サービスエリア・パーキングエリア(以下SA・PA)といえば、休憩のついでに立ち寄る場所。そう思っていたが、どうやら違うらしい。

たとえ移動の途中ではなくても「わざわざ食べに行く価値がある」と思わせる名物メニューが点在している。今回はその中から、名神高速沿いの4カ所を実際に回って確かめてみた。

■「SA・PAグルメランキング」の中から選んでみた

NEXCO西日本では毎年SA・PA部門ごとにベストメニューを選出するグルメランキング「関西SA・PA名物グルメ選手権~やっぱコレやね!~」が開催されている。

現在はちょうど2026年度のアンケート投票期間なのだが、今回は2025年度にグランプリに選ばれたメニューの中から、京都からアクセスしやすい名神高速の4スポットをピックアップ。実際に食べて、その実力を確かめてみることにした。

■桂川PA(下り):ボリュームたっぷりの本気丼!

まず訪れたのが桂川PA(下り)。

  • 京都から大阪、神戸などのお土産が販売されているPA

    京都から大阪、神戸などのお土産が販売されているPA

グランプリを獲ったのは「二個玉二枚カツ丼」だ。お値段は1180円。

  • 「二個玉二枚カツ丼」

    「二個玉二枚カツ丼」

豚肉には甘辛い下味がしっかりとついており、濃いめの味付けがごはんと一緒に食べるとよく合う。出汁の量がほどよく、衣はサクサク感が残っている。とじた玉子もネギたっぷりで、出汁の旨味が効いている。

  • サクサクの衣と出汁が絡み合っている

    サクサクの衣と出汁が絡み合っている

さらに目を引くのがそのボリューム。2枚どころか3枚あるのでは、と感じるほど豚肉がしっかり乗っている。

それでこの値段だとコスパがいいと思う。

丼もの大好きな筆者でも一人で全部は食べきれなかったくらい、質、量、値段ともに満足できる一品だ。

■大津SA(上り):手軽に近江牛を堪能

大津SA(上り)は、ローカルフードが多くお土産を買うのが楽しい場所だ。行列ができている551売場など、関西ならではの土産を扱っているのが特長だ。

フードコーナーは上下2フロアに分かれており、階段下のレストランには近江牛や近江黒鶏、比叡ゆばといった滋賀らしい食材を使用したメニューが並ぶ。

  • この「階段下」側のレストランにある

    この「階段下」側のレストランにある

お目当てのメニューはこの階下のほうにあるらしい。入口に一歩入ると、焼肉屋さんのような香ばしい牛肉の匂いが広がり、食欲を刺激してくる。

食券ではなく、レストランのように席でオーダー。金賞を獲ったのは「近江牛焼肉重」。こちらは1980円だ。

サービスエリアフードとしては少々値段が高いが、近江牛は日本三大和牛と言われることを考えると決して高くはないだろう。しばし待つと、配膳ロボットが運んできた。

  • 「近江牛焼肉重」。ごはんが見えないくらいお肉たっぷりだ

    「近江牛焼肉重」。ごはんが見えないくらいお肉たっぷりだ

焼肉重には玉ねぎがたっぷり入っていて、甘めのタレに玉ねぎの酸味が効いている。 お肉も玉ねぎの量に見合うくらいたっぷりと入っているので、カサ増し感はなく、むしろボリューミーでうれしくなる。

近江牛の肉質は、ほどよい弾力。やわらかすぎず、しっかりとした肉感がある。味は、牛肉の脂の甘味が感じられる。甘辛いタレと絡みながらもしっかりと甘味を感じて噛み応えがある。

お重を頼むということは、ごはんありき。多めのつゆがしっかりとお米に絡んでくる。

大満足の一品だった。

■大津SA(下り):毎日食べたくなる一杯

大津SA(下り)は、筆者一押しのSAだ。

  • 広々としている大津SA

    広々としている大津SA

お手洗いがキレイで落ち着くし、土産の量も多いし、フードコートも広いし、展望デッキから琵琶湖が見える。上りのほうが琵琶湖寄りなのだが、下りの展望デッキからのほうがよく見えるのだ。

こちらは食券を買うスタイル。「大津中華そば」は930円だ。

  • 「大津中華そば」は大津SAの人気メニューランキングでも不動の1位とのこと

    「大津中華そば」は大津SAの人気メニューランキングでも不動の1位とのこと

この「大津中華そば」は、素材にこだわっている。

まず、スープ。魚介系に鶏ガラをブレンドしたスープに、滋賀県守山市の天然醸造の遠藤醤油の「特急・千登勢」を使っている。手間ひまかけて作られた濃口醤油のスープは濃厚ながらも後味が軽く、飽きがこない。

細めの麺は滋賀県産の「びわほなみ」小麦を使用。もちもちしていて小麦の風味がしっかりと感じられ、スープとの相性も良い。

トッピングの小松菜も滋賀県産。シャキシャキとした食感がアクセントになっている。

チャーシューはあっさりしていて、全体のバランスを崩さない。最後まで食べやすい一杯に仕上がっている。

日常的に食べたくなるタイプのラーメンだ。

  • 琵琶湖を眺めながら食べられるのはとても魅力的だった

    琵琶湖を眺めながら食べられるのはとても魅力的だった

■菩提寺PA(下り):満腹も栄養もとれるバランス型うどん

菩提寺PA(下り)は、焼き芋の自販機があったり、ドッグランもあったりと、キャパのわりに「しっかり休憩」ができるPAだ。

近江牛や滋賀県の銘菓が揃っていて、お土産探しも楽しい。

  • 地元産のお土産に加え、この日は神戸のお土産も多く取り扱っていた

    地元産のお土産に加え、この日は神戸のお土産も多く取り扱っていた

食券を買ったのは、「豚汁うどん」。金賞を獲ったのは単品だが、今回は卵かけ海苔ごはんセット(1030円)にした。単品は730円だ。

食券を渡すときに、ごはんの量の希望や、卵かけごはんがしやすい大きめの器の希望を伝えることもできる。細やかなサービスがうれしい。

  • 「豚汁うどん」具だくさんでおいしい豚汁

    「豚汁うどん」具だくさんでおいしい豚汁

豚汁うどんは、単品でも栄養、量ともに満足できる内容だ。

まず、具が多い。大根、にんじん、ごぼう、里芋、こんにゃく、薄あげにネギ。もちろん豚もしっかり入っている。お味噌は、コクがあって甘すぎず辛すぎず。出汁がしっかり効いてて、麺と一緒に味わってもどちらの味も引き立つ。

そしてこのうどんには、きしめんを使用しているのもポイントだ。きしめんはコシがあり、小麦の風味も感じられる。伸びにくい麺なので、最後まで食べやすい。

  • 海苔は別で盛られているので、まず“TKG”からスタートしてもいいかも

    海苔は別で盛られているので、まず“TKG”からスタートしてもいいかも

卵かけごはんは、海苔が特徴的だった。

焼きのりではなく、あおさのような海苔がたっぷりあり、風味がとても良い。味変してもいいし、アレンジができるのが魅力だ。

脂の役割を担っているのは豚肉だけなので、ボリュームの割にもたれないので夜中のドライバーにもおすすめだ。満足感の高い一食だった。

■ドライブの目的になるSA・PAだった

名神高速は、単なる通過路じゃなかった。

桂川下りはボリュームで満たし、大津上りは近江牛の満足感、大津下りはロケーションと地場の魅力、菩提寺下りは栄養まで整う一食。どのメニューもおいしくて、満足度が高かった。

ドライブの目的になりうるSA・PAだった。