今回は2022年の最後の配信になります。今年もたくさんの缶詰を紹介してきました。その数はなんと64種類! そのほとんどが新商品でした。

「11月には日本缶詰大賞がありました。この連載で紹介した缶詰も入選したので、それを紹介して今年を締めくくりましょう!」

→これまでのお話はこちら

  • 日本缶詰大賞の受賞式にて、下段左は筆者

    日本缶詰大賞の受賞式にて、下段左は筆者

選考は難航

今年11月に、第1回「未来の食卓アワード 日本缶詰大賞」の受賞式が行われた。一般社団法人「未来の食卓」が開催したもので、食文化の継承を目指した缶詰や、SDGs(持続可能な開発目標)に合致した缶詰を選ぶという、初めての取り組みであります。

選考は難航したけど、審査員それぞれが思う評価ポイントを率直に話し合った。その結果、グランプリ2商品、金賞5商品、優秀賞4商品が選ばれた。

僕個人としては、この連載で取り上げた缶詰がいくつか入選していたのが嬉しかった。

  • ケンコーマヨネーズ/CANDISH 背徳のガーリックバターと魔性のカリーケチャップ ※右は魔性のカリーケチャップ内観

    ケンコーマヨネーズ/CANDISH 背徳のガーリックバターと魔性のカリーケチャップ ※右は魔性のカリーケチャップ内観

汁を活用する発想

「おさかな部門グランプリ」を受賞したのは、ケンコーマヨネーズのCANDISHシリーズ「背徳のガーリックバター」「魔性のカリーケチャップ」だ。

キャッチーな商品名とSNS映えしそうなデザイン、そしてエッジの立った味つけが好評だった。審査員の和田幸子氏(タスカジ 代表取締役)は、「魚の缶詰は汁もおいしい。その汁を残さず活用してもらおうという発想が良かった」とおっしゃってた。

  • 道本食品/日本の干したくあん 70g 350円

    道本食品/日本の干したくあん 70g 350円

発酵食を新たなパッケージで

「バラエティ・コンセプト部門グランプリ」を受賞したのは、道本食品の「日本の干したくあん」。この連載では、ピクニックなどのアウトドアにもぴったりと紹介した缶詰だ。

ほどよい塩気とみずみずしさ、そしてカリッという歯触りにうっとりしてしまう。審査員の村田吉弘氏(和食料亭「菊乃井」3代目主人)は「子どもの頃に食べていた味と同じ。日本が誇る発酵食品をこうして新しいパッケージにしたことに感動した」とおっしゃってた。

  • 上段左からタイム缶詰/いわし尾肉缶、かねはち/駿河燻鯖~OIL SABADINES(オイルサバディン)4種、みんなの食プロジェクト/木桶仕込み八丁味噌SABA缶と木桶仕込み醤油&酢SABA缶

    上段左からタイム缶詰/いわし尾肉缶、かねはち/駿河燻鯖~OIL SABADINES(オイルサバディン)4種、みんなの食プロジェクト/木桶仕込み八丁味噌SABA缶と木桶仕込み醤油&酢SABA缶

尾肉も残さず

「おさかな部門 金賞」を受賞したのは以下の3商品。

・タイム缶詰「いわし尾肉缶」
・かねはち「駿河燻鯖オイルサバディン」(4種)
・みんなの食プロジェクト「木桶仕込み八丁味噌SABA缶」「木桶仕込み醤油&酢SABA缶」

オイルサバディンと木桶仕込みSABA缶は、この連載でも過去に紹介している。

いわし尾肉缶は、これまで使われていなかった尻尾に近い部位を使っている。腹の身ほど脂は乗っていないが、肉自体のうまみが濃い。SDGsの観点からも、今後はこういった缶詰が増えてくると思う。

以下は文言だけの紹介になるが、ご缶弁いただきたい。

「バラエティ・コンセプト部門 優秀賞」(2商品)
ふくや/缶明太子油漬け、パン・アキモト/パンの缶詰

「優秀賞」(4商品)
木の屋石巻水産/金華さば味噌煮、シーライフ/今朝の浜いろもの、伊豆川飼料/とろつな(2種)、黒潮町缶詰製作所/ウクライナ支援缶セット

「とろつな」以外はすべてこの連載で紹介している。興味のある人は、ぜひ過去記事をご覧ください。

それでは皆さま、どうぞよい年をお迎えください。缶謝!