「今年こそは貯金を増やしたい」「資産運用に取り組みたい」

新しい年の始まりに、こうしたお金にまつわる目標を掲げた人も多いのではないでしょうか。

ただ、日々の忙しさの中で常に目標を意識しながら暮らし続けるのは、なかなか難しいものです。無理なく目標を実現するためにおすすめしたいのが、はじめのうちにお金の使い道を整理し、「仕組み化」しておくことです。

前回は、現在から将来にわたってお金の不安がない状態を目指す「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の考え方を紹介しました。今回はこれを踏まえながら、「仕組み化」の前提となるお金の仕分け方について解説します。

使い道ごとにお金を整理する「仕分け」の考え方

お金の管理を「仕組み化」するために、まずは持っているお金、あるいはこれから入ってくるお金を、その「使い道」に応じて3つに仕分けてみましょう。

1つ目は「すぐに使うお金」です。家賃や保険料、通信費、光熱費などの固定費と、食費や交際費などの変動費を合わせたもので、毎月の生活に欠かせないお金を指します。

2つ目は「数年以内に使うかもしれないお金」です。急な病気やケガなどで働けなくなった時に備える「生活予備資金」や、結婚や引っ越しなど数年以内に予定しているライフイベントのための資金のことです。必要な金額は確実に残しておきたいので、預貯金で確保しておくと良いでしょう。

そして3つ目は「将来、使うお金」です。老後資金など、10年以上使う予定がないお金を指します。すぐに使う予定はないため、NISAを活用しながら長期の資産運用でコツコツ増やすことを目指すのも良いでしょう。

このうち「数年以内に使うかもしれないお金」が十分に確保できているのであれば、積極的に「将来のお金」に回していく、といった判断をすることもできます。

多忙な働く世代こそ「仕分けの自動化」を

月々のお金を「使い道」ごとに仕分けることができたら、次は「自動で仕分ける仕組み」に落とし込んでみましょう。

仕事もプライベートも忙しい中、毎月、入ってきたお金を「数年以内に使うかもしれないお金」や「将来のお金」に振り分ける作業をするのは手間がかかり、続けることが億劫になるかもしれません。

「月末に残ったお金を将来のお金に振り分けよう」と考えていたとしても、ついつい使ってしまい残らない、ということもあるのではないでしょうか。

給与天引きや自動積立などの機能を設定しておけば、収入が入ると同時に「すぐに使うお金」と「数年以内に使うかもしれないお金」、そして「将来のお金」に自動的に仕分けることができます。

一度、仕組み化できれば、意識をしなくても目標の達成に向けてお金の「仕分け」を続けていくことができるでしょう。

「仕組み化」の目的は、現在も将来も楽しむこと

お金の使い道について考えることは、必ずしも何かを我慢したり、制限したりするような窮屈なものではありません。本来の目的は、支出を削ることではなく、自分にとって大切なものに安心してお金を使える状態を作ることにあります。若いうちからお金の使い道を仕分ける習慣を身につけることは、将来の自由や選択肢を広げることにつながります。

現在のお金を使い切らずに資産運用などに仕分けておくことは、「いつかの自分」や大切な人を豊かにする「手段」を用意していることになるためです。「将来のための準備ができている」という気持ちは心にゆとりをもたらし、趣味や勉強、大切な人との時間など、現在をより全力で楽しめるようになると考えます。

ここまでお伝えしたようにお金の使い道を3つに仕分けた結果、毎月の収入が「すぐに使うお金」にしか割り振られていないことにあらためて気づいた、という人もいるかもしれません。

そのような方に向けて、次回は、月々の支出を見直す上で知っておいてほしい家計管理の考え方や、お金を使う上での判断軸についてお伝えできればと思います。