
『Octane』UK寄稿者による愛車レポート。ジェシーの1968年フォード・マスタングGT390のレストアが進行中。残された作業リストも短くなってきて、ずいぶん気持ちが楽になってきた。しかし、見た目ほど簡単ではないことも多い。特に車のレストアに関しては、なおさらだ。
【画像】残す作業もあとわずか。完成に近づくフォード・マスタング(写真3点)
オリジナルのプロペラシャフトに凹みがあったので、ノーサンプトンシャーのハウザー・レーシング社で新しいものを作ってもらった。仕上がりは見事の一言で、元のものを寸分違わず(もちろん凹み以外を)再現したものとなっていた。それだけでなく、ぴったりとフィットし、取り付けもあっという間に完了した。
それが終われば最終コーナーを回ったも同然、いよいよホームストレートの大詰めだ。…と、その時はそう思っていた。エンジンルームでの作業も、あとわずかだった。ファン、ラジエター、それと数本のバキュームホースの取り付けだけだった。
その後、ヒーターユニットをまたもや取り外すはめになった。なぜなら、モーターを分解していなかったからだ。組み直したときにはモーターは問題なく動いていたのだが。電気系統の最終チェックでは異音が発生したため、ブロンズ製のベアリングとフェルトパッドに注油する必要があった。また、油圧警告灯のセンサーの代わりに、一時的に油圧テストゲージを取り付けた。これは、エンジンの初回始動時の状況を、注意深く監視するためだ。
そして、これまでに何百回もこなしてきた、ごく単純な作業はどうだったか?メッキのトリムを数か所取り付ける作業は何の問題もなく、オリジナルのグリルの修復と再装着も同様だった。しかし、フロントサスペンションのセットアップには長い時間を要した。というのも、その設計が驚くほど精巧で、アッパーウィッシュボーン、キャンバー調整式のロアコントロールアーム、さらにはキャスター調整用のストラットロッドなど、さまざまな部品で構成されていたからだ。この作業には、信頼のおける旧来のダンロップ製AGO光学式トラッキングゲージと、ガンソン製の磁気式キャスター/キャンバーゲージを使った。エンジンの重量が300kg近いことを考慮し、今回はフロントホイールの下にスチール製のディッシュをいくつか新調した。
ブレーキのエア抜きは数時間で終わると思っていたのだが、結果的には2週間にも及ぶ長丁場になってしまった。この車は、前後独立のデュアルサーキット方式を採用しており、複雑なバルブブロックがエンジンルーム内の運転席側インナーフェンダーに装着されている。シーリングは交換していたものの、不良が生じて液漏れしていた。幸いにも塗装にダメージはなかったが、新品部品がまだ入手可能だったので、アメリカから取り寄せて取り付けた。今ではブレーキは完璧に機能し、ペダルの踏み心地もしっかりしている。
次なる作業は、適切なバッテリーの選定、エンジン、トランスミッション、デフ用に最適なオイルの調達だ。特に、大型V8エンジンの慣らし運転に用いるオイルについては、入念に調査を重ねた。その結果、潤滑油を注入すべき箇所すべてに充填が完了した。このマスタングがついに咆哮を上げる日も、もうそう遠くないはずだ。うまくいくことを願うばかりである…
文:Jesse Crosse