株主優待を新しく始める企業が相次いでいます。なかには2026年9月末から初めて優待を実施する企業もあり、今年から優待を受け取れる点は注目です。今回は、新設された9月優待の中から、内容の異なる3銘柄を紹介します。※サムネイル画像:PIXTA

◆新設優待は「今年からもらえる」が魅力

株主優待というと、何年も制度を続けている企業を思い浮かべるかもしれません。しかし最近は、株主への還元強化や個人投資家に長く株式を保有してもらうことなどを目的に、新たに株主優待を導入する企業もみられます。

特に注目したいのが、2026年9月末から優待をスタートする企業です。新設優待であれば、これから株式を購入する人にもチャンスがあります。ただし、必要な株数や長期保有条件などは企業によって異なるため、「9月優待だから100株買えばいい」と考えず、条件を確認することが大切です。

今回取り上げる3銘柄は、デジタルギフト、QUOカード、選べるポイントと優待内容にも違いがあり、自分に合ったものを選べます。

◆大崎電気工業<6644>

大崎電気工業<6644>は、電力量計などを手掛ける計測・制御機器メーカーです。2026年6月26日に株主優待制度の新設を発表し、初回の基準日は2026年9月30日となります。

100株以上1000株未満を保有する株主には1000円相当、1000株以上なら5000円相当のデジタルギフトを進呈します。100株から対象となり、継続保有期間の条件が設けられていないため、今年9月から優待を狙う人にも分かりやすい制度です。

◆フタバ産業<7241>

フタバ産業<7241>は、自動車用マフラーやボディー部品などを手掛ける自動車部品メーカーです。2026年7月30日に株主優待制度の導入を発表し、初回は2026年9月末の株主が対象になります。

ポイントは、初年度については継続保有期間にかかわらず、一律1000円分のQUOカードがもらえることです。2年目以降は1年以上の継続保有が条件となるため、「今から今年9月の優待を狙う」という今回のテーマには相性のよい銘柄です。

優待だけでなく、自動車生産の動向や原材料価格、為替などが業績に与える影響も確認しておきたいところです。

◆AZ-COM丸和ホールディングス<9090>

AZ-COM丸和ホールディングス<9090>は、EC向け物流や食品物流などを展開する物流会社です。2026年9月末から「プレミアム優待倶楽部」を導入し、400株以上を保有する株主が対象になります。

400~499株では3000ポイント、500~599株では6000ポイント、600~699株では1万ポイントが付与され、保有株数に応じてポイント数が増えていきます。ポイントは特設サイトで、お米やブランド牛などの食品、スイーツ、家電製品、Amazonギフトカードなど5000種類以上の商品と交換できます。

1点注意したいのは、100株では優待を受けられないことです。400株からとなるため、購入前には優待内容だけでなく必要な投資金額も確認しましょう。

◆新設優待は「続くかどうか」にも注目

新設された株主優待には、「今年からもらえる」という楽しみがあります。一方、株主優待は一度始まれば永久に続く制度ではありません。企業の業績や株主還元方針によって、内容が変更されたり廃止されたりする可能性もあります。

特に新設直後は優待内容だけに目を奪われず、なぜ企業が優待を導入したのか、配当を含めた株主還元をどう考えているのか、業績は安定しているのかも確認したいところです。優待をきっかけに企業を知り、その企業を長く保有したいと思えるかまで考えることが、株主優待投資では大切です。

※株主優待に関する情報は、記事執筆時点のものになります。詳細につきましては、各社が発表している株主優待内容をご確認ください。

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いします。

文:田代 昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。

文=田代 昌之(金融文筆家)