外科医でありながら、「オペ室より愛をこめて」などを執筆して漫画家としても活躍するさーたりさんによる連載「メディクショナリー」。言葉の意味は「medical」+「dictionary」ということで、さーたりさんが時にコミカルに、時に鋭く医療用語・略語を解説します。今回紹介するのは「np」です。
np(特記すべき変化なし、著変なし)
カルテに特筆すべきことがない。
使用例: 「腹部所見: np」
ドクターさーたりの解説
前回、処方で使う「do」の略語を初めて知ったと書きましたが、カルテ用語で間違って覚えがちな単語がこの「np」です。意味は「特記すべき変化なし・著変なし」で、平たくいうと「問題なし」……だから「no problem」!
…と思いきや、実は「not particular(特異ではない)」または「no particular change(特異な変化が見られない)」が正しい言葉です。私が学生時代、研修に回ってくる学生に必ずこの質問をして学生が間違えるのを楽しみにしていた先生がいました。今は私が質問する側なのですが、やっぱり時々質問をして間違う学生にニヤニヤする嫌な指導医になっています……。
筆者プロフィール: さーたり
某大学病院勤務の消化器外科医。2児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。2016年5月にコミックエッセイ「腐女医の医者道! 」をKADOKAWAより上梓。また、Twitterもしており、アカウントは「@gogofujoy」。