豪雨で半壊した住宅の約9割「支援金」の「対象外」…!?「水災補償」の確認ポイントを解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。9月24日(木)放送のTOKYO FM「ONE MORNING」の「リポビタンD TREND NET」では、8月に発生した「令和8年8月千葉豪雨」を取り上げ、豪雨災害への備えについて学習院大学・非常勤講師の塚越健司さんが解説しました。
(※この記事は放送当時の内容です)


※写真はイメージです



ーー8月の千葉豪雨では、共同通信が千葉県内15市町を取材したところ、9月15日時点で住宅の「半壊」として罹災証明書が交付されたものが3,067件あり、このうち2,786件が通常の「半壊」と判定されていました。これは全体の約9割にあたり、被災者生活再建支援法による支援金の対象となる「大規模半壊」や「中規模半壊」などには該当しない区分です。

ただし、通常の「半壊」と認定された場合でも、行政から一切の支援を受けられないという意味ではありません。災害救助法に基づく住宅の応急修理や、自治体独自の災害見舞金、税の減免など、別の支援制度を利用できる場合があります。

■千葉豪雨で「半壊」の約9割が支援金の対象外

ユージ:千葉では8月、そして今週も台風の影響で豪雨の被害が出ています。

塚越:まず8月の千葉豪雨の被害を確認しますと、千葉県の各地で下水道の排水能力を超える量の雨が降ったことで、マンホールから水が溢れる「内水氾濫」と、また河川から市街地に水が溢れる「外水氾濫」が起きました。

千葉市では雨水対策重点地区で1時間あたり65.1mmを整備水準として対策を進めてきましたが、8月の豪雨では1時間で115mmの降水量となり、こうした想定を上回る雨によって、内水氾濫などの被害が大きくなってしまったというわけです。

また、今回の台風25号の大雨でも、千葉県ではレベル5の「緊急安全確保」の避難情報が発令された地域もありました。

──そんな中、豪雨災害で家が半壊しても、被災者生活再建支援金の対象外となるケースがあることについて、塚越が解説しました。

塚越:共同通信によりますと、8月の豪雨災害で、9月15日時点までに住宅の「半壊」として罹災証明書が交付されたものは3,067件ありました。損害の程度に応じて、「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」などに区分されますが、今回、そのうち2,786件が通常の「半壊」と判定され、被災者生活再建支援法による支援金の対象外となりました。全体の約9割にあたります。

──被災者生活再建支援法では、住宅の被害程度などに応じて、全壊、大規模半壊、中規模半壊などの世帯が支援金の対象となります。一方、通常の「半壊」は、同法に基づく支援金の対象区分には含まれません。

また、大規模半壊、中規模半壊、半壊と認定された住宅を、倒壊による危険を防止するためなどのやむを得ない事情で解体した場合は、「半壊等解体世帯」として支援金の対象となる場合があります。

(※)ここでいう「支援金」は、被災者生活再建支援法などに基づく生活再建のための支援金を指します。通常の「半壊」は、被災者生活再建支援法による支援金の対象区分には含まれませんが、住宅の解体や応急修理、自治体独自の支援など、別の制度の対象となる場合があります。

──ただし、「通常の半壊」と認定された場合でも、行政から一切の支援を受けられないという意味ではありません。

今回の千葉豪雨では、被災者生活再建支援法による支援とは別に、災害救助法に基づく住宅の応急修理について、半壊や準半壊も対象となっています。住宅の日常生活に必要不可欠な部分を応急的に修理する制度で、一定の要件を満たす場合に利用できます。修理費用は市町村が修理業者に直接支払う仕組みで、限度額を超えた分などは自己負担となります。

また、自治体独自の支援制度を利用できる場合もあります。例えば千葉市では、今回の豪雨について、全壊世帯に5万円、大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊世帯に3万円の災害見舞金を支給しています。

塚越:ただし、災害救助法に基づいた応急修理や、自治体独自の見舞金とか、税金や保険料の減免などが出る場合もあります。これらは自治体によって異なりますので、被災した方はもちろん、そうでない方も検索してみてください。

──千葉県でも、今回の豪雨による被災者を対象に、県税の減免や申告・納付期限の延長などを実施しています。

■川から離れていても「内水氾濫」に注意

──続いて、豪雨への備えとして「水災補償」について聞きました。

ユージ:では、豪雨に備えて災害保険はどうすればいいですか?

塚越:まず、火災保険に入っている人は多いと思いますが、これに水災を補償するタイプのものがあります。ただし、水災補償のないものや、外している場合があるので注意が必要です。水災補償がついていれば、河川の氾濫だけでなく、下水などが溢れる内水氾濫も対象になる場合があります。

この「内水氾濫」は川から離れた場所でも起きます。「うちは近くに川がないから」と水災補償を外している方もいると思いますが、今回ここが大事なんですよ。

さらに、床上浸水や浸水の深さ、損害の割合など、保険金が出る条件は契約によって異なりますので、なかなかここが難しいですよね。

(※)内水氾濫は、河川から離れた都市部でも起こり得ます。また、火災保険の水災補償で補償される場合がありますが、補償の対象や支払い条件は契約によって異なります。

塚越:なので、まずは火災保険に水災補償がついているか、どこまでの補償なのかを確認していただければと思います。ネットの検索だと比較検討も難しいと思うので、手軽にやりたい方は生成AIに、個人情報や証券番号などは隠した上で補償内容を読ませて、「これどういう条件なの?」「水災補償ついてるの?」など、整理してもらうのも一つの方法だと思います。ただし、最終的には保険会社や代理店などに確認が必要だと思います。

──日本損害保険協会も、火災保険の水災補償について、洪水や内水氾濫などを補償対象とできる一方、具体的な補償内容は契約によって異なるため、保険会社や代理店への確認を呼びかけています。

■被災したら、片付ける前に写真を

──では、実際に住宅が被害を受けた場合、まず何をすればいいのでしょうか。

ユージ:豪雨災害で家に被害があった際に、まずするべきことは何でしょうか?

塚越:災害時は命を守ることが最重要です。水が引いた後、片付けに入る前に写真を撮るなどの記録が大事です。

家の外側を4方向から撮る。浸水の高さがわかるように、メジャーなどを使って一緒に写真を撮るということです。屋内でも、床とか壁、家財の被害がわかるように、部屋ごとに写真を残す。

こうした写真は保険金だけでなく、罹災証明書の申請や各種支援の手続きにも役立ちます。あとは、保険会社や、賃貸の場合は大家さんや管理会社に連絡します。市区町村では罹災証明書を申請してください。支援金や税金の減免などに必要になります。

──千葉県も、今回の豪雨による被害について、写真などで被害状況を記録しておくよう案内しています。罹災証明書は市区町村が住家の被害程度を調査・確認したうえで交付するもので、各種の被災者支援制度を利用する際に必要となる場合があります。

塚越:被災されるとやはりショックも大きいです。すぐに行動するのが難しいと感じる方もいらっしゃると思います。今、お話しした情報をこれから何かあったときに、思い出せるように覚えておいていただければと思います。

やることはたくさんありますが、私がいいなと思うのは、生成AIを使って「何が必要か」を聞いてみることです。被災した直後は電池の心配もあるので状況にはよりますが、AIと会話しながら、やるべきことを1つずつ確認していくのも重要だと思います。

また、ご自宅のハザードマップで想定される被害などをチェックしておくことが重要です。

(※)被害状況を撮影した写真は、罹災証明書そのものになるわけではありません。罹災証明書は市区町村が住家の被害程度を調査・確認したうえで交付するものです。写真は、被害状況の確認や罹災証明書の申請、保険金請求などに役立つ資料となります。被害を撮影する際は、安全を確保したうえで行ってください。

──最後に、ハザードマップを確認し、起こり得る被害を想定して、今のうちから備えておくことの重要性をユージがあらためて語りました。

ユージ:想定しうる状態をハザードマップでまず確認して、この傾向があるからこれに備えたものを用意しておこうとか、できることを今のうちに備えておいたらいいかもしれないですね。


吉田明世、塚越健司さん、ユージ



<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/
番組公式X: @ONEMORNING_1