コーヒー器具にもかかわらず、ルックスのよさから雑貨店でも販売されて大人気という「コーノ式円錐フィルター」。見た目のよさだけではなく、構造面でも優れているということは前回解説した。今回は、コーノ式円錐フィルターを開発した「珈琲サイフォン」の代表取締役社長・河野雅信氏にコーヒーの淹れ方を教えていただく。

「名門ドリッパーセット」(4,000円)を使っていよいよコーヒーの抽出。

※一般的に「ドリッパー」と呼ばれる部分を「珈琲サイフォン」では「円錐フィルター」という製品名で販売しているため、ここではドリッパー部分を「円錐フィルター」とし、ペーパーフィルターを「ペーパー」と記述する。
1.まずペーパーを用意。写真のように2枚のペーパーが綴じてある部分を折る。
2.そうすると、上の写真下部のように、ペーパーの角の部分が飛び出すような形になるので、この部分も裏側に折りたたむ(下の写真は裏側から撮影)。こうすることで円錐フィルターにフィットするのだ。
3.ペーパーを円錐フィルターにセットし、コーヒー粉を入れる(ここでは2杯分を抽出するので、24gのコーヒー粉を使用)。その後、円錐フィルターのフチを軽くトントンと叩き、コーヒー粉の表面を平らにする。
4.グラスポットを温めるため、湯を入れてしばらくしてから捨てる。スムーズに抽出を進めるためには、もう1つグラスポットを用意するか、それに代わるものを用意するとよい。
5.温めたグラスポットの上に円錐フィルターをセットし、湯を注いでいく。コーヒー粉の中心部分に湯を置くようなイメージで、少しずつ湯を注ぐ。
6.円錐フィルターからポタリポタリとグラスポットに抽出液が落ちてきたら、少し多めに湯を注いでいく。
7.次第にペーパーが濡れてくるので、中心部分から外側に向かって円を描くように湯を注ぐ。円の大きさは500円玉程度。1杯分の抽出が終わった頃から、注ぐ湯の量を増やし、描く円も徐々に大きくしていく(フィルターのフチには湯をかけないように注意)。
8.グラスポットにある2杯分の目盛りまで抽出したら、写真のように円錐フィルター内に湯が満タンの状態のまま、あらかじめ用意しておいたもう1つのグラスポット(もしくはそれに代わる容器)に円錐フィルターを移す。
9.グラスポット内のコーヒーを竹ベラもしくはスプーンで軽く混ぜ、カップに注ぐ。
10.完成したコーヒー。

手順5の段階で湯をゆっくり入れ、コーヒー粉の内部に湯を浸透させるのがポイント。ここで焦ってはいけないのだ。湯を注ぎ入れるスピードは、1/3がゆっくり、1/3はやや速く、残り1/3はそれより速く、といった具合である。

「珈琲サイフォン」の代表取締役社長・河野雅信氏

そのようにして湯を注いでいくと、次第に茶色い泡のようなものがコーヒー粉表面に現れる。これは、コーヒーのエキスが出てきたという合図。反対に白い泡はコーヒーのアクだ。円錐フィルター内に湯が満タンのまま抽出をストップするのは、このアクがコーヒーに混じらないようにするためである。「フィルター内に湯が残っているのに捨てるなんてもったいないじゃないか」と思われるかもしれない。しかし、せっかく淹れたコーヒーにアクが混じってしまっては元も子もない。河野氏に教えていただいたとおりの手順で淹れてみてほしい。


コーヒーの淹れ方がわかったら、豆にもこだわりたいところ。そこでここからは、河野氏にすすめていただいたコーヒー豆3種を紹介する。

左から「グァテマラ」「幻想」「ブラジル」

「グァテマラ」(780円/200g): 2004年カップ オブ エクセレンス(最高品質のコーヒーを選出するコーヒーの品評会)」入賞農園の豆を使用。レモンフレーバーとコクのある味わいが融合した味わい。

「幻想」(800円/200g): モカマタリやコロンビアなどをブレンド。コクの中に感じる爽やかな酸味が特徴的。

「ブラジル」(780円/200g): 「珈琲サイフォン」専用農地であるブラジル・パンタノ農園ブルボン種の豆を使用。

これら3種類の豆は、「珈琲サイフォン Webショップ」にて購入が可能となっている。さらに、今回紹介のコーノ式円錐フィルターやグラスポット、ペーパーなどがセットなった「名門ドリッパーセット」(4,000円)も同Webショップにて販売している。「珈琲サイフォン」からはほぼ毎年、限定カラーの名門ドリッパーセットが発売となっている。好みのカラーリングのドリッパーセットを購入して、視覚的にも楽しみながらコーヒーを淹れてみてはいかがだろうか。