AlbaLinkは8月24日、「地方移住に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2026年7月30日~8月7日、都市部に住む472人を対象にインターネットで行われた。
住みたい地方移住先1位は長野県
「住みたい地方移住先」の第1位は「長野県(10.4%)」だった。2位「沖縄県(9.3%)」、3位「北海道(7.8%)」、4位「静岡県(7.4%)」が続く。都市部在住の人が対象のアンケートということもあり、自然豊かなイメージのある都道府県が人気を集めた。一方で、福岡や千葉、兵庫など、地方でありながら便利さを期待できる都道府県も上位に入った。
1位「長野県」を選んだ人の声
- 「軽井沢町。東京へのアクセスを保ったまま、自然の多い環境で暮らせるところに魅力を感じるからです。仕事は在宅でできるため、普段は静かな場所で集中し、必要なときだけ都心に出られる立地が理想でした。避暑地として知られていて夏も過ごしやすく、季節を感じながら生活できそうな点にも惹かれています」(20代 男性)
- 「長野県佐久市。都内まで通勤できることと、移住に積極的な市として知られているからです。昨年の10月に移住体験会に行ってきました。1泊2日で地元の方や移住者の体験談を聞けました。市の方も説明に加わり、学校や病院、スーパーなどの生活インフラについて知れました」(40代 男性)
- 「長野県松本市。自然が豊かで、夏でも比較的涼しく過ごせる点に魅力を感じています。生活に必要な施設がそろっていて不便がなく、子育て環境も整っています。都市と自然のバランスが良く、移住後の生活をイメージしやすい場所だと思ったからです」(50代 女性)
長野県のメリットとして、「自然」と「都心部へのアクセスの良さ」を挙げた人が多くなった。山や森に囲まれた自然豊かで景色の良いイメージがありながら、都市部に出やすいのが魅力。また避暑地として知られるエリアも多く、体調面で過ごしやすそうだと期待する人もいた。移住者の受け入れに積極的な市町村も多いため、移住先として検討しやすい面もあると考えられる。
2位「沖縄県」を選んだ人の声
- 「海や自然が身近にあり、ゆったりとした時間の流れの中で生活できそうだからです。暖かい気候も魅力で、休日には海を眺めたり自然を楽しんだりしながら、心に余裕のある暮らしをしてみたいと思います」(20代 女性)
- 「台風の時期は大変かもしれないが、南国で湖風に吹かれながらスローライフが楽しめるのではないかと思ったから」(40代 男性)
- 「観光客も多いので、外から来た人をおおらかに受け入れてくれそう。海がきれい。のんびり過ごせそう」(50代 女性)
沖縄県の大きな魅力は、「海をはじめとした自然」と「暖かい気候」。都会と比べて時間がゆっくり過ぎていくような、のんびりとおおらかなイメージに惹かれている人も多くいる。とくに都会のせわしなさに疲れている人や海が好きな人にとっては、魅力的な移住先だ。
3位「北海道」を選んだ人の声
- 「北海道函館市。食べ物が美味しく、ほどよい都会感があるから」(20代 女性)
- 「北海道釧路市。北海道ならではの自然があって、夏は涼しい一方で、雪はあまり多くないと聞くから。魚介も魅力的だし、空港もあるので東京などへのアクセスも良いから」(30代 女性)
- 「北海道札幌市。もともと雪国出身なので、冬に雪が降って生活利便性が良いところに住みたいから」(40代 男性)
北海道の魅力としては、自然や美味しい食材が挙げられている。夏の涼しさも魅力の1つ。北海道の中でも、札幌や函館など比較的大きな市を挙げた人も多くいた。「公共交通機関や商業施設が発達しているエリアなら、生活に不便なく暮らせそう」という期待が読み取れる。
4位「静岡県」を選んだ人の声
- 「地元の愛知から近いことと、東京からも近く移動しやすそうなイメージがあるから。かといって都会の感覚もないので、ほどよく便利でほどよく静かに暮らせそうなイメージがある」(20代 女性)
- 「静岡県静岡市。富士山が見える場所で暮らしてみたいという憧れがあるからです。また海や山などの自然が身近にありながら、普段の買い物などにも不便しなさそうで、長く暮らしやすそうだと思います。新幹線を利用すれば東京や大阪などの都市部へも行きやすいので、便利さと自然のバランスがちょうど良いと感じました」(30代 女性)
- 「静岡県富士宮市。仕事でよく行った場所なので、自宅の近くよりわかるくらい詳しくなった。少し離れると自然がいっぱいで静か。一方で住宅地にくるといろいろあり生活に困ることがない。移住できるものならすぐにでもしたい」(60代以上 男性)
ほどよくのどかで、ほどよく便利というバランスの良さから、静岡県を挙げた人も多くいる。エリアにもよるが、静岡は名古屋や東京、横浜などの大都市圏に比較的出やすいと考えられている。一方で富士山や海といった自然も豊か。不便すぎず、自然との距離も近いという点が、魅力になっているとわかる。
5位「福岡県」を選んだ人の声
- 「月に2回程度、仕事で福岡に行きます。ご飯がとても美味しく、居酒屋でも安くて美味しいところがたくさんあり、気に入っています。空港からのアクセスが良く、旅行で来た際にもギリギリまでまで遊べるためとても良い。便数も多く、東京や名古屋に行くのにも新幹線より安いときもあり、交通機関が発達している」(20代 女性)
- 「福岡市まで出ればわりと都会な暮らしもできるし、自然も豊かでゆったりしてるイメージがあるから」(30代 女性)
- 「福岡県福岡市。とにかく生活のバランスが最高だからです。東京や大阪ほど人が多すぎず、若者も多くて街に活気がある、絶妙なサイズ感が気に入っています」(50代 男性)
具体的な自治体としては福岡市が多く挙げられ、他に糸島市なども挙げられた。魅力的なポイントとしては、「自然もありながら便利さもある」「新幹線の駅や空港が使えて、長距離移動もしやすい」などがある。また福岡は海鮮や名物料理など食べ物が美味しいことでも知られている。4位の静岡同様に、バランスの取れた移住先として検討されていることがわかる。
6位「兵庫県」を選んだ人の声
- 「兵庫県明石市。子育てに手厚いから」(20代 女性)
- 「兵庫県神戸市北区。中心部からあまり離れず、自然豊かで昔ながらの里山があるからです。山々に囲まれているため、他の市町村よりも涼しいのもいいです」(30代 女性)
- 「兵庫県猪名川町。最寄駅から30分くらいで自然が広がるのに、ショッピングモールもあるので、普段の生活に困らないところ」(40代 男性)
兵庫県の瀬戸内海側は、比較的大阪に出やすく便利で、神戸も大きな街である。一方で県庁所在地の神戸市内でも自然豊かなエリアはあり、バランスが取れていると考えた人も多くいた。
明石市や西宮市を挙げた人からは、「子育てや教育に力を入れているイメージがある」という声も。子育てする場所として、移住先を選ぶ人もいるとわかる。
7位「宮城県」を選んだ人の声
- 「宮城県宮城郡松島町。海も自然もあって穏やかな気持ちになれる。JRも通っているため、意外と不便でない。通り道も狭いわけではないから、車も運転しやすい。何より海鮮が新鮮で美味しい」(20代 女性)
- 「宮城県仙台市。近年は夏の暑さが耐えられないので、なるべく涼しいところで、かといって冬は大雪の降らないところが良い。仙台なら都市で交通も便利で、田舎が苦手な私にとってはちょうど良い。海も近いのも良い」(40代 女性)
- 「宮城県仙台市。東北の中心都市で、東京と同じようなショップや飲食店がある。一方で温泉地やウィンタースポーツスポットまですぐに行けて、東京以上の充実した時間が過ごせそう。冬の寒さも昔ほどではなく、積雪も少ないと聞いている」(60代以上 男性)
具体的な市町村としては仙台市を挙げた人が多く、「都会で便利」「海や自然も近い」という声があった。
仙台市は東北地方の中心都市なので、東京ほどの規模ではないにしても、買い物などには不便がないと期待できる。「田舎すぎて不便な場所は避けたいが、自然へのアクセスが簡単だといいな」という希望に応えやすい街だと言える。また、海鮮や、寒い地方ならではの冬のレジャーも魅力だ。
同率7位「千葉県」を選んだ人の声
- 「千葉県流山市。流山おおたかの森など、都心部ほど栄えていないが静かにゆったり暮らせる場所だと思うから」(20代 女性)
- 「千葉県木更津市。海や山など自然豊かな場所であるし、東京湾アクアラインを利用すれば東京や神奈川にも行けるので選びました」(40代 男性)
- 「海沿いで涼しく、熱帯夜が少なく過ごしやすいと聞いたので移住するなら勝浦市だと決めています」(50代 女性)
千葉県は「東京に近いものの、東京ほどは人が多くなくて比較的静か」というイメージで選ばれている。またエリアによるが、海や山などの自然に近いのも魅力。
都会に近い便利さを維持しながら、静かな暮らしをしたいという希望をもつ人にとっては、魅力的な選択肢となっている。完全に地方に移住するというよりも、都心から少し外れるイメージだ。
地方移住に求める暮らしは「自然を感じられる」
都市部に住む人に聞いた「地方移住に求める暮らし」の1位は「自然を感じられる(33.9%)」。2位「のんびり過ごせる(26.7%)」、3位「生活費が安い(24.6%)」が続く。
具体的には、以下のような回答が寄せられた。
- 「人の多さから離れたストレスのない暮らし。豊かな自然が身近にある」(60代以上 男性)
- 「丁寧な生活に憧れているので、自給自足でいろんな料理を作りたい。都会ほど生活音も気にしなくていい土地で、ホームパーティーを定期的に開催できる暮らしがしたい」(20代 女性)
- 「家賃や人の多さに追われず、近所を歩けば季節の変化を感じられる暮らしがしたいです。必要なときは街の便利さも使える、無理のない生活が理想です」(30代 男性)
- 「まずは交通アクセスの良さを重視します。電車で移動しやすいことや、都内に行きやすいかどうか。また住宅費を抑えたいです」(40代 女性)
移住先には自然豊かでゆったりとした環境を求める人が多くなっている。移住する際には、都会のせわしない雰囲気や自然を感じられない環境から離れたいと考えているようだ。
また、生活費の安さや便利さといった現実的なポイントも挙げられている。コストがかかりすぎたり不便すぎたりすると、移住先での生活を続けられなくなる可能性があるためだ。
地方移住を考えるきっかけは「リモートワークが可能になる」
「地方移住をするとしたら、きっかけは何になりそうか」を聞いたところ、「リモートワークが可能になる(23.7%)」が1位になった。2位「子育てが一段落する(19.5%)」、3位「退職する(17.2%)」が続く。
リモートワークや退職など、仕事に関するきっかけを挙げた人が多くなっている。「移住資金が貯まる」も含め、移住先で経済的な不安なく暮らしていくには、収入や資金が必要となる。
また「子育てが一段落」や「結婚」など、家庭環境が変わることもきっかけになるとわかった。
移住したいという希望だけでは、仕事や子どもの学校といった現実的な問題をクリアするのは難しい現実がある。そのため、都市部にいなくてもよくなる状態になったときに、本格的に移住を検討する人が多いと考えられる。
1位「リモートワークが可能になる」
- 「仕事が完全リモートでできるとか、月1で戻ればいいとかになれば」(20代 男性)
- 「出社しなくても自宅で働ける仕事に変わったなら、移住を考えます」(30代 女性)
- 「完全にリモートで、安定的に働ける状態になったとき」(40代 女性)
都市部で働いている人が地方に移住すると、職場が遠くなって通勤が大変になってしまう。通勤を楽にしようと思うと、移住先の近くで新しい仕事を見つける必要があるものの、簡単に希望の仕事が見つかるとは限らない。
そのため、リモートワークができるようになることを移住のきっかけとして挙げた人も多くなった。安定的にリモートワークができて十分な収入を得られれば、都市部に住む必要性が低くなり、経済的な不安も減る。
2位「子育てが一段落する」
- 「子育てが終わって、自分の責任だけで生きられるようになったら」(20代 男性)
- 「子育てが終わって夫婦二人になって、時間の融通が利くようになってから」(40代 男性)
子育て中は、「子育てに適している場所」や「子どもの学校に近いところ」に住みたいと考える人が多くいる。親の希望だけで住む場所を決めにくい現実があるようだ。
しかし子育てが一段落して子どもが独立すると、居住地の自由度は高まり、夫婦二人が気に入った場所に移りやすくなる。
3位「退職する」
- 「仕事をリタイアしたあと、ゆっくりのんびり老後を過ごすタイミングで移住を考えたいです」(40代 女性)
- 「今勤めてる会社を何らかの事情で辞めることになった場合に、移住を検討するかもしれません」(40代 男性)
退職すると仕事のために都市部に住む必要がなくなる。そのため仕事のために都市部に縛られていた人も、退職をきっかけに移住を検討しやすくなるようだ。
また「定年退職したあと、老後をゆっくり過ごしたくなったら」という声も多くあった。老後は自然豊かな地方で暮らしたいと考える人も多いとわかる。
4位「移住資金が貯まる」
- 「資産がある程度貯まって、忙しく働かなくても生活ができるようになったら」(30代 男性)
- 「家を買えるぐらい貯金できたら」(40代 女性)
- 「移住する資金ができたとき」(50代 男性)
移住する際には、引っ越し費用や住居費などが必要になる。また地方での生活コストは安いと思われがちだが、車の維持費などでお金がかかることも。
経済面での心配があると安心して新生活を始められないので、十分な資金を準備できたら移住を検討したいと考えている人もいる。
5位「都会での生活に疲れる」
- 「ある程度年を取り、都会の喧騒に身を置くことに限界を感じたら、地方への移住を考えることはあるかもしれません」(20代 男性)
- 「満員電車や都会の騒がしさに疲れて、生き方を見直したくなったときです」(40代 男性)
もう都会には住みたくないと感じることが、地方移住のきっかけになるという人もいた。都会に疲れる理由としては、「騒がしい」「満員電車などで人が多い」「治安面で不安がある」「せわしない」などが挙げられている。
都会とは違う、広々してゆったりしたところで暮らしたいという気持ちがきっかけになるようだ。
6位「生活費を抑えたい」
- 「現状の稼ぎでは生活が苦しい。都市部では納得できるマイホームが作れなかったり、高かったりする」(30代 男性)
- 「生活費節約」(40代 女性)
- 「生活費が苦しいとき」(50代 男性)
都市部の物価が高いため、「生活が苦しい」「生活費を抑えたい」という気持ちが、地方移住のきっかけになることもある。とくに都市部では土地の値段や家賃が高いため、住居費を抑えたい人によっては、地方移住は魅力的な選択肢だ。
ただ自家用車が必要になるエリアでは、車の維持費などにお金がかかることも。トータルの生活費が安くなるのかについては、慎重な検討が必要となる。
7位「結婚する」
- 「結婚したら一度考えると思います。『子どもは自然豊かなところで育てたいな』と考えているので」(20代 女性)
- 「『転職』『結婚』『出会い』など、人生の中で起こる大きなイベントがきっかけになるかと思います」(20代 男性)
- 「結婚や出産など、大きなターニングポイントがきっかけだと思います」(30代 女性)
結婚したときに、将来的な子育てを考えて、地方移住を検討する人もいる。子どもを自然豊かな地方で育てたいと考える人も多い。
ただ学齢期になると「学校まで遠い」「学校の選択肢が少ない」といった問題も起こりかねない。通える範囲にある教育機関については、移住前に調べておく必要がある。


