今日ご紹介するのは珍しい缶詰です。世界中の缶詰を食べてきた缶詰博士も「かなりの珍缶!見た目が地味なのがまたイイ」と感心しきり。
さらにその珍缶を使って居酒屋風のメニューも作ってみたそうです。さて、一体どんな珍缶なのでしょう?
反省してます
この連載のタイトルには「珍缶」という文字も入っている。当初は「世界中の珍缶も紹介しよう!」というもくろみでスタートしたのだ。
しかしこれまで、珍缶はあまり取り上げてこなかった。新商品や美味缶、缶たんレシピなどを多く取り上げてきた。
すべて僕が真面目すぎるせいであります。すみません。反省しております。
なので今回は久々に珍缶が登場! 何と、貝ひもだけを詰めたニッチな商品であります。
歯応えよし
それでは参りますぞ、ご唱和下さい。開缶!
意外と鮮やかな色合いだ。そういえば北寄貝は加熱するときれいな紅色になるんだっけ。生だと何やら罪深いような、黒ずんだ色合いなのだけど。
形状も確かにひもっぽい。ほたてのひもはメジャーだが(身の周辺のびろびろしたやつ)、北寄貝にもひもがあったんですなァ。
そのままつまむと、むちむちした歯応えがある。北寄貝特有のあっさりしたうまみがじわーっと口中に広がる。缶汁にもそのうまみが溶け出しており、美味であります。
ふと思いつく
貝のうまみを味わっていると、突然頭の中に居酒屋メニューが浮かんだ。この北寄貝ひもで作ったら、さぞおいしかろう。
新型コロナウイルスのせいで居酒屋に行けなくなったので、そのフラストレーションがひらめきをもたらしたようであります。人は抑圧されると逆に開花するのであります。
缶汁も加える
塩蔵わかめを水で戻し、ひと口大にカットする。酢を鍋で煮切り、味噌、砂糖、卵黄と合わせてよく混ぜる。居酒屋メニュー「ぬた」の酢味噌であります。
ふと思い付き、酢味噌に缶汁をちょっと加えた。北寄貝のうまみが追加されて、フラストレーションメニューもなかなかいい缶じになってきた。
口笛が出る
きゅうり、わかめ、貝ひも、酢味噌を混ぜ合わせる。この時点でなぜか口笛が出てきた。何だか居酒屋に来たようなうきうき気分になってきたのだ(酒は飲んでませんが)。
お店で出せます
かくのごとし。冷たい清酒が似合いそうな、立派なぬたが缶成した。
きゅうりのしゃくしゃくとわかめのこってり、さらに貝ひものむちむちと、食感がみんな違って愉しい。酢味噌はちょいと手間を掛けただけあって美味。甘酸っぱくて食欲が進み、ついでにお酒も進んでしまう。
(これ、お店で出してもいいレベルじゃね?)と自画自賛したあたりで酔いを自覚した。
みなさん巣ごもり状態が続くせいで飲酒量が増えているそうな。お互い気を付けて参りましょ!
缶詰情報
カネダイ/カナダ北寄貝 貝ひも水煮 60g 300円(税別)
ショッピングサイトなどで購入可