フジ・メディア・ホールディングスはこのほど、25年度第3四半期の決算説明会で、今後の成長戦略として「IP・コンテンツ」を軸とした事業転換を加速させる方針を示した。放送中心のビジネスモデルから脱却し、“真のコンテンツカンパニー”への進化を引き続き目指す。

  • フジ・メディア・ホールディングス本社=東京・台場

    フジ・メディア・ホールディングス本社=東京・台場

経営の最重要課題として掲げられたのは、「良質なコンテンツの育成と活用方法の拡大」。IP・コンテンツを軸に資本効率を高める企業への転換を明言し、日本発コンテンツの海外展開が進む現状を「市場拡大の好機」と位置づけた。

自社オリジナルIPの開発に加え、有力IPを持つパートナー企業との連携も重視。放送によるリーチ力という強みを生かしつつ、原作・IP開発といった“川上”から、マネタイズを担う“川下”まで事業領域を拡張していく構えだ。今後は不足分野への投資や補完策を詰め、具体的な計画を提示していくとした。

フジテレビを“真のコンテンツカンパニー”へ転換するうえでの最大のハードルとして挙げられたのが、従来の「放送事業中心」の体制・意識。組織の重心が放送に寄りがちな現状に対し、「本質はコンテンツを作ること」にあると強調し、新たな企画や事例を早期に実現し、成功体験を積み重ねることで社員の意識変革を促す方針を示した。具体的な成功例を積み上げることで、組織全体の転換を図る。

アニメビジネスでは、グループ傘下のデイヴィッドプロダクションの存在を軸に、制作力の強化を進める。有力原作の確保には優秀な制作会社との連携が不可欠とし、制作ラインの拡充に投資して競争力を高める。

同時に、映画化やノベライズ、グッズ展開など、IPを多層的に活用することで収益機会を拡大。ファン層の裾野を広げる“総合力”の強化をグループ全体で進めていく考えだ。

実写コンテンツでは、これまで映画興行収入上位作品に多数関与してきた実績を背景に、さらなる拡大を図る。昨年も話題作が興収を伸ばしたことを踏まえ、今後は公開本数の増加を目指す。

戦略の柱となるのは、ドラマと映画の企画・制作を同時に進める連動型の開発体制。さらに、グループ会社の制作力を一層強化し、量と質の両面でヒット創出力を高めていくとした。

海外ビジネスについては、過去の協業経験から難しさを認識しつつも、今後の成長には不可欠な領域と位置づける。コンテンツ投資を強化する中で、それをいかに海外展開へつなげるかが重要課題となる。

現時点では、具体的なスキームよりも“体制づくり”に重点を置き、グローバル市場で戦える基盤の整備を進めていく方針だ。