NEXZが代々木の花道に込めた覚悟──ゼロ距離の「I'm Him」が刺さる

JYPエンターテインメントとソニー・ミュージックの日韓合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project Season 2」から誕生したグローバル・ボーイズグループ、NEXZ。Stray Kidsに続いて、約6年ぶりにJYPから輩出されたボーイズグループというだけでも、注目必至なのは言うまでもないが、AAA『BEST NEW ARTIST』受賞や日本ゴールドディスク大賞「ベスト5ニュー・アーティスト(邦楽部門)」受賞、最新シングル『Mmchk』の初動売上が44万枚超を記録など、本人たちの勢いも並大抵ではない。アーティスト名に込められた、「これからの未来を、新しい世代とともに切り開いていってほしい」というJ.Y. Parkの想いを、まさに体現している。

【NEXZ ライブ写真ギャラリー】

そんなNEXZにとって初となるアリーナツアー『NEXZ LIVE TOUR 2026 ”Hellmate”』が、5月30日(土)に東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開幕した。「最高の友だち」を意味する”Hellmate”をタイトルに掲げ、「NEX2YのおかげでNEXZが輝いているように、NEXZの輝きでNEX2Yにも輝いてほしい」という願いをひとつのショーへと昇華。生バンドを従えた最高の音楽体験と共に、全28曲(アンコール込み)を全力で駆け抜けていった。本稿では、東京公演2日目となる5月31日(日)の様子をお届けする。

飛行船を舞台としたオープニング映像に釘付けになっていると、なんとバックステージにメンバーが登場。連日参加のNEX2Yが多かったのか、「待ってました」と言わんばかりの期待に満ちた歓声が沸き上がった。ダンスパフォーマンスを交えながらメインステージへ到着すると、いよいよ本格的にショータイムの始まりだ。

まずは、予測不能な嵐の中へ冒険に出る瞬間の緊張感と覚悟を、NEXZが進んでいく道と重ねた「Legacy」を投下。冒頭一発目だというのに、ヒヤッとするような緊張感はなく、落ち着いたマインドで舞台に立っていることが静かに伝わってきた。

勢いのままに、NEXZは信念が滲むナンバーを続々と展開していく。「誰に何を言われても俺の道を行く」と刻む「BURNING BLACK」、彼らの覇気と力強い抱負が息づく「HARD」、本当の自分を探し出す過程を描いた「One Bite」。歌やダンスで魅せるのはもちろん、照明や特殊効果とも呼吸を一体化させ、ライブならではの見せ方を実現。逆光を利用して、白いスクリーンに黒のシルエットで惹きつける様なんて、まさに鳥肌ものだ。

Photo by 田中聖太郎写真事務所

「本物中の本物こそ僕だ」と謳う「Im Him」では、アリーナ席中央を突っ切る花道を使ってパフォーマンス。開演前には「やけに広い通路だな…」なんて思っていたが、ステージ同様に活用されることを考えれば納得だ。あえてアリーナをそのまま活かした花道にすることで、席によってはゼロ距離で歌や踊りを体験できる空間を実現。パフォーマンスへの確固たる自信を距離感でも示したのである。

ほんわかムードでMCをしていても、ひとたび音が鳴り始めれば表情は一変。即座に作品の世界観へ潜りこんでいってしまうのが、NEXZだ。そして、NEX2Yと一緒に最高の時間を作り上げる。「Hands up, Yo!」で盛大なクラップを巻き起こしたかと思えば、「Simmer (Japanese Ver.)」ではパワフルなコールが炸裂。その光景は、デビューからの約2年間でNEXZとNEX2Yの絆が、しっかりと磨き上げられてきたことを物語る。「Want More? One More!」でも溢れんばかりの魅力を出し切り、”NEXZとは何たるか”をオーディエンスの目に焼き付けた。

Photo by 田中聖太郎

Photo by 田中聖太郎

NEXZがいろんな人の青春を応援するVCRを経て、7人の煌びやかでポップな側面に光を当てるターンへ。キラキラしているファンの姿から着想を得た「HYPEMAN」で新たなセクションの幕を開け、眩いばかりのカリスマ性を放出していく。その質感は甘く爽やかで、ファンがメンバーを「可愛い」と評するのも納得の説得力だった。

サインボールを投げながら花道を巡り歩いた「Keep on Moving」では、予想外の投球を繰り出して、NEX2Yにペコペコと謝るメンバーの姿も。洗練された歌とダンスに限らず、チャーミングな立ち振る舞いも、オーディエンスを虜にするポイントのひとつなのだろう。「Run With Me」でもたっぷり愛嬌を振りまき、多幸感で会場を包みこんだ。

続いては、癒し効果抜群のバラードパートに突入。それぞれが「Cant hide」「One Day」「Slo-mo」に想いをこめ、マイクへ歌声を落としていく。一列に並んだり、ステージに腰掛けたりしながら歌う7人は自然体で、各々の言葉にはオリジナリティある温度が宿る。《Just you and I, you are not alone/約束するよ》と紡がれる真っすぐな想いは、NEXZの未来をずっと信じていたくなるような光に満ちていた。

バンドセッションの後は、ラップ・ダンス・歌の3チームに分かれて魅せるカバータイムへ。HARUとHYUIはStray Kids「Muddy Water」を、オリジナルのリリックにアレンジして披露。個々のカラーを遺憾なくフロウに落としこみ、ふたりのスキルを存分に味わえる贅沢なパフォーマンスを成し遂げた。Vaundyの「不可幸力」を歌い上げたのは、TOMOYA・SEITA・YUKIの3人だ。歌唱で情景を描きだすだけに飽き足らず、目線や表情、所作までも使いこなし、豊かな世界観を構築した。YUとSO GEONによるJosef Salvat「call on me」は、ひとつの美の究極系と言っていいだろう。体のラインを拾うぴたっとした衣装が洗練された振りの美しさを如実に訴えると共に、シンメトリーを活かした表現が、芸術的な妖しさを醸し出していた。

いよいよライブもラストスパート。NEXZ Japan 3rd EP『Hellmate』のタイトルソングである「Hellmate」をきっかけに、「Ride the Vibe (Japanese Ver.)」「O-RLY? (Japanese Ver.)」と怒涛の勢いで畳みかけていく。MCでの声出しも功を奏し、場内に響き渡る声は、一段と熱を増していった。

たくさんのエールを力に「Mmchk (Japanese Ver.)」をぶちかまし、「NALLINA」で内なる炎の温度をジワジワと高め、濃縮したパワーを「Next Zeneration」で爆発。一糸乱れぬダンスは、一つひとつの動きがパワフルで「ここに全てをぶつけるんだ」という心意気が弾むよう。ラストには、センターステージをボクシングのリングに見立てて、「Beat-Boxer」をドロップ。NEXZの熱に呼応するように、客席の声援も際限なしに大きくなっていく。最後の最後までお互いがパワーを出し切り、エモーショナルに幕を下ろしたのだった。

Photo by 田中聖太郎

Photo by 田中聖太郎写真事務所

アンコールで姿を現したメンバーは衣装チェンジ。「Eye to Eye」と「Here & Now」の2曲にわたって、アリーナ席の外周を巡っていく。無事に本編を終えられて、メンバーもホッとする想いがあるのだろう。NEX2Yと目を合わせたり、レスを送ったりする姿はリラックスしていて、朗らかに楽しんでいることが伝わってくる。その後も、NEXZとNEX2Yが共に過ごす瞬間のときめきを詰めこんだ「Next To Me」、どんなときも一緒に光へ向かって進んでいく絆を描いた「Co-Star」と未来への希望を描き、晴れやかにフィナーレを結んだのだった。

Photo by 田中聖太郎

6月24日にはJAPAN 3rd EP『Hellmate』のリリースも決定しており、勢いの止まらないNEXZ。『NEXZ LIVE TOUR 2026 ”Hellmate”』を経た先で、さらに大きく羽ばたいていくことだろう。彼らが作っていく新たな時代の波に、乗らない理由があるだろうか。