そろそろ結婚したいな……とは思っても、両家への挨拶をはじめ、引越し引っ越しや結婚式の費用のことなど考えなくてはならないことがたくさんありそうで、なかなか踏み切れないという声をよく耳にします。今回は、結婚に必要な費用のことをクリアにしていきたいと思います。

結婚にかかる費用の内訳

ゼクシィ結婚トレンド調査2017によると、首都圏における2017年の結婚にかかった費用の平均は約515万円で、内訳は次のとおりです(万円未満四捨五入)。

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約515万円と見ると、あまりに大きな金額でグッタリしそうですが、援助やご祝儀などのいただけるお金を考えると、全額を自分達たちで準備しなくてはならないわけではありません。

結婚でいただけるお金

・援助
約76%の人が、親や親族から平均190万円の援助を受けています。ご両親に相談してみましょう。

・ご祝儀
披露宴等では、ご祝儀をいただく頂くことができます。友人は3万円、上司・恩師は4万円、親族は7万円という額が平均です。招待する人や人数によりますが、ご祝儀の総額平均は227万円です。

結婚費用のワナ

平均すると、自分達たちで準備が必要なお金は83万円です。ですが、披露宴やパーティーの準備の途中で当初の予算よりも高くなっていくことが多々あります。

多くの会場では、挙式代や料理代などがセットになったプランを用意していますが、必要最低限のことだけが組み込まれているものがほとんどです。途中で、追加したいものがあることに気付き、追加することで料金が発生してしまうケースがほとんどです。主なオプションの平均額は次のようになっています。

どのような披露宴やパーティーにしたいのか、2人で事前に考えておきましょう。途中で金額が上がっていくと不安も募ってきてしまいます。また、予算をオーバーしてしまう場合に備えて優先順位を付けておくと決めやすくなります。

また、契約時に会場で用意されているプランには何が組み込まれているのかを確認しましょう。大きな追加費用が発生しやすいものは2つあります。

1つ目は会場装花です。新郎新婦とゲストのテーブルを飾る花はプランに入っていても、ケーキプレートや新郎新婦の後ろ、受付に飾ったりする花は入っていないこともあります。会場の中に花を飾ることができる場所はどこにあり、その中でどこに飾りたいのか、そしてプランにはどこまで入っているのかを事前に確認しておきましょう。また、新婦の髪や新郎のジャケットに花を飾りたい場合にも追加料金がかかることもあります。

2つ目は新婦のドレスです。ドレスのレンタル代が含まれているプランがほとんどですが、実際に選ぶと追加料金がかかるドレスの方が最新のデザインだったりしてステキに見えるものです。最初から追加料金を含めて予定しておくためにも、追加料金について聞いておきましょう。金額によってはオーダーした方が安くなることもあります。また、グローブやドレス用下着、髪飾りやアクセサリーはレンタルに含まれていないこともあります。レンタルの範囲についても確認しておくといいでしょう。

追加をする場合、都道府県民共済や外部のお店を利用した方が安いこともあります。ですが、会場以外のお店等に発注して持ち込む場合、会場に支払う持込料金がかかることもあります。結婚という大切なイベントであるため、一度会場を決めると変更は難しいのが実情です。確認するベストタイミングは、契約する前だといえます。

費用が足りない場合

多くの会場では、披露宴やパーティーの前に費用を支払う必要があります。当日、ご祝儀をいただけるとしても、自分達たちで立て替えなくてはいけません。その費用が足りない場合、ブライダルローンを利用することも検討しましょう。

さまざま様々なブライダルローンがありますが、披露宴やパーティーの翌営業日に返済すると利息がかからなかったり、3ヵ月カ月以内に返済すると利息がかからなかったりするものもあります。会場が銀行と提携していることもあるので、まず会場に相談してみましょう。

また、お互いの実家が地方である場合には両家への挨拶に交通費もかかります。結婚に際して転居が必要な場合には転居費用もかかります。一方で、仏滅や赤口などのあまり好まれない日取りを選ぶことで会場費用が大幅に下がることもあります。大切なイベントだからこそ、事前に2人で優先順位と費用を考えながら結婚式への夢をふくらませてみてください。

国分さやか

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お金の教室 おさいふほんわか心もほんわか 代表
創価大学教育学部を卒業後、旧日本興業銀行の保険代理店や政府系金融機関に従事。"得をする方法を知りたい!"という一般生活者が多いものの、実は金融知識の不足から損をしている場面、しかも損をしていることにすら気付かない場面があまりに多い現実に問題意識を抱く。これを解消することを決意し、金融教育に携わる仕事を希望してFPの資格を取得。金融資産が増やすことだけでなく、幸福度数も増えることを大切にしている。現在、個人相談業務と並行して、金融の基礎知識を学ぶためのセミナーやFP資格講座、高校・大学、企業への出張講義などで活動中。


2013年
・第4回日本一のマネー講師決定戦E1グランプリにてグランプリ受賞
・第4回FP向上のための小論文コンクールにて奨励賞受賞
2014年
・三省堂より初めての出版(その後、学研出版等より計5冊の出版)
・日本FP協会電話相談員
・資格の学校TAC専任講師
2015年
・NHKラジオ「午後のまりやーじゅ」「ごごラジ!」お金のコーナー担当
2016年
・日本FP協会パーソナルファイナンスインストラクター

<保有資格>:CFP、FP技能士1級、相続アドバイザー2級、小学校教諭第一種、幼稚園教諭第一種