年末も近づき、今年を振り返り、来年の目標を立てる時期ですね。みなさんは、今年を振り返るといかがだったでしょうか?

  • 今年の振り返りはすみましたか?

いきなりで恐縮ですが、以下の図をご覧ください。

この図の、どこに目がいきましたか?

ストレスを溜めやすい人

これは、心理学の世界では有名な「ゲシュタルトの輪」という有名な図です。

人間は、「欠けた部分に目がいきがちな動物」ですから、以下の図のように、右側の輪の欠けた部分に目がいく方が大半ではないでしょうか。

……と、ここで質問です。

「今年を振り返るといかがだったでしょうか?」という質問に対して出てきたご自身の答えは、「できたことやうまくいったことが中心」でしたか? 「できなかったことやうまくいかなかったことが中心」でしたか?

・〇〇がうまくできなかった。
・××が予定通りにいかなかった。
・△△が、前に進まなかった。

といったように、「欠けている(=うまくいかなかった)点」ばかりが答えとして出てきた方は、ストレスが溜まりやすい傾向があるのではないでしょうか。

欠けた部分が個性となる

つまり、「あるもの」より、「ないもの」に注目し、そこに不満を抱え、なんとかならないだろうか? ということを考えてしまいがちなのです。

ただ、冷静に考えてみましょう。「ないもの」は上記の図でいえば2割程度で、8割が「あるもの」なわけです。

だとしたら、俯瞰して全体を捉え、「ないもの」は受け止めつつ、「あるもの」の方に注目し、その活用法を考える方が建設的ではないでしょうか?

そもそも欠けている部分がない人など存在しません。言いかえると、欠けている部分こそが個性だということ。

だから、自分の欠点にばかり目がいくタイプの人は、振り返りをする際に、以下の質問を活用してみてください。

・今年、うまくできたことはなんですか?

きっと気づかなかった素晴らしい点がたくさん出てくるはずです。

執筆者プロフィール : 阿部淳一郎氏

ラーニングエンタテイメント 
代表取締役

若手の採用・育成・定着に強い人材開発コンサルタント。早稲田大学教育学部卒。筑波大学大学院(ストレスマネジメント領域)修了。保健学修士。社会人教育を行う東証一部上場企業等を経て2004年に起業。「メンタル不調者を減らし、若者の能力を引き出す」をコンセプトに人材開発業務に従事。大企業から中小・ベンチャー企業、学校、行政まで研修登壇実績は約1500本、コンサルティング実績30社。サンフランシスコ・シリコンバレーへも事業展開中。大学での就職活動領域における講師歴も長い。『これからの教え方の教科書(明日香出版社)』など著書3冊。『NHK』『日経新聞』『読売新聞』『日経アソシエ』『週刊SPA!』など取材実績も多数。