北海道電力は2月20日、同社専用の石炭輸送船「ぴりかもしり丸」に、プランツラボラトリーの小型植物栽培ラック「PUTRACK」を設置した。

プランツラボラトリーとは

プランツラボラトリーとは、植物工場に関する研究開発やコンサルティング、農業資材の販売・卸売業務を手掛ける企業。北海道の農業課題の解決および食と観光の振興のため、両社は資本業務提携を結び、これまでに、レタスやルッコラなどを栽培する植物工場(JR倶知安駅建物内)の操業や、栽培した農作物のニセコエリアのホテル、飲食店、スーパーへの販売を行うことで、北海道における野菜の安定供給や、食と観光の付加価値向上、フードマイレージの削減といった環境負荷の低減に取り組んでいる。

植物工場の野菜は、「お手軽」「安心・安全」でありながら、「新鮮で美味しい」というのが最大の特徴。環境制御技術で旬の味を再現することができるため、本来旬の時期しか栽培できない野菜を1年中安定して生産することができる。また、露地栽培では収穫まで60~70日かかるところを、35日と栽培期間が短くて済むという特徴も。それでいて、主要な栄養素に関しては、露地野菜と変わらないという。

さらに、立体的な垂直栽培を採用することで、同じ敷地面積でも4倍の量を収穫することが可能に。また、大型植物工場は郊外で作って都心に運ぶため、輸送距離が長くなるが、同工場では、現在の主要取引先である「パークハイアットニセコ(倶知安町)」やレストラン、スーパーなどに最短で出荷するため、ニセコで栽培。輸送距離を短くしてサプライチェーンを短縮し、CO2削減と地産地消を実現している。

長期の航海に新鮮な野菜を

  • 小型植物栽培ラック「PUTRACK」の船内設置の様子

    小型植物栽培ラック「PUTRACK」の船内設置の様子

今回の取り組みでは、長期の航海に従事し、生鮮食品の補給が難しい船舶に、小型でありながら、植物工場のようにいつでも新鮮な野菜が栽培できるプランツラボラトリーの小型植物栽培ラック「PUTRACK」を設置。

石炭輸送船「ぴりかもしり丸」の船室入り口付近にラックが設置され、フリルレタスの栽培キットのほか、育成期間を待たずに収穫と栽培が並行できるよう、すぐに収穫できる状態まで育成されたレタスや、育苗後8日目の苗も積み込まれた。ちなみに、「ぴりかもしり丸」の船名は、「アイヌ語」で美しいを意味する「ぴりか」と、大地を意味する「もしり」から名付けられたという。

  • レクチャーの様子。用具の使い方から、野菜の栽培コツまで詳細に伝授された

    レクチャーの様子。用具の使い方から、野菜の栽培コツまで詳細に伝授された

用具の使い方や栽培のコツなど説明を受けた「ぴりかもしり丸」の滝上船長は、「長い航海の間にも新鮮な野菜が食べられるのはもちろんのこと、船内に緑があることで船員の癒しにもつながると思う。全員で協力して丁寧に育てていきたい」と期待を述べた。