■急いで老人ホームを探す時、注意すべきことは?

今回のトモコさんのように、「退院までの数週間で、老人ホームを探さなきゃ」というケースは意外と多いです。入居を急ぐ場合、次の4つのポイントに注意しましょう。

❶現在の身体状態で入居できるか

多くの老人ホームは要介護者や認知症の方に対応していますが、医療的ケアが必要な場合や、認知症の症状によっては、空室があっても入居をお断りされる場合があります。施設側は健康診断書をもとに判断するので、診断書は早めに取得しておきましょう。診断書は依頼から取得まで一般的に1~2週間かかります。

❷退去規定

入居条件はもちろんですが、退去規定も必ずチェックしましょう。これを怠ると、入居後に想定外の理由で退去を求められることも。例えばこんな理由があります。

【例1】病状の進行により、24時間の点滴が必要になったが、施設の医療体制では対応できない。 【例2】認知症の症状の進行により、暴言・暴力行為が増え、他の入居者や職員への影響が大きくなった。

❸空室の有無

老人ホームの空室状況は常に変動します。探している時には空室がなかったけれど、その後に空きが出る可能性も。条件に合致するのであれば、空室がなくても見学して候補に入れておくのがおすすめです。

❹トータルでかかる費用

お急ぎの場合、入居できるか否かを最優先に考え、費用の確認などがなおざりになりがち。初期費用だけでなく、月々の生活費や追加サービスの費用がどのくらいになるのかを具体的に確認しておくことで後々のミスマッチを防ぎましょう。

■きちんと見学する方が、結果的に手間が省ける!

急いでいるため「入居さえできればなんでもいい」と考えてしまうと、必要なサービスが受けられない、入居後の生活の質が下がるといったミスマッチが起きやすくなります。最悪の場合、施設で対応しきれず退去を求められることも。住み替えとなった場合、あらためて施設を探すコストがかかるだけでなく、入居者本人にとっても大きな負担になります。きちんと見学する方が、結果的に手間を省け、満足のいく選択につながるでしょう。

また、どんなに忙しくても2施設以上の見学をおすすめします。複数見学をすることで比較ができ、スタッフの対応や入居者の雰囲気などを判断する目が養われるからです

■急いでいる時に便利な「老人ホーム紹介センター」

時間がない中で老人ホームを探す際、積極的に活用してほしいのが民間の老人ホーム紹介センターです。老人ホーム検索サービスが、検索と併せて相談窓口を持っている場合もあります。老人ホーム探しを一人で行う場合、まず情報収集を行い、候補施設への空室や入居条件の問い合わせ、見学……と、手間がかかります。紹介センターは、あなたに代わって適した条件の施設をピックアップし、空室や入居条件を確認したうえで提案してくれます。「見学後に条件が合わず入居できないことがわかった」といった事態を防ぎ、膨大な情報から最適な施設を絞り込むことができます。

紹介センターの探し方は、①地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談する、②インターネットで「地域名 老人ホーム紹介」と検索する、などの方法があります。ただし、紹介センターの相談員との相性もあります。信頼できる相談員を見つけるため、複数の紹介センターから提案を受けることをおすすめします。

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『伝説の相談員が教える幸せになれる老人ホーム探し~マンガでわかる高齢者施設~』(ホーム社)

監修:「LIFULL 介護」編集長・小菅秀樹 漫画:マサまさる

「“いい老人ホーム”なんて存在しない!?」――大切なのは、あなたと家族にぴったり“合う”施設を見つけること。本書は、日本最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」編集長が監修し、老人ホーム探しの重要なコツをマンガでわかりやすく解説。急いで探すときの注意点、入居待ちという選択肢、見学の際にチェックすべきポイントなど、知識ゼロからでも実用的に学べる内容。親や自分の「老後の住まい」を考えるきっかけになる1冊です。