分担金は世界3位…“加盟70周年”日本が「国連」を重要視する3つの理由とは?
杉浦太陽と松井玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。

9月13日(日)の放送テーマは、「世界をひとつに! 国連ってどんなところ?」。外務省国連課の原琴乃(はら・ことの)さんから、国連の役割と取り組みについて話を伺いました。


(左から)松井玲奈、原琴乃さん、杉浦太陽



◆日本が国連を必要とする3つの理由

国際連合(通称:国連)は、第二次世界大戦後の1945年に「もう大きな戦争を繰り返さないように」という思いからつくられた国際機関です。現在では、世界の平和や経済発展だけでなく、貧困、教育、感染症、気候変動、防災など、1つの国だけでは解決できない課題について、世界の国々が知恵や情報、お金や人を出し合って協力する場となっています。ちなみに、国連の加盟国は発足当初の51ヵ国から193ヵ国に増え、日本が参加したのは1956年で80番目でした。2026年は日本の国連加盟70周年という節目の年にあたります。

国連に加盟するには、加盟国の権利や義務などを定めた「国際連合憲章」という基本的な文書で定められた約束ごとを守ることを誓い、国連総会で認められる必要があります。

加盟国の具体的な役割の1つが、国連の活動に必要な費用を分担することです。分担金は、それぞれの国の経済力などに応じて決められており、これによって国連のさまざまな活動が支えられています。なお、日本の2026年の分担金はアメリカ、中国に次いで世界3番目の額です。それだけ、日本は国連を重要な機関として位置づけています。では、なぜこれほどまでに国連を重要視しているのでしょうか。原さんは、その理由を大きく3つにわけて整理します。

その①【日本の考えに賛同してくれる国を増やす場になる】

例えば、北朝鮮問題は日本にとって非常に重要な課題ですが、国によっては、日本ほど身近で切実な問題ではないこともあります。原さんは「そんな課題に対して、国連の場を通じて日本の立場や考え方を世界の国々に丁寧に説明し、理解してもらうことで、日本を後押ししてくれる仲間を増やすことができます」と解説します。

その②【世界のルールづくりに参加できる】

気候変動や海、宇宙など、国をまたぐ問題については、国連で話し合われることも少なくありません。そこで、「日本が議論に加わることで、日本の考えもルールに反映させることができます」と原さん。逆に参加ができないと、日本にとって不利なルールが設けられる恐れがあるため、日本が国連に参加することは大きな意味を持ちます。

その③【地球規模の問題に各国と協力して取り組める】

この理由について、原さんは「気候変動や感染症などは、1つの国だけで対応するには限界がありますが、国連があることで、多くの国がお金や人、知恵、情報を出し合って協力することができます」と説明します。

その役割が発揮されたのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。その頃にニュースで耳にする機会が増えたWHO(世界保健機関)も、国連の専門機関の1つです。コロナ禍では、世界中の感染状況を集めて情報を共有したり、感染拡大を防ぐために各国が取るべき対策の指針を示したりしました。さらに、ワクチンや検査キットなど必要な物資を世界の医療従事者に届ける活動もおこないました。

また、原さんは「WHO以外の国連機関でも、学校に通えなくなった子どもへの教育支援や食料不足への対応など、コロナ禍が社会に与えたさまざまな課題に取り組みました」と補足します。

◆身近な暮らしを支える国連の専門機関

ひと口に国連と言っても、その組織は1つではありません。「WHOの他にも国連には多くの専門機関や関連機関があり、それぞれが国際協力を進める具体的な活動をおこなっています」と原さんは紹介します。

その1つであるPKO(国連平和維持活動)は、戦争や紛争が起きた地域の人々が平和な暮らしを取り戻せるよう支援する取り組みです。停戦が守られているかの確認、道路や橋などのインフラ整備、選挙の実施、警察の育成などをおこない、安心して暮らせる社会づくりの後押しをしています。

さらに、国連の取り組みで馴染み深いものとして挙げられるのが「SDGs(持続可能な開発目標)」です。2030年までに貧困や飢餓をなくすこと、すべての人が質の高い教育を受けられるようにすること、気候変動への対策を進めること、男女が平等に活躍できる社会をつくることなど、「世界をもっと暮らしやすくするための17の目標」が掲げられています。

ほかにも、教育や科学、文化を通じて平和な世界を目指すユネスコ(UNESCO)や、世界中の子どもたちの命と健康、未来を守るための活動をおこなうユニセフ(UNICEF)、貧しい農村で暮らす人たちが安定した収入を得られるように支援するIFAD(国際農業開発基金)、さらに、紛争や災害などで食料を必要としている人たちに届ける活動をおこなうWFP(世界食糧計画)も国連の機関です。

こうした活動に加えて、実は私たちの日常生活により身近な分野でも、国連の専門機関が役割を果たしています。

その一例として、原さんはUPU(万国郵便連合)を挙げ、「UPUは、世界中で手紙や荷物をやり取りできるように国際郵便のルールをつくったり、郵便サービスをより便利にするための話し合いをおこなったりしています。私たちが海外へ手紙や荷物を当たり前のように送れるのも、この機関があるからなのです」と解説します。

同じように、飛行機が世界中を安全に飛べるよう、国際的なルールをつくっているICAO(国際民間航空機関)も国連の専門機関の1つです。

◆国連で働く日本人を支えるJPO制度

現在、国連の機関では約1,000人の日本人が働いています。ちなみに、先ほど紹介したUPUやICAOは現在、日本人がトップを務めています。さらに、外務省では、今後より多くの日本人が国際機関で活躍できるようJPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)派遣制度の活用をすすめています。

この制度について、原さんは「参加する国の政府が費用を負担し、若い人材を国連などの国際機関へ派遣します。35歳以下の方が対象で、2年間、実際に国際機関で働きながら経験を積むことができます」と紹介します。

国際機関の仕事を実践しながら専門性を身に付けられるため、その後、正規職員として採用される人も少なくありません。実際に、現在、国連機関で活躍している日本人の約半数がJPO出身者です。

最後に、原さんは「日本は国連の一員として、さまざまな国と協力しながら世界の課題に取り組んでいます。今回のお話をきっかけに、国連を“遠い世界の話”ではなく、私たち一人ひとりにも関わる存在として、関心をもってみてください」と呼びかけました。

番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「国連」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は“世界共通のルールを作る国連!!”と注目ポイントを挙げました。続いて、杉浦は“国連って身近な存在 関心を持ってみてね”とスケッチブックに書き、「国連について詳しく知りたい方は、外務省のWebサイトをご覧ください。日本の国連加盟70周年特設ページもすぐに見つかります」とコメントしました。


(左から)松井玲奈、杉浦太陽



<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm