2016年9月29日、東京都内の一部地域でサービスを開始したUber Eats。当時、注文できたのは約150のレストランの料理でした。それから10年。サービスは全国47都道府県へと行き届き、加盟店舗数は約14万店舗となりました。届けられるものもレストランの料理だけでなく、スーパーの食材やコンビニの商品、ドラッグストアの日用品などへと広がっています。

では、この10年間でUber Eatsはどのように変わり、私たちの食生活や買い物の仕方には、どのような変化が見られたのでしょうか。Uber Eats Japanが公表した10個のデータをもとに、振り返ってみましょう。

  • Uber Eatsの10年間の歴史を10個のデータで紐解いていきます

    Uber Eatsの10年間の歴史を10個のデータで紐解いていきます

【利用エリア】都内8区から47都道府県へ

Uber Eatsが日本でサービスを開始した2016年9月、対象エリアは東京都内の8区に限られていました。それから10年が経った2026年には、一部の離島を含む全国47都道府県にサービスを展開。2026年中にも、新たに約350市区町村でサービスの開始・拡大を予定しています。

当初は東京の限られた地域で利用できるサービスでしたが、現在では地方都市や離島にも展開するようになりました。地域によって利用できる店舗や商品は異なるものの、食事や買い物の選択肢として、デリバリーを利用できる場所が大きく増えたことがわかります。

【加盟店舗数】約150店舗から約14万店舗へ

サービス開始当初、Uber Eatsに加盟していたのは約150のレストランでした。それが2026年には約14万店舗(過去1カ月間に注文を受けた加盟店舗数)へと増加。単純計算すると、約933倍に拡大したことになります。

変化したのは店舗数だけではありません。現在はレストランに加え、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど、さまざまな業態の店舗が参加しています。かつては「外食店の料理を自宅で楽しむ」という利用が中心でしたが、現在では普段の食事の材料や日用品なども注文できるようになりました。

【配達パートナー数】約700人から約13万人へ

店舗数やサービスエリアの拡大とともに、配達を担う人の数も増えました。2016年当初、配達パートナーは約700人でしたが、2026年には約13万人(過去1カ月間に注文を届けた配達パートナー数)に。こちらも単純計算で約186倍です。

注文者と加盟店だけでなく、商品を届ける配達パートナーの存在も、サービスを支える重要な要素となっています。10年前には限られた地域で始まったデリバリーが全国へ広がるまでには、店舗や配達パートナーの参加が欠かせなかったことが数字からもうかがえます。

【累計注文数】2026年に10億件を突破

Uber Eatsが日本でサービスを開始してからの累計注文数は、2026年に10億件を突破しました。10年間の注文を単純平均すると、1日あたり約274,000件に相当します。

もちろん、サービス開始当初と現在では利用規模が大きく異なるため、実際に毎日同じ数の注文があったわけではありません。それでも、10年間で積み重なった注文の規模を実感できる数字と言えそうです。

注文されたのは、日々のランチや夕食だけではありません。家族との食事、仕事の合間の食事、買い物に行けない日の食材調達など、一つひとつの注文の背景には、さまざまな生活の場面があったのでしょう。

【累計配達距離】地球と太陽を7往復できる約21億km

10年間の累計配達距離は、約21億kmに達しました。これは、地球と太陽の間を約7往復できる距離に相当する計算となります。

一度の注文で届けられる距離は限られていても、それが全国各地で積み重なると、これほど大きな数字になるというのは驚きです。約21億kmという数字は、10年間にわたって注文された商品を届け続けてきた配達パートナーの活動規模を表していると言えるでしょう。

【注文頻度】月平均3回から5回へ

Uber Eatsの利用頻度にも変化が見られます。一人あたりの月平均注文回数は、2016年の3回から2026年には5回に増加しました。さらに、注文が最も集中する時間帯も変化しています。2016年にはランチタイムがピークでしたが、2026年にはディナータイムへと移りました。

サービス開始当初は昼食を注文する場面が中心だったのに対し、現在では夕食の選択肢としても利用されるようになったことがうかがえます。

【総合人気メニュー】定番料理に加え、牛丼や豚汁も

  • 【総合人気メニュー】ランキング

    【総合人気メニュー】ランキング

では、実際にどのような料理が注文されているのでしょうか。2021年1月から2026年8月までの注文データによると、最も注文された料理は「ハンバーガー」でした。続く2位は「チキンナゲット・フライドチキン」、3位は「牛丼」。さらに「フライドポテト」「豚汁」「カレーライス」などもトップ10に入っています。

ファストフードの定番メニューが目立つ一方で、牛丼や豚汁、カレーライスといった家庭の食卓でもなじみ深い料理が上位に入っているのは興味深いところです。

デリバリーというと、少し特別な食事を注文するイメージもありますが、注文データからは、普段の食事に近いメニューが幅広く選ばれている様子が見えてきます。

【中小規模加盟店の人気メニュー】ナンや麻辣湯などが人気

  • 【中小規模加盟店の人気メニュー】ランキング

    【中小規模加盟店の人気メニュー】ランキング

中小規模の加盟店におけるメニュー別の注文数の成長率を見ると、トップ3は「ナン」「インドカレー」「麻辣湯」という並びになりました。

  • Uber Eatsの注文データに見る食のトレンド変遷

    Uber Eatsの注文データに見る食のトレンド変遷

そしてUber Eatsの注文データには、その時々の食のトレンドも表れています。2022年にはロゼトッポッキなどの韓国グルメが存在感を示しました。

2024年には麻辣湯(マーラータン)が成長率上位に登場し、2025年にはさらに人気が拡大。同年のUber Eats上半期トレンドランキングで1位となり、年間でも注目を集めました。そして2026年には、アサイーボウルやグリークヨーグルト、スマッシュバーガーなどが急成長しています。

デリバリーの注文履歴は、単に何が多く食べられたかだけでなく、どのような料理が新たに関心を集めているのかを知る手がかりにもなっています。

【スーパーの人気メニュー】「豚ロース薄切り」が1位に

  • Uber Eatsの導入は飲食店にどのような影響を及ぼしたのでしょうか

    Uber Eatsの導入は飲食店にどのような影響を及ぼしたのでしょうか

10年前との大きな違いの一つが、レストラン以外の商品も注文できるようになったことです。スーパーの商品に関する注文ランキングでは、1位が「豚ロース薄切り」、2位が「天然水」、3位が「牛乳」という結果になりました。さらに「きゅうり」「納豆」「もやし」といった身近な食材もトップ10入りしています。

デリバリーで注文されるのは、完成した料理だけではありません。自宅で料理をするための食材も届けられるようになっているのです。また、ドラッグストアでは「天然水」「ポカリスエット」「OS-1」がトップ3に入りました。

食事を注文するためのサービスが、食材や飲料、日用品を調達する手段としても使われていることがわかります。

【深夜の人気メニュー】真夜中の「背徳バーガー」が人気!

  • Uber Eatsの導入は飲食店にどのような影響を及ぼしたのでしょうか

    Uber Eatsの導入は飲食店にどのような影響を及ぼしたのでしょうか

Uber Eatsの使われ方を象徴するデータとして、深夜帯の注文ランキングも見てみましょう。

深夜0時から3時までの注文では、「ハンバーガー」が1位、「牛丼」が2位、「ポテト・ナゲットセット」が3位でした。真夜中という時間帯にも関わらず、意外とがっつり系メニューが上位に名を連ねています。そのほか、トップ10には「アイスクリーム」や「豚汁」もランクインしています。

しっかり食べたいとき、甘いものが欲しいとき、温かいものを口にしたいときなど、同じ深夜帯でも注文の目的はさまざまなのでしょう。時間帯や生活スタイルに合わせて、食事を選べるようになっていることも、現在のデリバリーの特徴の一つと言えそうです。

Uber広報に聞く「食とデリバリー」を取り巻く環境の変化

ここまで10個の数字を通じて、Uber Eatsのサービス規模や注文される商品の変化を振り返ってきました。東京の一部地域から全国へ、レストランの料理から日常の食材や日用品へ。数字を追うだけでも、この10年間でデリバリーの役割が大きく広がってきたことがわかります。

では、こうした変化をUber Eats自身はどのように捉えているのでしょうか。サービス開始から10年間で印象に残っている変化や、その転換点、そして次の10年の展望について、Uber Eats Japanの広報に話を聞きました。

「特別な食事」から「日常の買い物」へ――予想外だった利用者の変化

まず、この10年間で最も印象的だった利用者の変化について尋ねると、同社広報は「Uber Eatsが特別なときの食事だけでなく、日常のさまざまな場面で利用されるようになったこと」を挙げました。

「2016年のサービス開始当初は、レストランの料理を注文するサービスでしたが、現在ではスーパーの食材やコンビニ、ドラッグストアの商品まで、注文できるものが大きく広がりました。今回のランキングでも、スーパーでは『豚ロース薄切り』が1位となり、野菜や牛乳、飲料など、普段の買い物で選ばれる商品が上位に並んでいます」

また、ドラッグストアの注文データにも、利用シーンの広がりが表れていると言います。

「ドラッグストアでは水分・栄養補給に関連する商品が多く注文されており、日々の買い物から、体調を崩したときなどにも役立つ商品まで、Uber Eatsで注文されるものが多様化していることがわかります」

前半で紹介したランキングを改めて振り返ると、スーパーでは肉や野菜、ドラッグストアでは飲料や栄養補給関連の商品が上位に入っていました。こうした結果からも、完成した料理を注文するだけでなく、日々の生活に必要な商品を調達する手段として利用されている様子がうかがえます。

大きな転換点となったコロナ禍

それでは、こうした利用シーンの変化は、いつ頃から進んだのでしょうか。同社が一つの大きな転換点として挙げたのは、2020年前後のコロナ禍でした。

「コロナ禍を経て、デリバリーは特別なときに利用するサービスから、日常生活のさまざまな場面で利用されるサービスへと変化してきました」

もっとも、Uber Eatsではコロナ禍以前から、レストランの料理以外にも届ける商品の幅を広げる取り組みを進めていました。

「2019年にはコンビニエンスストア、2020年にはスーパーの商品の配達を開始しました。外出や買い物のあり方が変化するなかで、食料品や日用品などを自宅に届けてもらうことへのニーズが高まり、2022年にはドラッグストアチェーンとの提携も開始するなど、加盟店や取り扱う商品のカテゴリーを広げてきました」

コロナ禍によって外出や買い物を取り巻く環境が変わるなか、Uber Eatsもサービスの対象を広げてきたことがわかります。

「現在ではランチや夕食などの食事だけでなく、普段の買い物や急に必要なものができたときなど、さまざまな場面でご利用いただいています」

次の10年、食事や買い物の選択肢はどう変わる?

この10年間で、注文できる商品や利用できる地域が大きく広がったUber Eats。では、さらに10年が経った2036年には、私たちの食事や買い物の仕方はどのように変わっているのでしょうか。同社は今後について次のように展望を語ります。

「今後は、食事や買い物の選択肢がさらに広がり、必要なものを、必要なときに、より便利に手に入れられるようになっていくと考えています」

その実現に向けて、これまでのサービスの変化を振り返りながら、次のように続けました。

「この10年間で、Uber Eatsはレストランの料理だけでなく、食料品や日用品など、日々の暮らしに必要なさまざまな商品をお届けするサービスへと進化してきました。次の10年も、お客さまのライフスタイルやニーズの変化に寄り添いながら、加盟店や配達パートナーの皆さまとともに、より多くの選択肢と利便性を提供していきたいと考えています」

食事のデリバリーから始まったサービスが、日常の買い物にも利用されるようになったこの10年間。次の10年には、どのような商品を、どのような場面で届けてもらうことが当たり前になっていくのでしょうか。

10年間で変わったのは、届けられるものだけではない

2016年に東京都内の8区、約150店舗から始まったUber Eatsは、10年間で全国47都道府県、約14万店舗へと拡大しました。累計注文数は10億件を超え、注文される商品もレストランの料理から、スーパーの食材やコンビニの商品、ドラッグストアの日用品へと広がっています。

一方、注文データを見ると、人気メニューの上位にはハンバーガーや牛丼など、昔から親しまれてきた料理も並んでいます。新しい食のトレンドが生まれる一方で、日常の定番メニューも引き続き選ばれていることがわかります。

Uber Eats Japanの広報はこの10年間の大きな転換点として2020年前後のコロナ禍を挙げました。しかし、食事以外の商品の取り扱いはそれ以前から始まっており、デリバリーの利用シーンは少しずつ広がってきました。

こうして振り返ると、この10年間で変わったのは、届けられる商品の種類だけではなく、「いつ、どこで、どのように食事や買い物をするか」という選択肢だったのかもしれません。