きずな歯科クリニックは3月26日、歯ブラシ交換の実態と意識調査の結果を発表した。調査は2026年2月28日、主に「手用歯ブラシ」を使用する20~69歳の男女716名を対象にインターネットで行われた。
歯ブラシの推奨交換頻度
毎日使う歯ブラシだが、適切な交換時期について、生活者はどの程度正しい知識を持っているのか。次のグラフは、歯科医師や歯科衛生士が推奨する歯ブラシの交換頻度の目安について、どのように認識しているか質問した結果。
推奨される交換頻度の目安として「1ヶ月程度」と回答した割合が58.2%となり、最多の選択肢となっている。一方で、「2~3ヶ月程度(13.1%)」と「半年程度以上(3.6%)」を合わせ、目安を「2ヶ月以上」と長く認識している人は16.7%にとどまった。
一般的に、歯科医院などでは衛生面や清掃効率を保つ観点から「1ヶ月に1回」の歯ブラシ交換が推奨されている。調査結果から、過半数の生活者が専門家の推奨する目安を正しく把握しており、交換時期に関する基本的な知識を多くの人が認識していることがうかがえる。
実際の交換サイクルは認識している目安より長引く傾向
では、実際にはどのくらいの頻度で交換している人が多いのか。次に、実際の歯ブラシの交換サイクルについて質問を行った。
「1ヶ月に1回程度」が39.7%で最多となったものの、推奨目安を「1ヶ月程度」と認識している割合を大きく下回っている。一方で、「2~3ヶ月に1回程度(32.7%)」と「半年に1回程度以下(10.9%)」を合わせた43.6%の人が、同じ歯ブラシを2ヶ月以上使用し続けている結果となった。
全体として、知識として持っている推奨目安よりも、実際の交換サイクルが長引く傾向が見られた。多くの人が歯ブラシ交換の適切な時期を正しく把握しているものの、それを日々の習慣として実践できていないケースも少なからずあるようだ。
交換基準は「見た目の変化」が57.1%で最多
交換サイクルが長引いてしまう背景には、どのような理由があるのか。続いて、どのような基準で歯ブラシを新しいものに交換しているのか質問した。
「毛先が開いたなど見た目の変化」が57.1%と過半数を占める一方で、「自分の決めた周期や日付がきた」と回答した人は21.3%にとどまった。次いで「磨き心地・使用感が悪くなった」が10.0%となっている。
一般的に歯ブラシは、見た目に変化がなくても1ヶ月程度の使用で清掃力が低下し、雑菌も繁殖しやすくなる。期間による明確な基準ではなく、見た目の変化といった感覚的な判断に頼ることが、結果として交換のタイミングを遅らせる大きな要因になっているのかもしれない。
定期検診の受診者は「期間」を重視する傾向が強い
感覚的な判断になりがちな歯ブラシの交換だが、歯科医院に通う習慣はこうした意識にどう影響するのか。次のグラフは、前項と同じ設問を、過去1年間における定期検診の受診有無別に集計した結果である。
「自分の決めた周期や日付がきた」と回答した割合に注目すると、定期検診を受けた層では27.5%にのぼり、受けていない層(13.1%)の2倍以上となった。また、「毛先が開いたなど見た目の変化」を基準にする割合は、受けていない層で67.5%に達したのに対し、受けた層では50.4%と低くなっている。
定期検診を受けた層であっても、依然として見た目に頼る人が半数を占めていることが分かる。一方で、受けていない層と比較すると、感覚的な変化よりも期間という明確な基準を重視する人が多く、定期検診が正しいセルフケアの意識を育む上で、一定の効果をもたらしているといえそうだ。
「定期検診」と「歯ブラシの交換頻度」の関係
セルフケアに対する意識の差は、実際の交換サイクルにどのような違いをもたらすのか。最後に、実際の歯ブラシの交換頻度を、過去1年間における定期検診の受診有無別に集計した。
「1ヶ月に1回程度」と回答した割合は、定期検診を受けた層で47.1%に達し、受けていない層(30.2%)の約1.6倍となった。一方で、「2~3ヶ月に1回程度」と「半年に1回程度以下」を合わせた「2ヶ月以上」の割合に注目すると、未受診者では55.3%と半数を超えたのに対し、受診者では34.4%にとどまっている。
歯科医院に通う習慣は、セルフケアに対する意識だけでなく、実際の交換サイクルといった行動面にも良い影響を与えていることを示す結果となった。専門家による定期的なチェックやアドバイスなどが、適切なセルフケアを日常的に実践するための有効なサポートになっていることがうかがえる。




