年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、老齢基礎年金を繰り下げると、振替加算も増額されるのかについての質問です。※サムネイル画像:PIXTA

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、老齢基礎年金を繰り下げると、振替加算も増額されるのかについての質問です。

◆Q:老齢基礎年金を繰り下げると、振替加算も増額されますか?

「65歳から受け取れる老齢基礎年金を繰り下げようと考えています。振替加算を受け取れる場合、老齢基礎年金と一緒に振替加算も1カ月につき0.7%ずつ増額されるのでしょうか?」(匿名さん)

◆A:振替加算は繰り下げによる増額の対象になりません。また、繰り下げ待機中は振替加算を受け取れません

老齢年金は、原則として65歳から受け取れますが、66歳以降に繰り下げて受け取ることもできます。繰り下げると、繰り下げた月数に応じて1カ月につき0.7%ずつ年金額が増額され、その増額率は生涯変わりません。

ただし、老齢基礎年金に振替加算が加算される人の場合、振替加算は繰り下げによる増額の対象にはなりません。つまり、老齢基礎年金を繰り下げて年金額が増えても、振替加算の金額まで同じ割合で増えるわけではありません。

もう1つ注意したいのが、老齢基礎年金を繰り下げている間は、振替加算も受け取れないことです。

振替加算は老齢基礎年金に加算されるため、老齢基礎年金を繰り下げて受給していない期間については、振替加算だけを先に受け取ることはできません。なお、繰り下げ受給を選んだ場合、繰り下げ待機中の振替加算が後からまとめて支給されることはありません。

そのため、振替加算を受け取れる人が老齢基礎年金の繰り下げを検討するときは、繰り下げによって老齢基礎年金が増えるメリットだけでなく、待機している間は振替加算を受け取れないことも考慮して、受給開始時期を検討するとよいでしょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

文=All About 編集部