基本的に駐停車中の相手車に後方からぶつかった場合は、100:0の追突事故になります。しかしながら、前方の車が不必要に止まっていたなど、後方からぶつかっても100:0にならないケースもあります。100:0になるケースとならないケースを紹介します。また、事故現場で当事者がすべきことを紹介します。

100:0になる追突

100:0になる追突の中でも信号待ちの車に追突、渋滞中のノロノロ運転の際に前方者追突などはよくあるケースです。これらの原因の多くは前方不注意や車間距離が十分ではなかったことが挙げられます。100:0追突の王道パターンを確認し、事故が起きないよう心がけましょう。

停車中・信号待ちの車に追突

赤信号や一時停止のために適法に停止している先行車両に、後方からの追突は基本的に後続車10:前方車0となります。

前方の車は赤信号のため停止線で止まっており、後方からの追突を避けられようがありません。この追突の原因は、加害車両の前方不注意や車間距離不足の為、発生したと考えられます。

追突された側は、停止していた事実を示せるよう、事故現場の写真、信号の状況、ドライブレコーダー映像、目撃者の連絡先などを残しておくと良いでしょう。

渋滞中や低速走行中の車に追突

渋滞で停止している車や、渋滞により低速で進行している車に後続車が追突した場合、原則として後続車10:前方車0です。

渋滞や前方車の減速は運転中に想定すべき事情であり、後続車には安全に停止できる速度と車間距離を維持する義務があります。

前方車が渋滞中に停止したこと自体は通常の運転行動であり、前方車に特別な危険行為がなければ、過失が認められることは通常ありません。

通常走行中の前方車に追突

前方車が通常どおり走行しているところ、後続車が前方不注意や車間距離不足により追突した場合、基本的に後続車10:前方車0です。

前方車が走行中であっても、後続車は前方車の速度変化や停止に対応できるように運転しなければなりません。

ただし、前方車が不要な急ブレーキをかけた、急な進路変更で後続車の進行を妨害したなど、事故原因となる危険な運転をしていた場合は例外となります。

高速道路で前方車に追突

高速道路でも、通常走行中または渋滞中の前方車に後続車が追突した場合、後続車10:前方車0が基本です。

高速道路では走行速度が高く、後続車には一般道以上に十分な車間距離と前方注視が求められます。

一方で、高速道路上で理由なく急ブレーキをかけた場合や、やむを得ない事情なく本線上に停止していた場合には、前方車側の過失が問題となることがあります。高速道路では不適切な停止が重大事故につながりやすいため、前方車の行動が厳しく評価される傾向があります。

100:0にならない追突

一見100:0と思っても、事故の原因となった動作に何らかの事情があった場合など、100:0に修正が入り100:0にならないケースもあります。当事者としては、100:0だと思うことも、最終的には過失割合が割れるケースがあります。過失修正が入り100:0の追突にならないケースを紹介します。

前方車が不要な急ブレーキをかけた

道路交通法では、危険防止のためやむを得ない場合を除き、急ブレーキをかけることを禁止しています。
前方車が後続車を威嚇する目的や、信号の見誤り、操作ミスなどにより不要な急ブレーキをかけ、その結果として追突事故が起きた場合は、前方車にも過失が認められる可能性があります。

もっとも、歩行者や自転車の飛び出し、落下物の回避、前方車の急停止への対応など、危険を避けるために必要だった急ブレーキであれば、前方車の過失は認められにくいといえます。急ブレーキに至った経緯を判断するため、ドライブレコーダー映像が特に重要です。

駐停車禁止場所や危険な方法で駐停車

前方車が道路の左端に適切に駐停車していた場合、追突した後続車の過失が100%となるのが基本です。しかし、駐停車禁止場所に停車していた、車体が走行車線にはみ出していた、夜間に灯火をつけずに停車していたなど、駐停車の場所や方法が危険だった場合は、駐停車車両にも過失が認められることがあります。

特に高速道路では、故障などのやむを得ない事情がない限り駐停車が禁止されています。やむを得ず停止する場合でも、ハザードランプの点灯、停止表示器材の設置、安全な場所への避難など、後続車への注意喚起が必要です。

複数台の玉突き事故

玉突き事故では、車両ごとに衝突の順序と原因を確認する必要があります。最後尾車が中間車に追突し、その衝撃で中間車が前方車に押し出された場合、最後尾車が前方の複数車両への損害について主な責任を負うことがあります。

一方で、中間車が先に前方車へ追突し、その後に後続車から追突された場合は、中間車にも前方車への事故責任が生じます。玉突き事故では、どの車が最初に衝突したかが過失割合を左右するため、映像、損傷位置、警察の実況見分、目撃者の証言などが重要になります。

速度超過や脇見運転などの著しい過失・重過失

基本過失割合を修正する事情として、著しい過失や重過失が考慮されることがあります。
著しい過失・・・著しい脇見運転、酒気帯び運転、著しい操作ミス、一定程度以上の速度超過など
重過失・・・居眠り運転、無免許運転、酒酔い運転、著しい速度超過、薬物の影響により正常な運転が難しい状態での運転など。

これらの事情がある場合、過失割合が加算修正される可能性があります。

ただし、どの程度修正されるかは、事故類型、道路状況、速度、視界、回避可能性などにより異なります。違反行為があっただけで一律に同じ割合が加算されるわけではありません。

加害者がやること

追突加害事故を起こしてしまった場合、保険会社が窓口になって相手方と賠償について交渉を進めてくれます。しかし、まずは加害者本人が被害者の方へお見舞いの言葉をかけたりと、道義的な責任を果たすことも必要です。事故発生時の対応によって円満な事故解決に繋がることもありますので、誠実な対応を心がけましょう。

ケガ人の救護

運転者には、救護措置義務があります。怪我人がいる場合は、直ちに運転を停止して負傷者を救護し、危険防止措置をとる必要があります。緊急を要する治療が必要な場合は、救急車を呼んでください。軽いケガの場合は、病院まで付き添ってあげるとよいでしょう。

連絡先の交換

まずは氏名と連絡先の交換をし、加入している保険会社を伝えましょう。
もし、現場が慌ただしく余裕がない場合は、最低限相手方の氏名と連絡先だけ確認できれば問題ないです。足りない情報は後に保険会社から相手方へ確認します。

余裕があれば以下の相手情報を確認しておくとよいです。

相手車両情報(ナンバープレート、車種、車体色)

相手情報(連絡先、住所)

相手車入庫先

相手車損傷個所

保険会社に連絡

相手方の情報を確認したら、保険会社へ事故報告しましょう。まだ修理金額も分からないし保険を使うか迷っているといった方も、連絡しただけでは保険を使ったことにはならないので、まずは保険会社へ連絡して事故の受付を済ませましょう。

また、保険会社への連絡は現場対応が済んでからで問題ないです。レッカーや救急車が必要など緊急を要する場合は、現場対応を優先させましょう。

被害者がやることは?

突然の自動車事故の被害に遭われ、気が動転してしまったり、不安な気持ちがあるかもしれません。基本的には10:0の被害事故であれば相手方の保険会社が、100%の賠償責任で対応してくれます。その相手方保険会社から案内がありますし、分からないことがあればその担当者に相談すると良いでしょう。

車は問題ないか

車は問題ないでしょうか。異音がしたり、現場で自力走行が難しい状態の場合は、ご自身の保険会社の担当者に相談しましょう。無理やり走行するのは、危険ですのでまずはレッカーが必要かどうかの相談も含めてロードサービスの担当者もしくはJAFに相談しましょう。

被害者なのに自分の保険会社のロードサービスを使わないといけないの?と思うかもしれませんが、ロードサービスだけ使用しても等級・保険料に影響なく利用できますし、ご自身の保険会社のロードサービスを利用した方がスムーズにやり取りされます。まずはご自身の保険会社のロードサービスに相談するのが良いでしょう。

首に違和感があったら病院へ

追突事故が発生した際に、首のむち打ちはよくみられる症状です。首に違和感を感じたら、念のため早めに病院へ行くことをおすすめします。病院受診した際には、加害者側の保険会社担当者に病院受診した旨と医療機関を伝えましょう。なお、事故の緊張がほぐれてから症状が出る方もいらっしゃいます。違和感を感じたら、念のために医師に診てもらうのが良いでしょう。

かかった治療費は?

治療費は、お立替のうえ領収書を保管しておきましょう。もし手持ちがない場合は、相手方保険会社の担当者に相談するとよいでしょう。

してはいけないこと

金銭的なお約束や賠償のお話は、今後のトラブルのために控えましょう。もし、相手方から過大な賠償を請求されてしまい、賠償の約束をしてしまった場合、示談が難航するかもしれません。

加害者が賠償する範囲は、法律上の賠償責任が及ぶ範囲のみであり、それ以上・以外のことを請求されても賠償する必要ありません。相手の過大請求に口約束してしまった場合、示談交渉が出来なくなる可能性があります。

万一相手方からまだ決まっていない過失割合のことやいくら払ってもらえるかなどといった賠償に関する内容を問われてしまった場合、「保険会社に任せている為、分からない」などと伝え、お約束はしないよう注意しましょう。

保険金支払いまでの流れ

事故発生から示談完了、保険金・賠償金の受け取りまでの大まかな流れを紹介します。

契約者 相手方 加害者側の保険会社

事故発生

警察への届出

救急車の呼び出し

レッカー要請

保険会社へ事故の連絡

車を修理工場へ預ける。

病院への受診。

担当者からの連絡
・詳細な事故状況・修理工場の確認
・お怪我の状況・治療費のお支払い方法の確認
・お支払いの対象になる保険金のご案内。

修理工場と修理についての打合せ

医療機関へ治療費についての案内

契約者へ請求関係書類のご送付

修理完了

責任割合の決定

必要書類の提出

責任割合の打合せ
・責任割合の交渉
・修理工場と修理金額の打合せ

怪我がある相手方への連絡
・相手方へ定期的な連絡
・治療費・休業損害などのお支払い

契約者への連絡
・途中経過
・示談前打合せ

支払額の算出

示談交渉・示談成立
当事者双方が損害費用・金額・賠償金額について了解すれば、示談合意。
契約者へ示談書の送付、保険金のお支払い
相手方へ賠償金のお支払い

保険金の受取

対人・対物の場合、示談書の受取

損害賠償金受領

よくある質問

対物のみの場合、慰謝料請求できる?

慰謝料とは、苦痛や悲しみなど精神的損害に対する損害賠償金のことです。
物損のみであれば、苦痛や悲しみを感じる精神がないことから、慰謝料が生じることはなく、物の時価額限度の賠償となります。したがって、物損のみの事故の場合、被害者の方から慰謝料を請求されても応じる必要はありません。

物損扱いでも保険の対人対応はしてくれる?

物損扱いで処理されても、人身傷害と対人賠償責任の対応は問題なくしてくれます。
保険会社の対応と警察の対応は関係ない為、物損扱いでも人身扱いでも保険でも人身対応や人身傷害の対応は変わらずしてくれます。
例えば、物損扱いだからといって対人賠償保険が使えないなどといったことはありません。

事故証明がないと保険は使えない?

交通事故証明がなくても、保険対応は可能であり、保険金の受取に影響が出ることはありません。事故証明を発行していなくても、必要に応じて保険会社が発行する為、なくても問題ないです。

被害者の方に後日挨拶にいきたい。

体調を心配して挨拶に伺うのは、心象も良くなりますし問題ないです。必須ではないですが菓子折りを持参する場合には、2,000円~3,000円程度のものが一般的と言われています。なお、伺った際には金銭的な約束や賠償の話は控えるようにしましょう。問い詰められてしまったら、保険会社の担当者に確認するように伝えましょう。

まとめ

必ずしも全ての追突が100:0になる訳ではありません。後方からの追突であれば、ほとんどのケースで100:0になりますが、過失修正が加わって責任割合が割れるケースもあります。現場で当事者としては"絶対に100:0だ”と思ったとしても、後のトラブルを避ける為に現場では過失割合や金銭の話は控えましょう。責任割合の判断や賠償の話は、保険会社の担当者に委ねることが円満解決に繋がります。

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