福士蒼汰が主演するフジテレビ系ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』(毎週火曜21:00~ ※全話放送終了後、FODでseason2独占配信)の第9話が、24日に放送された。

今作は数多く制作されてきた“警察ドラマ”の中でも、知られざる「警視庁広報課」を舞台にした完全オリジナル作品。物語はいよいよ、クライマックスへと突入した。

  • 福士蒼汰 (C)フジテレビ

    福士蒼汰 (C)フジテレビ

想像を超える熱量で物語を一気に押し上げる

これまで着実に信頼を積み重ねてきた本作において、最大の難関はやはり終盤の“縦軸”――安藤(緒形直人)が抱える“未解決事件”の決着だろう。この出来不出来で、作品全体の評価が決定づけられると言っても過言ではない。中盤までの完成度がいかに高くとも、最終局面で失速すればすべてが霞んでしまう。だからこそ、この局面にどんな答えを出すのかに、自然と期待が高まっていた。

加えて、本作はシーズン2がFODで独占配信という報が既に示唆されている。ゆえに、この“縦軸”が曖昧なまま持ち越されてしまうのではないか?…そんな不安がよぎっていたのも事実だ。ここまで積み上げてきたものが大きいからこそ、その結末には誰もが敏感にならざるを得ない。

しかし、その懸念は杞憂だった。なぜなら第9話は、まさにその“縦軸”を真正面から展開し、想像を超える熱量で物語を一気に押し上げてみせたからだ。

22年前の爆殺未遂事件――その真犯人を名乗る受刑者・大沼(大塚明夫)の告白という、あまりにセンセーショナルな幕開け。しかし今作が巧みなのは、その“告白”をただの見せ場として消費するのではなく、丁寧なディテールの積み重ねとともに、「情報がいかにして社会へ流通していくのか」という“広報”の視点へと即座に引き寄せてみせた点にある。

背後に見え隠れする自己啓発団体=“カルト”の存在、公安と捜査一課の思惑が交錯する構図、そして時効を巡るタイムリミット――それらが次々と重なり合い、物語は一瞬たりとも目を離せない密度へと変わっていく。

“それをどう伝えるのか”が見届けたい

さらに特筆すべきなのは、本エピソードが内包するエンターテインメントの“過剰さ”だ。

22年前の爆殺未遂事件、真犯人を名乗る受刑者の出現、カルトの影、公安と捜査一課の対立、時効を巡るタイムリミット…それら一つ一つが、単体でも十分にクライマックスになり得る強度を持っている。

通常であれば、これほどの要素が並べば、物語の焦点は“どんでん返し”や“真相解明”といった分かりやすい見せ場へと収束していくだろう。むしろ、それ以外は削ぎ落とされてもおかしくない。

だが本作は、その流れに乗らない。どれほど強度の高い展開を積み上げてもなお、最後に視線が集まるのは「広報がどう解決へと導くのか?」という一点なのだ。

本来であれば、真相こそが最大の見せ場であり、“広報”は後処理に過ぎない。しかし今作は、その関係性を鮮やかに反転させたのである。真相が大きければ大きいほど、「それをどう社会に提示するのか」という問いが、より重く、より強く迫ってくる。

気づけば私たちは、“何が起きたのか”以上に、“それをどう伝えるのか”を見届けたくなっている。それが現代と地続きの問題だからだ。そしてその引力こそが、本作のすごみなのだ。

この第9話時点の高揚だけで、すでに満たされてしまっている自分がいる。しかし、それでもまだ“終わっていない”。ここまで観る者の心を揺さぶり、ここまで高く引き上げておいて、このまま終わるはずがない。そう思わせるだけの“すごみ”が、今作には確かにある。むしろ、この高揚を生み出せたからこそ、最後はさらにその先へと連れていってくれるのではないか――そんな期待すら抱かせるのだ。

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