コスモエネルギーホールディングス、戸田建設、パイロットコーポレーションの3社は2026年3月10日、東京・京橋のTODAホール&カンファレンス東京にて共同イベント「KYOBASHI International Women's Day」を開催した。
3月8日の「国際女性デー」に合わせた企画で、女性活躍を単なる啓発にとどめず、組織の存続に関わるテーマとして捉え直し、その実現に向けた対話の場と位置付けたイベントだ。会場では約160名、オンラインでは約130名が参加して盛り上がりを見せた。
和平を長く保つ鍵は女性の参画にある
冒頭では、戸田建設代表取締役社長の大谷清介氏とパイロットコーポレーション代表取締役社長の藤崎文男氏が開会の挨拶を行った。
第1部の基調講演には、認定NPO法人REALs(リアルズ)理事長の瀬谷ルミ子氏が登壇。「紛争地の再建プロセスに見る女性の参画 - 社会と組織を動かす共通解」をテーマに、紛争地の再建プロセスにおける女性の関わりについて語った。
REALsは紛争やテロ、家庭内暴力、貧困といった要因から生じる暴力から人々を守り、共生できる社会の実現を目指して活動している団体だ。
瀬谷氏はまず、女性の参画が和平の持続に大きく影響する点を指摘した。170以上の事例をリサーチした結果、女性が主体的に関わった和平プロセスは15年以上続く確率が3倍に高まることがわかっている。一方で、実際に女性が関与している割合はわずか9%にとどまっているのが現状だ。その背景には、紛争下での男女の立場の違いがある。
「女性は性的暴力の被害や避難生活の当事者として、生活にどのような影響が出るのか、どんな支援が必要なのかをよく理解しています。一方、男性は戦闘の最前線で命の危険にさらされています。それぞれ役割もリスクも異なるからこそ、両方の視点を取り入れることが重要なのです」(瀬谷氏)
こうした前提を踏まえ、瀬谷氏が強調したのが「30%」という数字だ。意思決定に関わる人のうち、3割以上を多様な人材が占めて初めて、組織の考え方や判断の仕方が変わる。単に人数をそろえるだけではなく、実際に意思決定に影響を与える状態になることが重要だという。
この多様性は理想論でははなく、組織が持続していくための現実的な戦略であり、「紛争地だけでなく、日本の企業にも共通する課題である」と指摘した。
ビジネスで直面した“修羅場”がキャリア観を形成
第2部では「企業における女性活躍の取り組みと課題」をテーマにパネルディスカッションが行われた。瀬谷氏に加え、コスモエネルギーホールディングス常務執行役員CDOのルゾンカ典子氏、パイロットコーポレーション執行役員で海外営業本部長の小城真志保氏が登壇し、戸田建設執行役員の愛宕和美氏がファシリテーターを担当した。
まずは、登壇者がそれぞれの経験をもとにキャリア観を語った。ビジネスにおける「修羅場」や印象的な出来事についての話題でルゾンカ氏は、年齢を重ねる中で「あのときやっておいてよかった」と思う場面はとても多いと語った。ヒヤヒヤする経験も含め、すべてが自分の財産になっているという。
「20代での経験は、その後の人生に大きな影響を与えています。当時、私はアメリカで過ごしており、関わる仕事のほとんどが初めての挑戦でした。その中で、物事にどう向き合うかによって、将来のコンフォートゾーンの広さが変わるのだと実感しました」(ルゾンカ氏)
この話を受け小城氏は、ビジネスの第一線で経験してきた交渉の修羅場を振り返った。
「交渉というのは、利害が一致しないことが前提です。そのため、相手が理不尽な主張をしてきたり、事実と異なる約束を持ち出してきたりすることもあります。あの手この手で自分たちの利益を取りにくる現場で、こちらも主張し、反論し、議論を重ねていきます。場合によっては法的な争いに発展し、裁判で戦うこともあります。詳細は申し上げられませんが、厳しい交渉の現場を数多く経験してきました」(小城氏)
イベントは、コスモエネルギーホールディングス代表取締役社長の山田茂氏による閉会の挨拶で締めくくられた。
生理痛を体験できるサイドイベントも
会場では、女性の健康課題への理解を深めるサイドイベントも行われた。生理痛を体験できる企画が用意され、男女別のスペースで希望者が体験した。
フェムテック製品の展示もあり、「こういうものがあるのは知らなかった」と話す女性たちの姿も。イベント全体を通じ、性別を問わず多くの人が、女性の働き方や健康への理解を深める機会となった。




