世界一栄養価が高い果物といわれるアボカド。残業続きで疲れたときなど、積極的に食べたいものですね。スライスしてお醤油をかけるだけでも美味しいですが、ひと手間加えるなら缶詰との組み合わせがオススメ。

今回はちょっと珍しいまぐろ缶と組み合わせて、缶たんでこってり濃厚なみそ炒めレシピを紹介いたします!

  • まぐろ尾肉とアボカドのみそ炒め、10分もあれば缶成!

固いアボカドは歯が立たぬ

普段あまり運動をしない人は、食事で体調をコントロールしていることと思う。僕もその一人で、「体力を消耗したからスタミナつけよう」とか、「お腹の調子が悪いから発酵食品いっぱい食べよう」とか、そんなことをやっております。

そこで急浮上してくるのがアボカド。コレステロールを減らすといわれるリノール酸とリノレン酸を含み、ビタミンB1、B2、E、ミネラル、食物繊維も豊富というからすごい。ただ、唯一の欠点は食べ頃を選ぶのが難しいこと。とくに未成熟の固いやつは、そのままでは歯が立たないし、食べても不味いから始末に負えぬ。

しかし、ご安心いただきたい! 未成熟の固いやつでも、缶詰と合わせれば絶品メニューに変身するのだ。

  • 木の屋石巻水産「まぐろの尾肉油漬け」、尾肉というワードに惹かれる

尾肉がウマー

本日登場する缶詰は、木の屋石巻水産の「まぐろの尾肉油漬け」。まぐろといえばツナ缶がメジャーだけど、中にはこんな缶詰もあるのです、はい。しかも尾肉ってところに惹かれませんか? 尾はよく運動するから身が引き締まっていて、かつゼラチン質が豊富だからジューシーでもある。歯応えがあってジューシーという、二律背反を軽く超えてくる希少部位なのであります。

  • 大きな塊肉がごろごろ

ぱかっと開缶してみると、おお。大きなブロック肉がごろごろと入っております。加熱されたまぐろ肉の匂いも香ばしく、綿実油に浸かってつやつやと輝いております。

そのまま食べると、歯応えのある中でほろっと崩れる柔らかい部分があり、そこはトロのように脂っこい。これがゼラチンであります。味付けは塩と野菜エキスだけの素朴なもので、それがまぐろ本来の滋味をストレートに引き出している。

それでは本日も、缶たんクッキングスタート!

【まぐろ尾肉とアボカドのみそ炒め】
★材料(2人分)
・まぐろの尾肉油漬け / 1缶
・アボカド(2cm角切り) / 1コ
・にんにく(スライス) / 1片
・タレ(よく混ぜておく)
 ・西京みそ(もしくは白みそ) / 大さじ1
 ・日本酒 / 大さじ1
★作り方
①フライパンに缶汁(油)大さじ1とにんにくを入れて火にかける。にんにくに火が通ったらアボカドを炒める
②アボカドに菜箸を刺してみて、抵抗なく突き抜けたらまぐろ肉とタレを入れ、ちゃちゃっと絡めれば缶成!

  • たっぷり2人分が作れます

かくのごとし。みそダレが和のテイストながら、にんにくとアボカドがやや洋風寄り。したがってご飯のおかずにもなるし、ボリューミーなおつまみにもなる。あれだけ固かったアボカドはぽくぽくとしたじゃがいものような食感に変わり、渋みもまったくなし。逆に、柔らかいアボカドを使うと、加熱によってアボカドが溶けて、全体がとろっとしますぞ。

このメニューの発想元は「カリフォルニアロール」という洋風巻き寿司。アボカドに生のまぐろを合わせた巻き寿司は、今や我が国でも人気メニューになっている。そのまぐろを缶詰に変えることで、新鮮なまぐろが買えないときでも手軽に作れるんであります。

缶詰情報
木の屋石巻水産 / まぐろの尾肉油漬け
希望小売価格 500円(税込)
同社の直販サイトや一部の食品店などで購入可

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。