LIFULLが運営するLIFULL HOME'Sは5月19日、東京23区で増加傾向にある、流通価格1億円以上の「中古億ション」調査の結果を発表した。

東京23区 中古億ション率

LIFULL HOME'Sに掲載された東京23区の中古マンションのうち、1億円を超える「中古億ション」の割合を調査した。2015年は1.0%、2020年は3.4%に留まっているが、2025年には18.8%まで上昇しており、流通する中古マンションの約5戸に1戸が億ションとなっている。

  • 東京23区 中古億ション率

    東京23区 中古億ション率

区別の中古億ション率

億ション掲載割合に応じて色づけしたヒートマップを見ると、港区(58.6%)、千代田区(53.8%)、中央区(49.6%)となっており、都心3区では中古マンションの約半数が億ションとなった。5年前の2020年から、港区では+36.6%、千代田区では+33.9%、中央区では+43.4%と、30%以上割合が増加しており、都心部での価格上昇を物語っている。

  • 東京23区 中古億ション率(2025年)

    東京23区 中古億ション率(2025年)

  • 東京23区 中古億ション率

    東京23区 中古億ション率

LIFULL HOME'S総研の中山登志朗氏は次のように解説している。

円安の進行による資材価格の高騰、人手不足の深刻化による人件費の上昇、地価の安定的上昇に加えて、イラン情勢の長期化によって「ナフサショック」が顕在化・本格化する懸念もあって、東京23区の新築マンションは供給が絞られ、価格は極めて高水準で推移している。また、新築マンションの価格高騰に連動して、中古マンションの価格も大きく上昇しており、実際に億ション率は18.8%と約2割に急増している。さらに、中古マンションの流通自体も拡大しており、中古億ションの戸数も増加している。

新築マンションは「ナフサショック」の影響で引き渡し時期が読みにくい状況となり、マンションデベロッパー大手各社が購入者に通知を出す事態になったが、中古マンションは(大規模なリフォームをしなければ)購入後ほどなくして入居・利活用可能というメリットがあり、新築マンションよりも裾野が広く、立地や築年数などによっても在庫が豊富のため、条件に適う物件が皆無という状況にはほぼならない。

マンション市況に大きな変化が起きる可能性が出てくると、購入・売却が当事者の意思でコントロール可能な中古マンションにニーズが集まりやすいため、需給がタイトになり、結果的に価格を上昇させる要因となる。また、新築マンションの供給が減少していることも中古マンション価格を引き上げる一因となっている。

イラン情勢の長期化は今後本格化するであろう消費者物価のさらなる上昇や、景気の後退が予見(同時に発生するとスタグフレーションを引き起こす)されることで、既に住宅購入意欲にも影響し始めている。湾岸エリアの中古マンションでは、極めて強気な価格設定から数百万円~数千万単位で値下げしている事例も発生しているため、先行きの不透明感が高まっていることにも注意が必要だ。