち運びにも苦労しないので女性も手軽に始められます。
より本格的に楽しみたい方は、Mavic 2 pro/ Mavic 2 ZoomもしくはPhantom 4 Pro V2.0がおすすめです。機能はもちろん、見た目もかっこいいので男性もスタイリッシュに使えます。なお、予算を組む場合は、予備のバッテリーや替えのプロペラ、風速計、ランディングパッドなどアクセサリーの費用も考慮しておくとよいでしょう。また、DJIのドローンでは、「Fry More コンポ」と呼ばれる予備のバッテリーなどがセットになったキットが用意されているものもあるので、それを選ぶのもひとつです。
どこで飛ばせるの?
次にドローンを飛ばせる場所についてお話します。ドローンを飛ばす際、まずは航空法をチェックしましょう。航空法で定められた飛行禁止区域と飛行条件は次のとおり。高度150m以上の空域、空港・ヘリポート周辺の空域、人口密集地(DID)、日没から日の出まで夜間、目視外飛行、第三者や構図物などから30m以内、物の投下、危険物の輸送、イベント上空などとなります。詳細は国土交通省のWebサイトに掲載されていますので、一度目を通してみてください。なお、これらは航空局や空港への許可申請によって飛行できる場合があることも覚えておくとよいでしょう。
ちなみに、議員立法である小型無人機等飛行禁止法によって、国会議事堂など国の重要施設、外国公館、原子力発電所などの上空およびその周囲は飛行できません。仮に飛ばすと、厳しい罰則が科せられます。また、地方自治体などによっては管理する公園の上空や文化財周辺などの飛行を条例で禁止しているところもあります。幹線道路や新幹線をはじめとする鉄道施設の上空のほか、第三者の所有する土地の上空も無許可での飛行は禁止されています。ですので、一般には上記に該当しない海岸などで飛ばすことができると考えておくと分かりやすいかもしれません。
最後になりましたが、DJIの民生用ドローンの場合、GPSやポジショニング機能の搭載によって極めて安定したフライトを行いますので、安全に留意すれば初心者でも飛行はそう難しいものではありません。とはいっても、いきなり現場に出てフライトすることに不安があるのであれば、ドローンフィールドなどで練習してから実践に臨むのがオススメです。フィールドによってはドローンの扱いに関してベテランの係員が常駐しているところもあり、操作方法など聞くことも可能です。
また、ドローンショップによっては室内の練習場を持つところのほか、無料の飛行体験会を行っているところもあります。近くのショップを覗くついでに積極的に活用すると良いでしょう。