世の中は空前のキャンプブームだそうですね。女子高生がキャンプする漫画や、ひとりでキャンプを楽しむ動画が人気のもとになっているとも聞きました。
缶詰博士もキャンプが大好きらしくて、そもそも初めて缶詰に出会ったのもキャンプだったそう。「冷蔵しなくていいから野外に最適」と言っていました。 ということで、今回は缶詰を使ったキャンプごはんのお話です。
魔法の箱
僕が缶詰に開眼したのは4歳のときだった。父の会社主催のキャンプに行き、そこで五目ごはんの缶詰を食べて衝撃を受けたのだ。金属の無骨な箱から食べ物が出てくるという不思議。まるで魔法を見ているようだった。
以来、いろんな場所で缶詰キャンプ(略して缶プ)をしてきたが、先日は2つの缶詰を合わせて食べたらおいしかったので、ぜひ紹介したい。
ミネラルを感じるおかゆ缶
まず「こまちがゆ」を開けて中身を鍋にうつす。このおかゆは米(あきたこまち)と水だけで造られたピュアな缶詰だ。水がいいのか、そのまま食べると甘さだけなくミネラル分も感じることができる。しっかり炊かれているので、スプーンなどでほじほじしながら出すとよいです。
ちょっとゆるめる
おかゆ全量を鍋に入れたら、水を適量加えて軽くかき混ぜる。このおかゆは柔らかいが水分は少なめだ。そのまま火に掛けると焦げやすいので、それを防ぐ意味でちょっとゆるめておくんであります。
牛肉缶は贅沢する
そしてメインの牛肉缶「漢方牛大和煮」を開缶。気温が低いから脂が白く固まっているが、フタについた脂を舐めてうっとりした。脂だけでもすごくウマい。ゆえにこの脂入り缶汁は残さず使う。
バランスよし
おかゆの上に漢方牛を汁ごとOn! どちらも1缶を使い切るので、おかゆとしては具だくさんな仕上がりになる。腹ぺこ基本の野外で食べるのだから、このバランスでちょうどいいはずだ。
時短でもある
フタをして弱火に掛けて3分。ときどき全体をかき混ぜ、底のほうが焦げないようにする。それでも火が強いときには鍋をバーナーからいったん離して温度を下げるテクニックもあり。いずれにしても3分あれば熱々になりますぞ。
薬味も大事
3分たって熱々になったら青ねぎをOnして缶成! 最近はコンビニでも青ねぎの輪切りが小パックで売っているから嬉しい。僕のお気に入りは九条ねぎの輪切りパックであります。 ねぎの鮮烈な風味が加わるだけで、きちんと料理したような味わいに変わる。缶詰料理に薬味はとても大事なのだ。
健康な赤身肉がうまし
かくのごとし。ミネラル分たっぷりのおかゆに、漢方牛のうまみと砂糖しょう油の味が染みてたまらない。ちなみに、漢方牛というのは飼料に漢方を加えて育てたブランド牛。山地で放牧していることもあって、脂肪が少ない健康的な赤身肉だ。それをややあっさりめの砂糖しょう油で味付けしてある。
鍋から直に食べて(缶プの醍醐味)、夢中で完食! いや、この場合は缶食というべきか。
缶詰情報
こまち食品工業/こまちがゆ
希望小売価格292円(税込)
同社直販サイトなどで購入可
木の屋石巻水産/漢方牛大和煮 希望小売価格1,200円(税込) 同社直販サイトなどで購入可
黒川勇人/缶詰博士
昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。