■「いい老人ホーム」ではなく「合う老人ホーム」を

例えばこんなケースがあります。社交的でおしゃべり好きだった女性が、転倒を繰り返して施設へ。手厚い医療体制で安心できるホームへ入居したそうですが、そこは寝たきりの方が多く、おしゃべりできる相手がいませんでした。女性は部屋に閉じこもりがちになり、入居後に、それまではなかった認知症の症状が現れはじめました。このように、ある人にとっては「医療サービスが手厚い施設」がベストですが、ある人にとっては「お元気な方が多くいる施設」のほうがいいことも。また、落ち着いた雰囲気の施設が適した方もいれば、イベントが多く活気のある環境が向いている方もいるでしょう。

■まず把握しておきたい情報をチェックしよう

「合う老人ホーム」を見つけるために、まずは、入居する方の介護度、持病、必要な医療的ケアを必ず把握しましょう。さらに、性格や趣味嗜し好こうも考慮に入れるといいでしょう。例えば、散歩が好きなら「外出などの個別対応を柔軟にしてくれる」施設。歌が好きなら「趣味のカラオケが続けられる」、おしゃべり好きなら「お元気な入居者が多く交流も盛んな」施設。認知症の症状でお困りの場合は「認知症ケアを得意としている」、医療面で安心を得たい場合は「クリニック併設で主治医が近くにいる」施設… …といったぐあいです。入居する方がどんな生活を望むのか、まずは書き出してみましょう。

■そもそも「介護度」とは?

介護度認知症の有無、程度日常生活で必要なサポート (食事や着替えなど)持病服用している薬介護度とは、介護が必要なレベルを数値化したもので、「自立、要支援1・2、要介護1~5」の8段階に分けられます。在宅介護でも施設介護でも、保険適用で介護サービスを利用するには、この要支援・要介護の認定が必要です。

要介護認定の結果が通知されるまでの流れは、次の通りです。

❶本人または家族などが、役所の介護保険課または地域包括支援センターへ申請書を提出
❷本人のもとへ、委託職員が訪問し身体状態や生活状況の聞き取り調査を行う
❸訪問調査結果と主治医意見書をもとに、コンピュータによる一次判定を行う
❹介護認定審査会による二次判定を行う。要介護度が決定する
❺本人または家族のもとへ結果の通知


『伝説の相談員が教える幸せになれる老人ホーム探し~マンガでわかる高齢者施設~』(ホーム社)

監修:「LIFULL 介護」編集長・小菅秀樹 漫画:マサまさる

「“いい老人ホーム”なんて存在しない!?」――大切なのは、あなたと家族にぴったり“合う”施設を見つけること。本書は、日本最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」編集長が監修し、老人ホーム探しの重要なコツをマンガでわかりやすく解説。急いで探すときの注意点、入居待ちという選択肢、見学の際にチェックすべきポイントなど、知識ゼロからでも実用的に学べる内容。親や自分の「老後の住まい」を考えるきっかけになる1冊です。