厳しかった夏も去り、ほどよいペースで3連休が続くこの時期。本当は友人とBBQやキャンプに行きたいけれど、諸事情があって出掛けられない人もいると思います。

そこで今回は、部屋の中でも楽しめる「妄想キャンプ」を博士が提案。フライパンひとつで作れるキャンプごはんも紹介しますよ!

  • いなば食品「チキンとタイカレー・レッド」。この本場感は今でもすごい

妄想は本気で

ヘミングウェイの短編小説に面白いものがある。戦場でなかなか寝付けない兵士が、幼い頃から慣れ親しんだ川を思い出し、頭の中だけで釣りをするという話だ。浅瀬や淵を一つ一つ再現して回り、昼にはちゃんと昼食もとったりする。それはいわゆる妄想というやつだが、戦場の最前線にいる彼にはそれが必要なのであります。

僕も似たようなことを時々やる。それは部屋の中で行う妄想キャンプである。出掛けたいのに出掛けられない。でもどうしてもキャンプしたい! そんな時には部屋の中にテントを張り、寝袋で寝るんであります。ご飯も当然、キャンプ飯なのであります。

  • 開缶! エキゾチックな香りが立ち昇る

缶詰は野外でも活躍

キャンプで作る料理には理想がある。

(1)手間が掛からない
(2)後片付けもラク
(3)材料はなるべく常温保存できるもの

とくに(3)にご留意いただきたい。常温保存できるもの、すなわち缶詰であります。缶詰を使えば誰でも缶たんにキャンプ飯が楽しめるのだ。

今回ピックアップしたのは、いなば食品「チキンとタイカレー・レッド」。かつて一世を風靡したタイカレー缶の先駆けで、今でも根強いファンがいるレジェンド缶詰だ。

  • 部屋キャンプのリアルな姿。タンスがドメスティック丸出しなり

  • 袋麺の焼きそばを用意した。これ、便利です

  • フライパンに湯を沸かしてそばを茹でる。湯は規定量より少なめにするのが缶所。今回の場合、220mlのところを200mlにした。

  • 水分がなくなったところでチキンとタイカレー・レッド登場。まず缶汁だけを入れて、よく混ぜながら炒める。やがてこの汁気もなくなって、底のほうがパチパチと音を立て始めたら……。

  • チキン、唐辛子などの具をトッピング。チキンの量が多くて嬉しい。

  • 最後に青ねぎを散らせば缶成であります。

かくのごとし。フライパンから直接食べることにする。何しろ今はキャンプ中なのだからして、後片付けが楽なようになるべく食器を使わないのだ。

熱々のところをひと口すすると……。むっ、こいつはうめい。ココナッツの利いた甘辛いカレー汁が麺に染み込んでいる。食感はもちもちしてて、底のほうはちょっと焦げて香ばしい。

いなば食品のタイカレーシリーズはどれも美味しいが、その秘密は本場タイで造っていることにある。工場にはレモングラスやこぶみかんなどの新鮮なハーブ、唐辛子類が生で運び込まれるのだ。こぶみかんは枝から葉を千切って使うし、唐辛子も生のホールを包丁でカットして使う。つまり現地のフレッシュな素材がたっぷり使われているから、あの本格的な味が出るわけだ。

さて、おなかもふくれたので寝袋をしいてひと休みしよう。今夜は何を食べようかなー?

缶詰情報
いなば食品 / チキンとタイカレー・レッド(125g)
実売価格 150円前後
スーパーやコンビニ、ネットショッピングなどで購入可

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。