「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

生スポーツ観戦と地域住民

みなさんは、生でスポーツ観戦をしたことがありますか?

私はひいきにしているスポーツのチームがないので、球場などに足を運ぶことは少ないのですが、現在住んでいる地域に引っ越しをして感じたことは、生のスポーツ観戦が地域に根付いていることです。

主要駅の柱には、その地域で活躍しているスポーツ選手のポスターが貼ってあったり、「みんなで応援しに行こう!」と呼び掛けるCMがテレビで流れたり、「この地域のスポーツチームは、住民に愛されているなぁ」と感じました。

実際に、生でスポーツを観戦しに行った時、自分の地域のチームが勝っても負けても暖かいまなざしで選手やチームを応援している人が多く、応援することを楽しんでいる姿が印象的で、「地元愛」を感じました。今回は、生スポーツ観戦について調べてみました。

都道府県別・生スポーツ観戦ランキング

表1より、生スポーツ観戦をした人の割合(行動者率)が1位の地域は広島県32.9%、2位は宮城県26.4%、3位は福岡県26.1%、4位は神奈川県25.3%、5位北海道24.6%です。また1位から10位までが、全国平均より上回っています(黄色で表示)。30%以上は1位の広島県のみですので、広島県民は、他県民よりも多くの人が生スポーツ観戦を楽しんでいることがわかります。

また、違う視点で見てみると、野球チームの本拠地球場がある地域が、ランキングの上位を占めていることがわかりました。1位から8位までは、すべての地域で野球の本拠地球場があります。具体的には、1位の広島県には、広島東洋カープのMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島があり、2位の宮城県には、東北楽天ゴールデンイーグルスの楽天生命パーク宮城があり、3位の福岡県には、福岡ソフトバンクホークスの福岡ヤフオク!ドームがあります。

野球は、国内では最もポピュラーで年齢問わず人気があるスポーツです。野球ファンとして、球場に足を運び、応援しているチームの試合を生で観に行く人が多いのでしょう。少なからず、生での野球試合観戦がランキングに影響しているようです。

  • (表1)生スポーツ観戦が盛ん!?ランキング
    ※出典「平成28年社会生活基本調査結果より 47都道府県ランキング」(総務省統計局)
    ※過去1年間に「スポーツ観覧(テレビ・スマートフォン・パソコンなどは除く)」をした人の割合(10歳以上)
    ※行動者率=行動者数÷属性別の人口×100%
    ※右側のチーム名と本拠地球場の表は、執筆者作成

終わりに

通常、スポーツ観戦のチケットを購入する場合、チケット販売サイト、スポーツチームのオフィシャルサイトやコンビニエンスストアなどから購入しますが、地域によっては地方自治体の主催で、試合観戦無料招待や、試合観戦料金が割引になる優待チケットの販売をしていることがあります。

私自身の経験ですと、以前住んでいた地域でも、現在住んでいる地域でも、一定期間内で、さらに抽選や先着順など定員に限りがありましたが、地方自治体が、プロ野球の試合観戦優待チケット販売を行っていました。試合日や対戦チームなど決められた日のみですが、お得な金額で生スポーツ観戦ができますので、お住まいの地方自治体が発行する情報誌で確認してみてください。

高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。