「乳がん」は女性にとってはとても恐ろしい病気。8~10人に一人はかかりうるといった統計まであるなど、女性なら誰しもが日々頭のどこかで「わたしたは大丈夫かしら……」といった不安を抱えているのでは。
しかし最近アメリカでこの乳がんに対し一つの"surprising news(驚く内容のニュース)"が流れ大きな話題になっています。
そのニュースとは:
A study in mice suggests that a preventive breast cancer vaccine might be possible in humans. Women may begin taking part in the next stage of research as soon as next year.
というもの。つまり「ネズミでの実験の結果、人間でも予防手段としてのワクチン投与で乳がんになることを防げる」。さらには「早ければ来年からでも、次の研究段階として女性への投与も始められそう」というのがその内容なんです。
そして研究の当事者であるVincent Tuohy, Ph.D氏も「"We believe this vaccine will someday be used to prevent breast cancer in adult women in the same way that vaccines prevent polio and measles in children."(このワクチンは、幼少時に受けるポリオやハシカの予防接種同様に、いずれ必ず乳がんの予防接種として成人女性に使われるであろう)」、さらには「"If it works in humans the way it works in mice, this will be monumental. We could eliminate breast cancer."(もしこれが人間でも、ネズミ実験でみられたように効けばそれは偉業。乳がんそのものを撲滅することにもなり得る」と語っています。
実は「がん」におけるワクチンという手法は決して初めての試みではなく、アメリカではすでに"cervical cancer(子宮頸癌)"と"liver cancer(肝臓癌)"においては認可が下りており、実用化は始まってはいるようです。しかしこれらのワクチンはどちらも"Human Papillomavirus(HPV=ヒト・パピローマウイルス)"と"Hepatitis B virus (HBV=B型肝炎ウイルス)"といったウイルスに効くだけで、今回のように"Cancer formataion(がんの形成)"自体を防ぐものではないんだとか。
つまり今回のワクチンが成功すれば、それは正に画期的。乳がん細胞には必ずといっていいぐらいみられる"a-lactalbumin(アラクタルバミン)"という名のタンパク質のみに絞って働きかけることで、体内の免疫機能を向上させ、それにより本当の意味でがんの発症が防げるようになるんだそうです。
研究はまだまだこれから第2次、第3次といくつかのハードルを超えなければならないそうです。でもいずれこのようなワクチンによって乳がんが完全に撲滅される日が来れば、それは女性にとってはとてつもなく大きな喜びと安堵でしょう。是非期待して待ちたいものです。
今回のURLは、Breast Cancer Vaccine Shows Promising Results - The Early Show - CBS News、BBC News - Hopes for breast cancer vaccine。興味がある方は是非チェックしてみてください。
またいい機会なので以下にNational Cancer Institute(アメリカ国立癌研究所)の乳がんに対する現時点での見解を記したサイトも紹介しておきます。
Breast Cancer: MedlinePlus。こちらも併せて参考にしてください。
英語ワンポイント:
「胸」を言うとき注意すべき点は:
胸郭全体を言うときは"chest"と言うのが一般的。たとえば「胸に痛みがある」なら"I have a pain in my chest."。「胸の痛みがある」なら"I have a chest pain."というように。
しかし女性の胸、または、乳房といったことを言うときは"breast"を使うといいです。また「胸、おっぱい」といったスラング表現は星の数ほどありますが、中でも使用頻度がダントツに高いのは"boob(s)"か"boobie(s)"。ほかには以前は「乳首」って意味だった"tit(s)"も「おっぱい」といった意味で使われるようになってきています。
ではまた次回。