漫画家・コラムニストとして活躍するカレー沢薫氏が、家庭生活をはじめとする身のまわりのさまざまなテーマについて語ります。
→これまでのお話はこちら
今回のテーマは「部屋干し」である。
その前に聞きたいのだが、みんな「部屋干し」に対してそんなにデカい感情を抱いているものなのだろうか。
また恒例の「単語出しときゃ何か書いてくるだろテーマ」かよ、と思ったが、部屋干しや「洗濯」に対し、特に言うことや感情がない、という人間は、洗濯をお母さんなどの家族にやってもらっていたか、イージーモードの洗濯にしか従事したことがない人間である。
毎日ダークソウルみたいな攻略難度の洗濯をしている者は、それはそれは大きな感情を抱いているらしい。
先日、同年代の主婦の知人と話をしたが「毎日洗濯が大変だ」と言っていた。
ちなみに私のやっている洗濯は2人分である上、両方中年なので、あまり泥遊びなどをして帰ってくることもない。
私が食事で幼児級に服を汚しはするが、何せ無職の引きこもりなので、若干服がミートソース柄でもどうということはない、よって洗濯は「2日に1回」である。しかも私が会社員の時は夫がやっていた。
一人暮らしの人だと洗濯は週1回という一網打尽型の人もいるだろう。しかし、その知人がやっている洗濯というのは5人分であり、その内3人は小学生以下の男児なのである。これに比べれば、私のやっている洗濯など児戯に等しい。
今でも十分大変そうだが、もしこの男児が全員野球部とかに入ってしまったら一体どうなってしまうのか、ぜひ母のために、帰宅部か全裸プロレス部に入ってもらいたい。
当然洗濯は毎日、日に2回だという。
それだけの量を、干し、畳むというだけで相当な労力を要する、やはり家事というのは重労働なのだ。
そういう人にとっては、雨が多く、外に洗濯物が干せない乾かないというのは「天災」であり、部屋干しについても思う所はいろいろあるのだろう。
ちなみに我が家の洗濯機は、2人暮らしの分際で乾燥機つきのドラム式洗濯機だ、対して5人分の洗濯をしている知人の洗濯機は乾燥機がついていないらしい、今すぐトレードすべきだろう。
では、雨だろうが槍だろうが、乾燥まで洗濯機でやれば「干す」という業務がなくて良いではないか、と思うかもしれないが、うちで乾燥機を使うのは大体雨の時だけだ。
乾燥にも欠点があり、とにかくシワになりやすいのである。ハンカチなど薄手のものになると、ジジイのキ●タマみたいな状態で出てくる。
うちにはアイロンという文化がない、というか私が殺したので、シワがつくとシワのままになってしまう。
私としては服がデミグラスソース柄でも気にしないし、別に服がシワシワでキン●マのコスプレになっても気にしないので、毎日乾燥機でも構わないのだが、夫が洗濯していた時、晴れの日は外、雨の日は乾燥機、または部屋干しと決まっていたので、今でも何となくそうなっている。
しかし世の中には、洗濯物は全て乾燥機にかけ、干さないという家庭もあるようだ。立地的に外に干しても乾かなかったり、北斗の県在住なので外に干すと逆に汚れたりといった理由もあるが、夫婦共働きなので効率のため、というところも多いようだ。
先ほど、2人暮らしの分際でドラム式洗濯機、などと言ってしまったが、共働き夫婦の生活を円滑にするために、食洗機など「家電には金をかける」というのは、有用な方法なのである。
そうすることにより、時間短縮はもちろん、家事をめぐっての夫婦不和が減り、むしろプラスとなるのだ。
ここで「食器ぐらい洗えよ」「うちのおふくろは働きながら家事をしてゴリラも素手で倒した」などと言い出すと話がこじれてしまう。
「便利だからって使わないんだからね! 」というツンデレは家事には不要だ、頑張りよりも、時間短縮とストレス軽減こそが家庭を円満にするのである。
だが最近、我が家の乾燥機は調子が悪く「生乾き」ということが多い。またこの季節、外には干してみたものの、一向に乾かず生乾き、ということも多いだろう。
キンタ●のコスプレは逆にオシャレと見てくれる人もいるだろうが、生乾きの服を着ることはさすがにお勧めしない、わかっていると思うがとても「臭い」のだ。
だが、私はたまに生乾きの服を着ることがある、無職の引きこもりだから、臭くても自分が臭いだけだからだ。
だが生乾きの服を着ると「臭い」以外考えられなくなってしまうので、1人でもやはりお勧めしない。
つまり、悩みがあり、気がついたらそのことばかり考えてしまうという時は、生乾きの服を着て「臭い」以外考えられないようにするのも一手ということである。